2012年04月

過労死は自己責任、労働基準法は時代に合わない、と主張する城繁幸氏への疑問

ブロゴス記事より
ホワイトカラーなら、有給休暇を100%消化するのも過労死するのも自己責任
2012年04月25日 09:30 城繁幸

東洋経済オンラインのステーキ・けん井戸社長インタビューがなかなか興味深い。
「倒れるのはそいつが悪いだけ。自己管理の問題だ。そもそも労働基準法がおかしい」
発言の部分だけが注目されそうだが、重要なことを示唆している良インタビューだ。

もともと労基法は工場の生産ラインをモデルに想定していて、今の時代には明らかに合わない
工場でみんなでガチャンガチャンと一定時間機械を回すだけで利益の出せる時代は終わったのだ。

倒れる奴は自己責任。それがイヤなら、店長にも管理職にもならなければいい。
この考えは、良くも悪くもこれからの日本の働き方の一つのトレンドになるだろう。
(抜粋) 
http://blogos.com/article/37541/

感想
(1)欧米では日本よりもっと労働規制が厳しいのでは?サビ残とかあまり聞かないし。日本の労基法が時代に合わない時代遅れなら、欧米の法律は化石か?
(2)自己責任ていうけど、ゼネコンや銀行がやばくなったらバンバン税金投入したわけで、個人にだけ自己責任を要求するのはどうなんだ。

やはり私はコンサルには向かないようだ。 

高収入ほど読書してるからみんな真似して読書して高収入を目指そう、という主張への疑問

ブロゴス記事より
低年収ほど「本を読む時間がない」はホント?
2012年04月16日 08:00 田中 伶

分かりやすいのが、高収入ほど読書時間が長いこと。(年収500万円台~800万円台は、一日5~30分未満なのに対して、 年収1500万円以上の平均は30分以上)
そして、月間読書量も年収とキレイに比例。もちろん本への投資額や、書店や図書館に行く回数も比例。
稼ぐ人の6割は「いつもカバンに本が入っている状態」なんて聞くと、沢山お金を稼いでいるからこそ、仕事に余裕があるんじゃない?と思ってしまいがちですが、高収入の人ほど努力して「読書のための時間」を作っているというアンケート結果。
ほかにも興味深かったのは、稼ぐ人ほど「学術書」を読み、低年収ほど「自己啓発書」「漫画」を好む。稼ぐ人は「著者」で本を選び、低年収は「タイトル」で本を選ぶ。・・・といったデータ。

・・・皆さんも一緒に、「読書習慣」始めましょう!
(抜粋) 

書いたコメント
これって金持ちになるために金持ちの真似をしようって趣旨ですか?
でももしかしたら金持ちは小さい頃から読書をしたから今の高収入高学歴があるのであって、大人になってから真似しても遅いかもしれないですよね。

たとえば「高収入者は低収入より歴史年号をよく覚えてて二次関数の問題も解答率が高い!だから我々も真似して歴史年号と二次関数を覚えよう!」てのと同じじゃないかということです。今更やっても意味あるのっていう。

どうでしょう田中先生。

震災で災害緊急事態を宣言せず支障があった、よって改憲で緊急事態規定を盛り込むべきという自民党・佐藤正久議員への疑問(後編)

(前編からの続き)
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   2(c)
「車の除去に時間がかかり行方不明者捜索にも支障がでた」てのは本当だろうか?捜索で車が邪魔なら瓦礫同様に重機で横にどけるだけで、それは禁じられてないのでは。現場の財産物を触ったり脇に動かしたりできないなら捜索自体無理だ。
 
もしかしたら佐藤氏は、 その場で脇にどけるでなく、財産権云々で車を遠くの置場に移動したり廃棄したりができないという話をしてるのかもしれない。だがそれについても2011年3月26日付けで国の指針が出ている。ガソリン配達拒否と同様に、わざわざ憲法をいじらずとも対応できたわけだ。
東北地方太平洋沖地震における損壊家屋等の撤去等に関する指針
(2)自動車について
○ 外形上から判断して、その効用をなさない状態にあると認められるものは撤去し、仮置場等に移動させて差し支えない。その上で、所有者等が判明する場合には、所有者等に連絡するよう努め、所有者等が引渡しを求める場合は、引き渡す。それ以外の場合は、自動車リサイクル法に従って使用済自動車として処理を行う。
○ 上記以外の自動車については、仮置場等に移動させた後、所有者等に連絡するよう努め、所有者等が引渡しを求める場合は、引き渡す。それ以外の場合の扱いについては、追って指針を示す。
○ 上記いずれの場合においても、移動及び処理を行う前に写真等で記録しておくことが望ましい。
http://www.env.go.jp/jishin/sisin110326.pdf

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 3
この「個人の権利」どうこうは国会質疑での佐藤議員に対するこの答弁のことだと思われる。
その緊急事態の布告につきましては、先ほどお答え申し上げました点に加えまして、国民の権利義務を大きく規制するという非常に強い措置であるといったことも踏まえて適切な判断が必要なものではないかと思っております。(2011年3月22日参院予算委員会 小滝晃内閣府政策統括官付参事官)

ただこれは109条の二項に「法人又は人」と書いてあることでも分かるように、「個人」だけを指すのではない。物資流通の話で当然企業も関わってくるから「個人や企業の権利」とするのが正しいだろう。

そういう細かい指摘は別にしても、人命より権利を尊重したという批判は当たらない。配達拒否に対しては自衛隊を当て、自動車撤去については指針を出し、またガソリンについては次の通り備蓄を放出して供給不足に対処している。人命救助と国民の権利(あるいは日本経済)を両立させようとしたというのが正しい表現だろう。
海江田経済産業相は14日夜、首相官邸で記者会見し、民間企業の基地に備蓄している石油の一部を放出することを明らかにした。日本には海外からの原油の供給途絶に備えて164日分の原油が蓄えられており、このうち民間基地に備蓄されている70日分のうち3日分(126万キロ・リットル)を14日付で放出できることにした。2011年3月15日読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20110314-OYT1T00991.htm

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結論としては、今回の震災で災害緊急事態布告は不要だっただろうし、震災を理由に改憲というのも不要だろうと考えられる。佐藤氏指摘の件についてはせいぜい指針レベルの改定で対処できるようだ。

震災で災害緊急事態を宣言せず支障があった、よって改憲で緊急事態規定を盛り込むべきという自民党・佐藤正久議員への疑問(前編)

まず佐藤氏ツイート
佐藤正久@SatoMasahisa
自民党の憲法草案における緊急事態規定の創設、佐藤も賛成だ。武力攻撃事態、緊急対処事態(ミサイル、テロ等)に加え、大規模震災も規定に入れ、国民保護法制の発動や災害対策基本法の緊急対処事態布告を容易にすべき。時の政権発動や交付を躊躇して国民の命が守られない状態は避けなければならない2012年3月7日 - 15:55 webから 
https://twitter.com/#!/SatoMasahisa/status/177286406366965762

佐藤正久@SatoMasahisa先の東日本大震災では、佐藤から緊急対処事態を布告すべきとしたが、菅政権は国民の権利を制限するとして布告を見送った。あの大震災で布告しないでいつ布告するのか?結果、燃料の配達拒否とか車の除去に時間がかかり行方不明者捜索にも支障がでたところも。
2012年3月7日 - 16:02 webから
https://twitter.com/#!/SatoMasahisa/status/177287982640939008

佐藤正久@SatoMasahisa
京都での活動を終え、博多に向かう電車の中。中央防災会議での議論、結局、災害緊急事態布告時における人命救助、復旧促進の観点から発令すべき政令の検討は、個人の権利優先、各役所の権限死守の抵抗等から検討せずの結論となったようだ。個人の権利を優先する民主党の体質もあるようだ。
2012年3月9日 - 21:28 モバツイから
https://twitter.com/#!/SatoMasahisa/status/178095013673181184

佐藤正久@SatoMasahisa
自民党新憲法草案ではテロや大規模災害への迅速対応のため緊急事態条項も新設。東日本大震災発災後初の予算委員会で、災害対策基本法の災害緊急事態の発布を求めたが、菅政権は個人の権利を侵害しかねないと拒否。人命より権利?憲法法記載で、災害緊急事態も発布され救助も迅速化が期待される2012年4月27日 - 16:44 モバツイから 
https://twitter.com/#!/SatoMasahisa/status/195780354655780864

次に新聞記事
自衛隊業務をより広く知ってもらう活動を続ける千葉県隊友会は23日、「大震災から学ぶ非常時への備え」と題して防災セミナーを行った。…震災への対応に関連して佐藤氏は「個人の権利よりも命を守れる仕組みを事前に作っておかなければ対応できない」と強調した。2012.4.23 産経新聞
http://sankei.jp.msn.com/region/news/120423/chb12042321000006-n1.htm

次に国会質疑
 非常に分かりにくいんですよ。原発から避難された方々の支援は海江田副本部長の方がやっていて、そして被災者支援、それ以外の津波災害の方は松本大臣。でも、実態はごっちゃになっていますよね。
それで本当にいいのかと。非常に役所の関係も分かりにくい。この辺りをもう少し整理していただかないと、結果的に原発から避難された方々の支援が抜けてしまう可能性もあり、実際いろんな問題が起きています。
 例えば福島では、放射能に対する風評被害から、郡山まではタンクローリーが来た、ところがそこから先の南相馬の方には怖くて行かない。結果、南相馬市の方に電話をして、百キロも離れたその南相馬から、被災地からわざわざドライバーと危険物取扱いの資格を持っている者も付けて来てくださいと、郡山まで。被災地住民に取りに来いということが実際発生し、実際取りに行っているんですよ。・・・
 もう実際にはその二十キロから三十キロ圏内にはタンクローリーの運転手が入らないから自衛隊が運んでいるところもあるんですよ。・・・
 私は、今回はまさにその百五条の災害緊急事態、これに該当する事態だと思いますけれども、なぜ今回はこの災害緊急事態を布告しないんでしょうか。・・・
 今まさにその緊急事態なんですよ。これを布告しておけば、例えばガソリンが郡山で止まることもないんですよ。今大事なことは二次、三次被害を防がないといけない。片方で二十キロ、三十キロ圏内、安全と言いながら、実際は郡山で止めてしまう。この緊急事態対応であれば、そこは行きなさいと言えるんですよ。こんなに、本当に今窮状で、もう二次、三次被害で屋内で本当に亡くなっている方がいるかもしれないんですよ、屋内退避で。今そのぐらいの状況。しかも、これが発令されれば、買占めやあるいは売惜しみも制限することもできる。今回これをやっておけば、私はもっと柔軟に対応でき、また果敢に実際運用できたと思います。今からでも遅くはないと思いますけれども、この災害緊急事態、これを布告する考えはありませんか。(2011年3月22日参院予算委員会)
 
以上の佐藤氏の主張をまとめると次の3つだろう。
(1) 去年の震災で災害緊急事態を宣言すべきだった。
(2)宣言すればこうできた。
   aタンクローリーに配達拒否せず南相馬まで行けと言えた。
   b買占め売り惜しみを制限できた。
  また宣言しなかったからこうなった。
   c車の除去に時間がかかり不明者捜索に支障が出た
(3)宣言しなかったのは民主党が人命より個人の権利を優先したからだ。
 
以下(2)(3)について
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  (2)a
原発近くに業者が行きたがらなかったという話は聞いた気がするので事実だろう。で自衛隊が代わりに運んだようだからそれでよいのでは。初めての大規模原発事故で対策の細かい運用がギクシャクしたようだが、緊急事態を布告しなくてもすぐに修正対応できたようだ。 憲法改正どころか、指針レベルの規則新設・改定も不要だったのかもしれない。
委員お尋ねの現地への災害物資の補給でございますけれども、三十キロ以内の地域につきましても、自衛隊の協力を得て避難所等に物資を送り込むといったことで現在全力を挙げて努力をしているところでございます。(3月22日 参院予算委員会 小滝晃・内閣府政策統括官付参事官)

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  (2)b
買占めは首都圏を中心に実際にあったようだ。あとは程度問題だろうが、震災1週間後にはもう品切れが改善しつつあるとの記事が出ている。2週間後の記事も合わせて挙げる。
近隣の系列店舗でもおにぎりなどは比較的残っており、「前日夜から徐々に商品が入り出している」 (セブンイレブンの広報担当者)という。2011年3月18日 06:00
http://www.sponichi.co.jp/society/news/2011/03/18/kiji/K20110318000448160.html 

店頭品薄、徐々に解消、物流正常化進む、一部なお供給追いつかず 2011年03月26日 日経新聞 
「毎日の入荷が可能になったため、顧客にも安心感が広がっている」。食品スーパー、いなげやの東京都や神奈川県の店頭には新潟県産などのコメが並ぶようになった。
震災直後は1日の売上高が前年の4倍を超えていたが、現在は通常の水準に。トラック配送の正常化などで商品供給の遅れが減り、買い急いでいた消費者の心理も改善されたことが大きい。パン類もスーパーやコンビニエンスストアで買うのが容易になってきた。
http://www.shopbiz.jp/rt/news/79593.html

首都圏品薄、水・乾電池除き解消へ 蓮舫消費者相が見解  2011年3月25日朝日新聞
東日本大震災の発生後から首都圏などで起きていた買いだめによる物資不足について、蓮舫消費者担当相は25日午前の記者会見で「飲料水や乾電池など一部商品を除いて、およそ品薄状態は解消しつつある」との見方を示した。大手スーパーが東京都内の各店からの発注量をもとにまとめた「消費者需要」の数字を挙げ、1週間前は通常の10.7倍(金額ベース)だったコメの需要が24日までに1.5倍に、カップラーメンが14.1倍から1.5倍に、食パンが4.1倍から1.3倍に下がっていたとした。
 ただ、水道水から放射性ヨウ素が検出された影響で、大型ペットボトルの飲料水の需要は30倍。1週間前の31.1倍とほぼ同じで、品薄状態が続いているという。
http://www.asahi.com/special/10005/TKY201103250169.html

災害緊急事態を宣言して物資物流を統制下に置いても、それが役立つのは、物にもよるだろうが物流がある程度復活するまでの2週間程度だったということだ。その短期間のために災害緊急事態を布告すべきだっただろうか。これが一点

またガソリンや水は「一人何リットル」といった自主的な販売制限が各地で行われていた。そこにさらに緊急事態を宣言して強制的な統制を課したところで、どれほどの効果を上積みできるかわからない。これが二点目。

またそもそも、買占めを禁止しても供給側は改善しない。 例えば産経新聞記事ではこう言うが、
とはいえ、緊急時に私権を一定程度、制限することは当然、必要な措置である。東日本大震災でも一部でガソリンや医薬品などが不足した。緊急政令で買い占めなどを防止すべき事案だった
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120322/plc12032203590004-n2.htm

しかしガソリンについては、以下の資料のとおり製油所やガソリンスタンド、輸送ルートが被災したために供給が不足不能となっていたのであって、買占め禁止しても品不足自体はどうにもならない。緊急事態を宣言して製油所や輸送ルートが復活するわけではない。これが三点目。
石油製品の供給について 平成23年3月16日 資源エネルギー庁資源・燃料部
製油所は、震災により6製油所が稼動停止していますが、順次復旧していくことによって、供給能力が今後相当程度回復する見込みです。※我が国の27製油所のうち、6製油所が稼動停止中。しかし、そのうち3製油所は、来週以降順次復旧予定。
http://www.meti.go.jp/earthquake/oil.pdf

資源エネルギー庁によると、震災発生時、大規模停電や揺れを感知した自動停止により、青森県から東京都にかけて太平洋岸の油槽所がほぼ機能を停止。石油が取り出せない状態になった。東北三県に唯一立地する仙台市の製油所も停止した。
 同庁は震災翌日の12日朝、大手石油会社でつくる石油連盟に「被災地向けの供給をしっかりしてほしい」と連絡した。
国内の原油処理能力は1日当たり77万キロリットル。震災で止まった製油所の製油量は、その2割程度の16万キロリットルだった。石油連盟の藤井進広報委員は言う。「石油は十分にあった。でも、運べなかった」。津波で港湾が破壊され、タンカーが着岸不能に。道路も寸断された。
 被災地自体、供給能力を失っていた。東北三県ではガソリンスタンドの4割、680軒が運営できなくなった。東北地方には700台のタンクローリーがあったが、津波で流されたり運転手も被害に遭い、実際に稼働していたのは数十台程度といわれる。市民は車で家族を捜せず、暖も取れない事態が続いた。
http://www.chunichi.co.jp/article/earthquake/sonae/20111024/CK2011102402000097.html 

アップルロード(国道153号)沿いのエネオス・飯田石油販売は14日午後からハイオク、レギュラー、軽油の3種について20リットルの制限を設けた。午後4時半ごろの帰宅時間から客足が増え、ピークの同7時ごろには100メートル以上の車が連なる長蛇の列ができあがった。・・・同店によると、エネオス系は横浜から松本オイルターミナルを経て飯田下伊那地域に入る輸送ルートだが、地震の影響で貨物列車の輸送に支障を来たし、出荷が困難な状況という。
http://minamishinshu.jp/news/economy/%E7%B5%A6%E6%B2%B9%E5%88%B6%E9%99%90%E3%81%A7%E3%82%AC%E3%82%BD%E3%83%AA%E3%83%B3%E5%85%A5%E6%89%8B%E3%81%AB%E9%95%B7%E8%9B%87%E3%81%AE%E5%88%97.html

以上三点は統制のプラス面についての疑問であるが、また次のようなマイナス面も考えられる。
・関東の品切れのために全国を統制下に置くと、他地域で無用の混乱を起こす可能性がある。
・地域限定で統制する場合、統制のない隣域に買出しが殺到するなど混乱が起きる可能性がある。
・対象品目を扱う企業、対象地域にある企業の活動、株価などに悪影響を及ぼす可能性がある。

というわけで、プラス面マイナス面を考慮すると、2(b)買占め理由の災害緊急事態布告もやる必然性に乏しかったのでは。

(後編に続く)

自民党の新憲法草案に「国防軍」への改称が盛り込まれた模様。改称根拠への疑問再掲

佐藤正久氏ツイートによると、氏が主張していた国防軍への改称が、結局盛り込まれたそうだ。
 佐藤正久@SatoMasahisa 
自民党総務会で自民党新憲法草案が了承された。Twitter仲間の皆さんにも呼び掛けた原案「自衛軍」は佐藤が強く主張した「国防軍」に改まった。協力頂いた多くの自民党の国会議員の方々、仲間の皆さんに感謝だ。陸海空軍、英語は当然ARMY、NAVY、AIRFORCEになる
2012年4月27日 - 16:31 モバツイ
 https://twitter.com/#!/SatoMasahisa/status/195777203655553024

佐藤氏は改称する理由として、「自衛=セルフディフェンス」という言葉だと誤解されやすいと言っていたのだが、その主張のおかしさについては以前のエントリで指摘したとおり。国連憲章にもある「セルフディフェンス」という単語が、いったい誰にとって「理解困難」で、国際社会の誰が「セルフって何?」と言ったのだろうか?もしいたとしてその人に教えてあげれば済む話だ。憲法をそんな些細なというか曖昧な本当かどうかもよくわからない根拠でいじっていいのだろうか。無理が通れば道理引っ込むということか。

【震災】瓦礫処理は本当に遅いのか、あるいは仮に遅いとして、それは政府の怠慢不手際なのかを考えるための資料集 その2

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仮置き場と処分場
○仮置場

阪神
 
仮置場55ヶ所 計129万460㎡  平均23,463㎡ (二次仮置き場無し?)
今回 
1次仮置き場461ヶ所(岩手108宮城233福島120) 計933万㎡  平均20239㎡ 
  ※3県以外にもある。2011年10月時点
2次仮置き場 宮城8(県5仙台市3) 岩手6 福島?
○処分場

阪神 
 震災直後に大阪湾広域臨海環境整備センター(フェニックスセンター)に国・県・市町から廃棄物の受け入れの要請がなされ、尼崎、泉大津の2箇所で計1500万㎥の提供がなされたため、当初の推定総発生量である800万㎥に対する量的な確保が可能となった。神戸市は、震災ガレキによって450haを埋めててて港湾の再開発や都市・物流用地として利用する内容の港湾計画の改定を行った。・・・
 以上のように、広域処分地としてフェニックスセンターが隣接しており、ガレキ処分地として神戸港内の埋立予定地が速やかに確保された音が、震災ガレキの処分を速やかに進める上で大きな役割を果たした
 なお、道路・鉄道などの倒壊によって生じたガレキは、それぞれの事業者によって処理され、これらは比較的早い時期にフェニックスへの搬入が行われている。例えば、阪神高速道路神戸線での倒壊物は震災後3週間程度までに 、JRは2ヶ月後の95年3月半ばまでに大半が搬入され、阪神電鉄は95年6月までに搬入が終了した。
http://www.pari.go.jp/search-pdf/no0899.pdf(p6,7)

※ガレキ総量は2000万トン=2110万㎥(同p7 表-5
http://www.re-square.jp/data/1211_03_07.html (阪神仮置場数)
http://www.pref.iwate.jp/view.rbz?cd=34456【概要版】岩手県災害廃棄物処理詳細計画(p5) 

阪神
●仮置場不足
可燃物287万トンについて・・・残る56万トンが仮置場での野焼きである。野焼きについては、仮置場に搬入される量があまりに膨大であったこと、また、当初処分方法に行き詰ったことから、少しでも量を減らしたいためにやむにやまれず始められたものであるが、誠に残念なことであった。
http://web.pref.hyogo.jp/wd33/documents/000044725.pdf (p10)
●広大な内陸・海面処分場
○神戸市において災害廃棄物処理事業が円滑に行えた要因として、以下の5点が挙げられている。 
①内陸部としては日本有数の布施畑・淡河という2つの処分場を所有していたこと。 
②被災地に近い臨海部にポートアイランド第2期という大規模造成地があり仮置場として利用できたこと。
③瓦礫処理・交通渋滞対策として、海上輸送が利用できたこと。 
④コンクリート系廃棄物については港湾計画の改訂中であり、早期に海面埋立免許を取得し海面埋立用材として、再利用ができたこと。 
⑤阪神圏にはフェニックスという広域処理場を有していた。
(『阪神・淡路大震災 神戸復興誌』神戸市)
http://www.bousai.go.jp/kensho-hanshinawaji/chosa/sheet/089.pdf (p4) 
●大量の海面埋立
可燃物287万トンについて・・・焼却が最も多く209万トン、次いで埋立が多く67万トン。・・・焼却により生じた灰の処分先で処分量が最も多かったのは、大阪湾広域臨海環境整備センターの埋立処分地(以下、「フェニックス処分地」という。)の44万トン、次いで域外民間業者の15万トンとなっている。埋立の内訳は市町処分場45万トン、業者委託が22万トン。 
○コンクリート等の不燃物の処理については、フェニックス処分地が尼崎沖及び泉大津沖にあり、残容量にも余裕があったことから、当初より域内での処理がほぼ可能であろうと見込まれていた。その後、神戸港、西宮市鳴尾浜及び淡路島の津名町生穂での海面埋立に良質なコンクリートなどが埋立資材として有効活用できること隣、域内処理の確実性が高まった。
○不燃物1,165万トンの処理内訳について・・・埋立が622万トン、再生が543万トンとなっている。埋立の主な処分先は、フェニックス処分地が204万トン、市町の自己処分地(神戸市布施畑等)が262万トン、民間業者が156万トンとなっている。再生の内訳は、海面埋立資材としての活用が圧倒的に多く、449万トンであり
http://web.pref.hyogo.jp/wd33/documents/000044725.pdf (p10)  

今回
■阪神より多い仮置場数でもまだ不足
○解体で出る廃棄物の仮置き場の確保がネックになっているのは釜石市。市中心部などに、申込数の半数強を占める約1100棟が解体されずに残る。市の担当者は「まとまった平地が少なく、仮置き場を十分確保できなかった」と説明する。
 (釜石市)
http://www.kahoku.co.jp/spe/spe_sys1071/20111212_01.htm 
○解体はこれからの作業になる。解体を伴う災害廃棄物の撤去は県に委託している。現在は、建物を解体しても仮置場が不足していることから、まだ手を付けはじめていない状況。(南三陸町、資料2、p65 7月訪問時)
○重機や人の追加でがれき撤去等の作業効率を上げることが可能かどうかについては、仮置場のスペースが限られるため、2次仮置場の状況次第という感じになる。(同上p65)
○二次仮置場予定地の小泉地区に関して、反対署名が9 月2 日に提出されたところである。また、復興計画で、三陸道、国道45 号バイパス等の計画もあり、二次仮置場としてのまとまった面積がとれない状況となっている。そのため、気仙沼市及び南三陸町に二次仮置場の分散案を提示し調整する予定である。(宮城県、資料3、p25)
平成23 年6 月22 日に(家屋)解体開始。業者とは契約済みであるが、業者数は不足気味である。申出書は8 月末現在で594 件。鹿島区は進行中だが、原町区は仮置場が足りず、仮置場が確保でき次第進める予定なので、仮置場がネックになっている。終了は未定であり、年度内の完了は難しい状況にある。(南相馬市、資料3、p55)
■海面処分はわずか
○宮城県は30日、東日本大震災で発生した災害廃棄物の一部を再資源化し、石巻港で埋め立て処分することを決めた。がれきの海面処分が行われるのは初めて。2012年度末までに同港内に護岸を整備し、埋め立てに本格着手する。2011年12月01日 河北新報)

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処理要員
 今回
 ○がれきの撤去作業の求人をしても応募者が尐なく困っている。募集 150 人に対し応募 25 人しかなかった。水産系の仕事は単価が高く作業負荷も低いこと等が原因の一端にあるかもしれない。(大槌町、資料2、p23)
○ガレキ撤去の速度が遅いのは、ガレキ撤去に必要な機械が足りていないし、操作できる人材も被災により不足しているのが原因。また、撤去したガレキを置くヤードがないと作業が進まない。(釜石会場)
http://www.pref.iwate.jp/~hp0731/saigai/siryou1.pdf 

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行方不明者数(多いほど瓦礫撤去が遅れる。また瓦礫撤去が遅れると家屋解体も遅れる)
阪神 
三日後727  一週間102   十日51    一ヵ月2     三ヶ月2       四ヶ月2    六ヶ月2
今回 
三日2361 一週間10687  十日12659 一ヶ月13714 三ヶ月8065 四ヶ月5340 六ヶ月4082 
阪神
●地震直後から解体が急速に進んだ
○解体は、直後から5月にかけて大きな山があり、急速に解体が進み、平成7年5月には早くも2/3の解体が完了したことを示している。
http://web.pref.hyogo.jp/wd33/documents/000045493.pdf(p7)
○各区で1月29日から解体の申し出を受け付ける。・・・解体件数の最も多かった長田区は、次のような状況であった。「いざ受付を始めてみると、想像以上の人が押し寄せてきた。受付初日は1月29日、日曜日にもかかわらず、588件の願い出書が出された。1月30日1020件、1月31日1394件、2月1日701件、2月2日541件と、わずか5日間で4244件の願い出があった。
http://www.lib.kobe-u.ac.jp/directory/eqb/book/4-157/html/pdf/448-462.pdf (p449)

今回
■不明者捜索によるガレキ処理の遅れ
ガレキの撤去が遅れている理由としては、ほぼ全戸においてガレキ撤去の際にも立ち会いのリクエスト(解体時にも立ち会いのリクエストあり)があることと、行方不明者の捜索をしながらの作業となっていることが挙げられる。(釜石市、資料1、p26)
震災後、1月半は行方不明者の捜索が中心であり、本格的にガレキの撤去の作業を進めたのは1月余り。町長が4月後半(GW前)にこれからガレキの撤去に本格的に着手すると記者発表され、現在、鋭意取り組んでおり、ガレキについては、歌津、志津川、土倉の各仮置場に搬出している。仮置場は町全体で22箇所あるが、物理的に平地が尐なく、いずれも広いものではない。(南三陸町、資料1、p64)

■ガレキ処理遅れにより、家屋解体もずれ込む
○生活環境支障廃棄物の撤去の状況・スケジュール
・生活環境支障廃棄物としては、町内を北部、中部、南部、集落内に区分し、中部、南部は完了済み、北部と集落内が撤去中であるが、8月上.で完了予定。
生活環境支障廃棄物以外の撤去の状況・スケジュール
・農地の災害廃棄物撤去は12月中.完了予定(H23ガレキ処理計画 H23.7.11版)
解体工事スケジュール
・現在は未発注でこれから発注(8月上.より発注予定)をかけて、年内には完了予定
・解体件数の見込み1,000~1,500件(基礎のみの解体は含まない)(山元町、資料2、p59)
○居住地近傍の災害廃棄物搬出はほぼ完了し、現在は家屋の解体にかかっている。(釜石市、資料3、p16)
○災害廃棄物撤去が概ね終了した地区から、容易に解体できる物件については災害廃棄物処理協議会に委託し解体を行っている。(気仙沼市、資料3、p37、9月時点)

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そもそもそんなに急ぐべきなのか、というそもそも論
阪神
 今回の解体については、市町がこれまで経験したことのない事業であり、しかも大量の家屋を早期に撤去するためには、市町による発注のみでは対応できず、被災者、解体業者、市町の3者契約として、市長の承認のもとに民間ベースで解体が進むこととなった。被災者が早期撤去を望んでいるためやむを得ないことではあったが、その結果、全国各地のナンバーのトラック、にわか解体業者が満ちあふれ、道路の渋滞を悪化させ、また、解体現場での分別が困難な事態となり、運搬途中の落下物も頻繁に見られるような状態が平成7年5月半ばまで続いた。
 危険のある倒壊家屋の解体を急がねばならないのは当然のことであるが、それ以外のものについては、被災者の意向を考慮しつつ、もう少し計画的に、できるだけ平均化して進められなかったかというのが、今回の反省点である
http://web.pref.hyogo.jp/wd33/documents/000044725.pdf(p17)
◆[引用] 例えば、平成7年6月に大阪で開催された「震災廃棄物の国際シンポジウム」((社)日本廃棄物コンサルタント協会主催)において欧米の専門家から「どうして日本人はそう解体を急ぐのか。緊急でない解体は急がなくても良いのではないか。急ぎすぎるから交通渋滞が生じる。ガレキはその場において、都市計画ができてから片づける方法もある。」との意見があったと聞く。[大下昌宏「災害廃棄物の処理・処分」『都市政策no.93』(財)神戸都市問題研究所(1998/9),p.68]

◆[引用] (震災廃棄物対策国際シンポジウムにおいて)崩壊したがれきの始末について、日本人特有の短気的性格により短期的に対応したことについて、外国の専門家から疑問視する意見が出されたが、これはお国柄としか言いようがない...[内藤 幸穂「災害廃棄物と震災」『土木学会誌』(1995/8),p.53]
http://www.bousai.go.jp/1info/kyoukun/hanshin_awaji/data/detail/3-4-2.pdf


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その他
今回 
○大崎市は内陸部の中でも被害が大きく、3 月11 日の本震よりも、4 月7 日の余震での被害が大きかった。(大崎市、資料3、p31) 
解体の申請に関しては、現在20%程度にとどまっている。解体しても新らたに家を建てる資金がないこと。リフォームの補助制度に対する申し込みも増えているので、解体の申請件数は想定より少なくなるかもしれない。ただし、現在はリフォームのための建築資材が足りないという話もあることから、それらが落ち着いて、資金の手当てができるようになると解体の申請が増えてくる可能性がある。(大崎市、資料3、p31 9月時点)
○事務手続きの担当職員が8 名しかいないため、解体処理の手続きが難航している。県とも相談し、コンサルタントに管理業務の委託を検討中である。
・来年3 月までに解体を終了されることは困難な見込み。早期解体の支障となっている3 つの課題は
①復興計画との整合性
建築制限がかかっている土地の住民など、今後の計画がどうなるかわからないと解体できない。
②仮設住宅への未入居
仮設住宅は必要戸数用意されているが、立地等が住民の希望条件と合わないために、解体予定の住宅の2 階に引き続き住んでいる住民も多い。
③家屋の所有者の確認の難航
津波での人的被害が大きく、解体の意思確認に必要な家屋の所有者の割り出し(避難先、連絡先が不明)が難航している家屋も多い。(石巻市、資料3、p34)
○家屋解体は申請件数が増えており、申請締め切りが9 月30 日の予定であったが、平成24 年3月31 日まで延長することにしたとのこと。理由は、罹災証明(申請件数10,000 件)の処理が滞っ
ていること及び解体業者が手一杯のためである。解体は建設業協同組合に委託している。(いわき市、資料3、p43)
(地盤沈下)
気仙沼市朝日町仮置場の調査予定であったが、満潮による潮位上昇のため仮置場内への進入不可能となり調査中止。(気仙沼市、資料3、p41)
○(今回のガレキの処理については、土砂・ヘドロが全てのものに付着しており、対応がやっかい。また、地盤沈下の影響により排水不良(油などと混在)でドロドロになっており、処理に苦労している状況。(気仙沼市、資料2、p38)  

 
資料1=第1回環境省職員・研究者・技術者チームの巡回訪問報告書(平成23年7月) 
資料2=第2回環境省職員・研究者・技術者チームの巡回訪問報告書(平成23年9月)
資料3=第3回環境省職員・研究者・技術者チームの巡回訪問報告書(平成23年10月) 

【震災】瓦礫処理は本当に遅いのか、あるいは仮に遅いとして、それは政府の怠慢不手際なのかを考えるための資料集 その1

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撤去・処理対象量
阪神
瓦礫 2000万トン(住宅・建築物系1450万トン 道路・鉄道などの公共公益系550万トン)

今回
○瓦礫 2253万トン
○その他
・自動車 27万台
・漁船 2万2千隻 ※水産庁は7道県で被害数28479隻
・津波堆積物 1319~2802 万トン ※瓦礫の計算に含む場合あり 
・被災農地 24026ha(うち津波21476ha) ※太平洋岸6県 
・森林被害 1065ha
・腐敗水産物 海洋投棄7万6千トン、その他埋立も
http://web.pref.hyogo.jp/wd33/documents/000044725.pdf (阪神) 
http://www.townnews.co.jp/0401/2012/04/13/141892.html
(瓦礫)http://www.jfa.maff.go.jp/j/yosan/23/pdf/240418_eikyou_taiou3.pdf(水産庁の被害漁船数、p1)
(水産物廃棄量の根拠)
○宮城県は6日、津波で被災した石巻、気仙沼両市と女川町の冷凍・冷蔵庫内にあった水産物計7万52トン(速報値)について、海洋投棄と山形県内での埋め立て処分を終えたと発表した。 2011年07月07日 
http://www.kahoku.co.jp/spe/spe_sys1062/20110707_04.htm 
○岩手県内の冷凍庫等において大量の水産物が腐敗し、岩手県において埋設等の処分を実施していましたが、悪臭やハエ等周辺環境への悪影響が懸念され、これ以上の埋設場所の確保が困難な状況となったため、喫緊に処理すべく環境省と岩手県とで協議を行った結果、これらの腐敗水産物の一部(約5,800トン)について海洋投入処分を行うこととなりました。
http://www.env.go.jp/jishin/attach/an23_48a.pdf 
○魚類はどのような状況か?現在焼却処理している。1,300tの処理要望があり、残り600t位である。小名浜等臭気問題の懸念があるので早く処理したいが、燃焼に時間がかかり困っている。
→環境省:海洋投棄してはどうか(海洋投棄を提案)
→いわき市:2週間位で可能であればお願いしたい。(いわき市、資料1、p67)
 ○水産物は全て処理(埋設処分:1,000~2,000トン)が終了している。埋設後油が出てきたが、EM菌を散布することにより対応。(宮古市、資料1、p21)
水産関係の廃棄物は、堆肥として業者が処理している。(既に対応済み)(洋野町 資料1、p9)

■量推計の問題
(今回は瓦礫以外が多い)

○廃棄物発生量として被災建物のみを想定しているが、農地や山林の木質系ごみ、自動車、船舶、堆積汚泥・土砂等については考慮することができていないため、今後検討が必要である。
○震災廃棄物の概算式
震災廃棄物発生量=被害を受けた建物の総床面積×面積あたり瓦礫重量=(全壊・焼失棟数+半壊棟数/2)×1棟あたり床面積×面積あたり瓦礫重量
http://www.bousai.go.jp/jishin/chubou/higashinihon/8/sub2.pdf  (p24) 
(瓦礫と津波堆積物を別枠で計算例)
○がれき環境省推計値1,352千t がれき市町村推計値1,034千t
103 万 4 千トンは、県公物管理地の廃棄物、自動車、津波堆積物は含まない数値。県管理公物が30 万トンほどあるので、それを勘案すれば、環境省推計値とほぼ同値と考えている。このほか、津波堆積物についてはさらに 150 万トン程度存在すると推計している。 (仙台市 資料2、p37)
○がれき環境省推計値636 千t がれき市町村推計値636千t 上記は宮城県推計値であり、津波堆積物は含んでいない。(名取市 資料2、p50)
(津波堆積物や土砂を含める例)
○がれき環境省推計値6,163千t がれき市町村推計値7,953千t
推計量の主な内訳は、建物 4,676 千 t、津波堆積物 1,980 千 t、事業系 1,000 千 t で、いずれも県の管理分を含んだ数値(県の管理分のみの量としては把握していない)。 (石巻市、資料2、p40)
○がれき環境省推計値865千t 県の推計値960千t 96 万トンのうち、43 万トンが土砂。(陸前高田市、資料2、p32)
(船舶を含める例)
災害廃棄物の発生量は12,000m3、6月頭で、一次仮置場への搬入量は11,000m3(約4千トン)(搬入率:約92%)である。(残りの約8%は水門の外の廃棄物で、その殆どが木もしくはFRP製の船舶)(普代村、資料1、p15)
(瓦礫推計に含まれない森林)
○海岸林(海岸防災林を含む海岸部に存在する森林。幅は狭いもので10m、広いものでは200mから300mに及ぶ)の浸水被害は約37k ㎡となっている。空中写真等を用いて流出・水没・倒伏状況を判読した結果、被害率区分75%以上の面積が約3割、25~75%が約2割強と、かつてない甚大な被害状況となっている。
 http://www.nochuri.co.jp/report/pdf/nri1111re2.pdf 
吉田地区に防風林由来の松の木が大量に転がっており、今後 3 週間で集中的に撤去する予定であるが、処理上の課題がある。当初、製紙工場で引き受けてもらうため、チップ化施設をリースし、チップ化を進めたが、結局、品質は、十分、同社の受入基準を満たしていたものの、受入能力がないとの理由で断られ、受入先を検討中である。鎮魂の森構想のように木だけ地中に埋めさせてもらえないか(→広域的な引受先を探すことをお手伝いしていきたいと回答)。 (亘理町、資料1、p49)
○(山元町) 松の倒木の処理は他ではどのようにしているのか。(環境省) 松の倒木の処理については、共通の課題を抱えた市町があるが、それぞれにアイデアを持って取り組みを進めているので、整理して情報提供を行う。 (山元町、資料1、p52)
防風林の松の木がなぎ倒され、水田内のものは撤去したが、元の防風林地域にあるものは、人が居ないこともあり、この段階で積極的には片付けなくても良いと考えている。 (山元町、資料1、p51)
○海水が被った防潮林については、樹皮を剥いで塩製造の熱源として使用する計画である。(村の野田塩復活事業として実施予定)(野田村、資料1、p13)
○市では、東日本大震災の津波や火災により枯れ、倒木により民家や道路などに被害を及ぼす可能性がある被害木の撤去業務を行います。撤去業務は、市から委託された気仙沼市森林組合および本吉町森林組合が、被害木の伐倒から仮置き場までの搬出を行います。被害木の撤去をご希望の方は、下記注意事項をご確認のうえ、お問い合わせください。(気仙沼市) 
http://www.city.kesennuma.lg.jp/www/contents/1327915180160/files/koho2012-02-01P04-05.pdf 
(瓦礫推計に含まれない自動車船舶)
廃自動車は最大 4,000 台程度(県試算 6,800 台)で、現在、1,700 台は所有者が判明している。廃船舶は約 400 隻で、広田地区の漁港に集めている。 (陸前高田市、資料1、p30)
被災車両については、調査によると2万台程と把握されているが、土地の手当てもつき、農地等に散在した回収困難なものを除き回収を進めている。当初は平置きであったが、現在は2,3台重ね置きしている。また、保管期間については当初6カ月を2カ月に短縮している。被災船舶については、県に委託して処理することとしており、一次仮置場を探しているところでありが、船により平地を浪費したくないので早く処理できればと考えている。(石巻市、資料1、p34)
○被災自動車は全体で1,000 台以上あるが、仮置場は500 台しか収容できないので、搬入する一方で処理していかないといけない状況がある。処理完了の目標は年度内としているが、実際上は年度を越す可能性が高い状況である。(大槌町、資料3、p10)
○自動車:8 月31 日現在・仮置場の保管車両約1,900 台について、8/17 付で処分に係る告示をし、2 週間後から搬出予定である。・被災車両7,077 台(県推計値:市としては多い感を持っている)の内、リスト化2,800台で、搬出済台数は約420 台(半分くらい把握できている感覚を持っている)。・随時、未保管車両の撤去・回収と告示を行い、搬出予定である。・また、鵜住居地区、唐丹地区の未保管車両についても、撤去・回収と告示を行い、搬出予定である。(釜石市、資料3、p17) 
○被災自動車は、市で3,000 台を集積し、うち約300 台が処分済みである。(陸前高田市、資料3、p20)
(海に流れた瓦礫量推計の難しさ) 
村井嘉浩知事は23日、東日本大震災で発生したがれきの広域処理について、「当初考えていたよりもかなり(量が)少なくなるのではないか」との見通しを示した。津波で湾外に流出したがれきが想定を上回るためとしている。
http://sankei.jp.msn.com/region/news/120424/myg12042402140000-n1.htm 

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処理方法・処理過程
阪神 
一部野焼きがあった
可燃物287万トンについて・・・残る56万トンが仮置場での野焼きである。野焼きについては、仮置場に搬入される量があまりに膨大であったこと、また、当初処分方法に行き詰ったことから、少しでも量を減らしたいためにやむにやまれず始められたものであるが、誠に残念なことであった。
http://web.pref.hyogo.jp/wd33/documents/000044725.pdf (p10)
阪神でも土砂の付着は多かった
伊丹市のように仮置場に制約があった市においては、解体現場での分別の徹底が図られ、あとのリサイクルが効率よく行われた。一方、被害の大きかった神戸市、、西宮市等では、現場での分別徹底が困難で、仮置場への受入れを優先せざるを得なかった結果、混合状態で搬入されたがれきの分別に苦労することとなった。また、分別した木くずの処理においても不燃分(土砂等)の付着が多く焼却処理に困難が伴うという課題もあった。多くの市町の解体工事の契約では、現場での分別を条件としていたが、当初の状況はなかなかこれを徹底できるものではなく、各市町の対応には、やむを得ないものがあったと思われる。(同p17)

今回
瓦礫を一律廃棄しないという方針(手間がかかる)
東北地方太平洋沖地震における損壊家屋等の撤去等に関する指針
位牌、アルバム等、所有者等の個人にとって価値があると認められるものについては、作業の過程において発見され、容易に回収することができる場合は、一律に廃棄せず、別途保管し、所有者等に引き渡す機会を設けることが望ましい。
http://www.env.go.jp/jishin/sisin110326.pdf 

津波の影響
(流す)
下水道の暗渠に入り込んでいる木材、鉄くず、トタンなどの撤去作業に苦慮している。(撤去後の路面修復作業が大掛かりになると懸念)(大槌町、資料1、p25)
海中災害廃棄物への対応状況 ・災害廃棄物性状として、車輌、船舶、木材、漁具等がみられる。撤去完了時期等スケジュールは不明である。
処理は岩手県に委託している。(大槌町、資料3、p11)
○ソナーで予測すると地上以上の量のガレキが海の中にある見込みであり、これを除去しないと養殖も定置網の設置もできない。海中のガレキ撤去を早急に実施してほしい。(釜石会場)
http://www.pref.iwate.jp/~hp0731/saigai/siryou1.pdf 
(混合)
○岩手県では今回の災害廃棄物の処理費用をトン当たり 50,000 円と想定している。これは、今回の災害廃棄物の性状を見ると津波により混合されており、阪神淡路大震災のときの廃棄物の性状とは異なり、むしろ、県境の違法投棄産廃に似た性状になっており、この処理費用がトン当たり56,000 円かかったことを参考にしている。(資料2、p12)
(塩分付着)
○上長部地区ほか漁業系廃棄物および漁業系廃棄物付着がれきについては、セメント工場での焼却処理事業を開始している。セメント工場で 1,000t 受け入れ処理する条件として、除塩しなければならない。県で処理すると手続きとして遅くなるので、除塩も含めてセメント工場に委託したい。・除塩技術は、廃棄物を破砕し回転させながらシャワーで洗うというもので、データからは処理できている。 (陸前高田市、資料2、p11~12)
木くずについては、脱塩が課題であり、脱塩プールを設置した場合の水処理が問題との相談があった。これに対し、研究者チームから、雤ざらしによる脱塩効果について技術的助言を行った。 (陸前高田市、資料1、p29)
海水が被った木材等の対応について心配しているとのことであったため、雨にさらすことで粗方抜けると考えられるが、焼却処理するのであれば、十分な温度管理(高温焼却)と排ガス処理機能を有する施設において焼却することが望ましい旨、助言した。(普代村、資料1、p15)
(処理施設・機械の被害流失)
○建設機材については、業者から直接話を聞いたものではないが、バックホー、クラッシャ、ニブラー等重機類の入手に苦労しているようだ。町の業者は機械が流されたことからリースで対応しているが、リースの値段も上がりリース会社は強気の様子である。(南三陸町、資料1、p65) 
亘理清掃センターは、津波による被害が大きく、復旧には約1年半かかる見通し。(亘理町、資料2、p58)
(都市計画から練り直す手間)
○解体を申し込んだ市民に業者が最終意向を確認すると、「待ってほしい」と求められるケースが続出しているという。まちづくりの行方などを見極めようという被災者が少なくないとみられる。 (石巻市)
http://www.kahoku.co.jp/spe/spe_sys1071/20111212_01.htm 
○今後の家屋の解体撤去については、現在未確定である市の復興計画を考慮して解体を行いたいという事業者等の意向及びRC 等の大規模建物の解体に要する時間等を考慮すると、平成24 年3 月末までに解体し仮置場に搬入するのは難しい見込みである。(気仙沼市、資料3、p38)

■津波堆積物の処理の手間
撤去の前に薬剤等を散布するなど、応急的な悪臭や害虫、粉じん等の発生防止対策を行う
目視及び臭気による確認、現地スクリーニング、化学分析等により、津波堆積物の組成・性状について確認
↓ 
津波堆積物の組成・性状に応じて、埋め戻し材、盛土材等の土木資材やセメント原料としての有効利用を優先しつつ、有効利用が難しいものについては、組成や性状に応じて適切な処理方法を選択
○釜石市災害廃棄物処理事業(試行)- 結果概要 
土砂(津波堆積物含む)の付着・混在、量の多さ、がれきとの分離が課題である。 
http://www.city.kamaishi.iwate.jp/index.cfm/6,18339,c,html/18339/20111201-225527.pdf (p2)
ほとんどの津波堆積物(土砂)はコンクリート殻に混入している状況。町の復興工事の中で、盛り土材等として使用したいと考えており、コンクリート殻と土砂を分離する必要がある。 (南三陸町、資料2、p64)
○(今回のガレキの処理については、土砂・ヘドロが全てのものに付着しており、対応がやっかい。(気仙沼市、資料2、p38)
○処理については、津波堆積物(150万トン)は分析したところ有害物は含まれていないので国の方針が得られるならば海洋投棄を考えたい(仙台市、資料1、p32)
○人的な取組みについては、側溝のヘドロの除去について、蓋上げは地区の住民、泥だしはボランティア、運ぶのは建設業協会といった連携を確立し、10地区以上でこの方式での取組みを行っている。8月までには全地区終了の見込み。(東松島市、資料1、p46)
○(津波堆積物の)発生量 :297千t ・撤去量 :不明 ・居住地 ほぼ(撤去)完了。その他地域 年内を目標とし、遅くとも年度内に完了見込み。(宮古市、資料2、p14)
○発生量 :231千t(居住地は高台にあり津波堆積物はない)・スケジュール:居住地 発生していない その他地域 2年内に完了見込み(釜石市、資料2、p26)
○発生量 :429千t 撤去量 :7,394㎥ 撤去率 :居住地 約27% 、その他地域 2% 居住地 1年以内に完了見込み その他地域 2年以内に完了見込み (陸前高田市、資料2、p32)
○撤去状況については、推計量198 万tあるが、生活環境周辺等の主たる部分については概ね撤去(1 次仮置場へ搬入)が終わっており、今後は農地、水路、側溝及び一部の民地等の撤去を進めていく。(石巻市、資料3、p34、9月時点)

■家電や危険物の分別の手間(家電リサイクル法は2001年~)
○被災した家電リサイクル法対象品目の処理方法は、以下のとおり。
1.被災地ではがれき等の迅速な処理が最優先であることから、被災した家電リサイクル法対象品目については、災害廃棄物として他の廃棄物と一括で処理することもやむを得ない。
2.他のがれき等と混在していない場合など分別が可能な場合は以下の手順で実施
○被災したパソコンの処理方法は、以下のとおり。
1.被災地ではがれき等の迅速な処理が最優先であることから、被災したパソコンについては、災害廃棄物として他の廃棄物と一括で処理することもやむを得ない。
2.他のがれき等と混在していない場合など分別が可能な場合は以下の手順で実施。
(分別の実態)
○家電については、宮古地区広域行政組合清掃センター隣接地に集積している(4 品目に分けて冷蔵庫は中身を掃除している。テレビ 1 万 3 千台、冷蔵庫 8 千台、洗濯機 8 千台、エアコン、パソコン)が、リサイクルが可能かどうかの判断もできていない状況である。(宮古市、資料2、p14,15)
○その他、廃タイヤが 4 千本、廃家電が約 2 千台の処理を終えている(リサイクル業者に引き渡し終了)。(松島町、資料1、p54)
○仮置場(現地視察で確認)では、金属、家電製品、タイヤ、その他(混合)に概ね粗選別されているが、混合ごみが圧倒的に多い。(野田村、資料1、p14)
○仮置場(現地視察で確認)では、コンクリートブロック、家電製品(テレビ・冷蔵庫など)、木、金属、断熱材、畳、その他(混合)に概ね選別されているが、混合ごみが圧倒的に多い。(洋野町、資料1、p10)
 ○地震直後に搬入された仮置では、十分な分別が行われていないが、現在、搬入されている仮置場では、可燃、不燃、コンクリート塊、家電、タイヤ、畳、金属、消火器、ドラム缶等に分別している。(多賀城市、資料1、p42)
○大曲浜仮置場は、分別として可燃ごみ、不燃ごみ(せともの・ガラス等)、家電4品目、ふとん・畳、木材・家具・建具、鉄くず・スクラップ、がれき・コンクリート殻、どろ・かや、混合ごみ、処理困難物(消火器・バッテリー等)、有害ごみ(乾電池・蛍光灯)に分けられている。どの項目も保管量が多く、積上げ高さが高い。(東松島市、資料2、p54) 
○仮置場においては、土砂、コンクリートがら、木、家電製品、危険物、その他(混合ごみ)に分別、大半が混合ごみである。(被災当初に搬入されたものの殆どが混合ごみ)(久慈市、資料1、p11) 
(危険物の分別)

○仮置場における分別については、家電 4 品目、畳、タイヤ、危険物(プロパンガスボンベ等)に分別している。ドラム缶、ガスボンベは分別し、所有者に引き渡す努力をしている。中身がわからない薬品などの取扱いが困る。(岩沼市、資料1、p44)
○(環境省) 危険物については、どのように扱っているか
(七ヶ浜町) プロパンガスボンベ、消火器、塗料等については、分けて保管している。酸素ガスボンベもある。(七ヶ浜町、資料1,p58)
○処理については、危険物の取り扱いが課題となっている。タンク内に残った燃料、農薬などがあるが、危険物取扱いの有資格者がいない。 (山元町、資料1、p51)
○明戸仮置場(現地確認)では、車、船舶・エンジン、トランス、消火器、家電製品、タイヤ、燃料タンク類などが分別されていた。トランス及び燃料タンク等については今後の雨対策(地下浸透対策)を含め、下に鉄板を敷いたり、シート養生などの対応を行った方が望ましい旨、助言した。(田野畑村、資料1、p17-18)
○(環境省)    ガスボンベ、消火器といった危険物についてはどうか。
(東松島市) 仮置場で、ガスボンベ、蛍光管、塗料、消火器といったものは区画を分けて保管している。(東松島市、資料1、p47)
○(環境省) アスベスト、PCB等有害廃棄物についての管理についてはどのような状況か。
(松島町) 受け入れ時の確認に努めており、仮置き場にはない。疑いのあるものは別のところで処理するよう指示している。(松島町、資料1、p55)
○一次仮置場でのガレキの保管に当たっては、金属、コンクリート、家電、混合ごみに分けている。その他PCB廃棄物及び消火器を保管している。割合としては混合ごみが7割程度を占めている。(女川町、資料1、p62)

■農地における手間
○農地における災害廃棄物の除去については、畔道等を傷めないよう重機の侵入も難しく除草作業も必要な状況にある。(仙台市、資料2、p38)
○船舶やタンクローリー車が水田まで流されてぬかるみにはまっており、レッカー車で釣り上げる足場がなくて困っているとのことであったため、引き続き支援チームが個別の個所について情報提供等していくこととした。(南相馬市、資料1、p72)
家屋のガラスが土壌に混入しているものが多く、このままでは農地の再利用はできない。表土を撤去して、客土が必要。環境省の補助スキームでどこまで対応してよいか。(気仙沼市、資料3、p39)
 
■漁具の手間
○約4000台の養殖いかだが全壊し、漁船、倉庫、機会も全て壊滅した。(山田会場)
http://www.pref.iwate.jp/~hp0731/saigai/siryou1.pdf 
○水産系廃棄物(漁具など)の処理は11月(遅くとも年内)には終えたい意向である。(山田町、資料2、p18)
○海中から引き上げたブイ、網などの水産系廃棄物が、今後増える見込みである。(大船渡市、資料2、p30)
○漁港の海底から曳き上げる災害廃棄物等については、水産庁の補助で漁民が上げるが、これから開始し年度内(平成24年3月)に撤去予定。(気仙沼市、資料2、p47) 
○漁港等の海底からの曳き上げる廃棄物については、県管理の4漁港分と漁場から曳き上げた廃棄物を市の仮置場へ搬入している状況。町管理の19漁港についてはこれから実施予定(実績はない)。(南三陸町、資料2、p65)
○海中災害廃棄物への対応状況
・漁港内には、漁具類、木材(松材)・角材、船舶等の災害廃棄物が多数あるが、年度内にほぼ回収する予定である。(陸前高田市、資料3、p21)
○水産系廃棄物を仮置きしている漁港は、悪臭やハエの発生がひどく、住民からの苦情も出ている。県の処理開始は 9 月からの予定であるが、町では尐しでも早く処理に着手しようと、ある処理業者に相談したが、漁具には塩分が含まれていること等を理由に応じてもらえなかった。 (山田町、資料2、p19)
 
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【震災デマ】仙台空港に米軍機が強行着陸し瓦礫撤去して「自衛隊は明日から降りてこい」と言った、というデマ

■デマ例 デマは米軍機着陸当日16日から流された。
125 : 名無しさん@十一周年[sage] 投稿日:2011/03/16(水) 22:31:53.67 ID:TgbuQ0g+0
なんで米軍のC-130が荒れた滑走路に強行着陸して復旧用重機を運んだことが書かれてないわけ? 
あ、サーチナか…

188 : 名無しさん@十一周年[sage] 投稿日:2011/03/16(水) 22:45:09.66 ID:Nyltk0bE0
空挺の強行着陸か・・・・・ 
どこぞの政権とはやることが違うわ。
 
192 : 名無しさん@十一周年[sage] 投稿日:2011/03/16(水) 22:45:58.10 ID:9ozTyqDd0
http://www.nhk.or.jp/lnews/sendai/6004703942.html 
強行着陸とか米軍△

198 : 名無しさん@十一周年[] 投稿日:2011/03/16(水) 22:46:36.38 ID:xIhazNr20
>>1 
今NHKで補修用の建機は 
米軍の輸送機が残骸の残る滑走路に強行着陸して供給と・・・ 
もう、思いやり予算でも、海兵隊のけつの穴でも何でもなめる。

260 : 名無しさん@十一周年[] 投稿日:2011/03/16(水) 23:01:06.41 ID:GrpABkCm0
108 名前:公共放送名無しさん [sage] :2011/03/16(水) 22:48:01.03 ID:TumSl1+j 

<ニュース速報> 津波で大きく損傷している仙台空港に、建設資材を満載した米軍の大型輸送機が強行着陸

            その結果、復旧作業が本格化し、仙台空港は明日から使用可能に 
             「もう大丈夫だ。日の丸の飛行機は明日から降りてこい」、と。 -22:40 
これまじ? 

337 : 名無しさん@十一周年[sage] 投稿日:2011/03/16(水) 23:15:48.80 ID:n4j2qDQF0
さっきのNHKのニュースだと瓦礫の残る滑走路に 
重機積んだ米軍の輸送機が強行着陸して 
一気に片付けたとか

 529 : 名無しさん@十一周年[sage] 投稿日:2011/03/17(木) 00:02:46.86 ID:P07lK2rC0
米軍が予告も無しに突然ヘリで避難所近くの広場に下りて 
食料を運び込んだりしてるらしい@朝日 
http://epcan.us/jlab-ep/s/ep88269.jpg 

<ニュース速報>  
津波で大きく損傷している仙台空港に、建設資材を満載した米軍の大型輸送機が強行着陸 
その結果、復旧作業が本格化し、仙台空港は明日から使用可能に 
「もう大丈夫だ。日の丸の飛行機は明日から降りてこい」、と。 -22:40
http://www.logsoku.com/r/newsplus/1300280840/


■デマが一応根拠とするもの
(1)NHK報道
テレビニュースの場合は動画が無いので不明だが、上記レスのURLを頼りに記事を探すとこうある。
仙台空港 輸送機発着可能に 
nhk.or.jp/sendai/lnews/6004703942.html 
仙台空港は、東北地方で最も長い3000メートルの滑走路があることから国土交通省は、 
その半分だけでも使えるようにすれば自衛隊などの輸送機が発着出来るとして復旧の 
方法を検討してきました。その結果、アメリカ軍からの申し出で16日午後、建設用の重機を 
積んだアメリカ軍の輸送機Cー130型機ががれきが残る滑走路に着陸して、集中的に 
復旧作業を進めました。 
その結果、17日からはヘリコプターだけでなく、自衛隊やアメリカ軍などの輸送機の 
発着が出来るようになります。 
03月16日 20時30分 

(2)米軍サイトの写真
この写真は、2chのあちこちに貼られたようだ。
http://www.yokota.af.mil/shared/media/photodb/photos/110316-F-NW653-568.jpg



■どうデマか

(1)強行着陸でなく、事前に準備された普通の着陸だった。
以下の資料でわかるとおり、日本側が3月15日までに1500m掃除。ヘリ運用も15日に始めている。で米軍c130が来たのが翌16日。c130は滑走路1500mでいいそうだから日本側がピッタリ片付けてお迎えしたわけだ。
仙台空港復旧・復興のあり方検討委員会~第1回委員会資料~平成23年7月12日 国土交通省 東北地方整備局 港湾空港部
救急救命・緊急輸送用ヘリコプターの運行再開(被災後4日目:3月15日)
ヘリ離着陸場スペースを確保(救急救命・緊急輸送用ヘリ離着陸スペース)
●3月11日 仙台空港閉鎖
3月14日 車両・瓦礫の撤去などの復旧作業実施
●3月15日 緊急救命・緊急輸送用ヘリ離着陸
滑走路 600m 
誘導路 B-6誘導路
エプロン ヘリコプター4機分 

東北地方太平洋沖地震(第22報)国土交通省
平成23年3月17日(木)13:00作成

仙台空港
15日10:07空港復旧作業協力のため、自衛隊ヘリコプター2機着陸

平成 23 年 3 月 15 日(火) 08:30 第 13 回宮城県土木部災害対策本部会議

○空港施設 
救援復旧対策に使用するヘリポート4機の駐機スペース確保済 
本日3月15日7時から運用開始。 
自衛隊及び米軍による緊急物資輸送のためミニマム1500m滑走路を整備予定 

宮城県土木部 空港臨空地域課
平成23年3月11日(金)午後2時46分発生の東北地方太平洋沖地震に伴う関連施設等の状況
■仙台空港の早期復旧に向けて(第1報【3月25日】 仙台空港ビル(株))

【仙台空港復旧への国の動き】

3/15 6:30現在 救援復旧対策に使用するヘリポート4機の駐機スペース確保済
本日3月15日午前7時から運用開始
自衛隊及び米軍による緊急物資輸送のためのミニマム1,500mを滑走路を整備予定

3/15 14:00現在 15日10時に、滑走路約600m区間の土砂・瓦礫撤去を完了
自衛隊が復旧調査のためにヘリコプター2機で現地入り。今後の復旧について調整を開始。

22:00現在 600m~1,500mの間の航空機、車両等の障害物を除去。復旧は未定

http://megalodon.jp/2011-0403-0419-00/www.pref.miyagi.jp/kurin/

第16回 宮城県災害対策本部会議 議事要旨
1 日 時 平成23年3月16日 10時00分 

○橋本土木部長
 ・石巻女川線は応急作業実施中。 
 ・仙台港は使用可能。 
 ・仙台空港は15日までに1500m滑走路の瓦礫撤去完了。 
 ・市町村の公共水道については,他県からの応援により対応予定。 

東日本大震災 1年の記録~みやぎの住宅・社会資本再生・復興の歩み~
平成24年3月 宮城県土木部
 
3 月 15 日 国土交通省が津波で被害を受けた仙台空港にヘリポート 4 機の駐機スペース,滑走路 1,500m を確保

空港再開を復興のシンボルに!
感動の復興ドラマ【仙台空港2】
PRESIDENT 2011年7月18日号

「現地入りした国交省の人らと、13日から打ち合わせを始めました。『まあ、少しずついこうや』と、ヘリ発着のためにエプロンを片付けていましたが、翌14日朝、急に『16日までにB滑走路を1500メートル空けろ』といわれた」(北原氏)
 米軍が来る。しかも、猶予はわずか2日間……北原氏はよそで復旧作業に従事していた社員をすべて呼び出し、本社に懇願して重機や大型ダンプをかき集め、トレーラーで運び込んだ。……「幸い、車と瓦礫はA滑走路に比べればそう多くはなかった」(北原氏)おかげで、B滑走路はどうにか片が付いた。C-130は予定通り着陸した
2.まずはヘリコプターの着陸を可能にするため、普段は航空機の駐機場所であるエプロンの撤去作業から着手。傍らでは、国土交通省の職員たちがNECや明星電気、富士興業ら委託業者とともに、管制機能の回復に向けて奮闘を開始した。
3.米軍の輸送機が着陸するために必要な1500mの滑走路の作業は主に滑走路維持管理の受託業者でもある前田道路が担当。津波が引いた当初の滑走路には、瓦礫や車の散乱のみならず、遺体が横たわるなど痛ましい光景だったという。
http://president.jp/articles/-/2369

文中の北原氏はこちらの記事によると「前田道路 東北支店 仙台南営業所所長」
http://president.jp/articles/-/1750

◎がれき撤去、突貫1ヵ月/陣容「ダム工事並み」 
 2011年09月03日土曜日
 
 津波で大きな被害を受けた仙台空港は25日、国際定期便の運航が再開し、 
空港機能が全面回復する。がれきで埋まった空港は震災約1カ月後の4月13日には、国内臨時便の受け入れを再開していた。 
短期間での復旧は、米軍が自衛隊とともに実施した「トモダチ作戦」の象徴的な成果とされたが、この活動の中核を担ったのは、 道路舗装大手の前田道路(東京)だった。

「がれきを撤去してほしい」  
   滑走路などの維持管理を担う前田道路仙台南営業所(岩沼市)に、国土交通省から連絡が入ったのは3月12日夜だった。 営業所の幹部は翌日、国交省側と打ち合わせを行い、エプロン側から撤去を始める方針を確認した。話し合ったのは空港内のビル2階。1階には津波で流された車が突っ込んでいた。  
   作業は14日に着手。工事課係長の中鉢哲也さん(43)はまず、敷地内の状況を調べた。深さ5、6センチの土砂に覆われ、 津波で流された住宅や車が至る所に散乱していた。遠目には遺体も見えた。  
   当日、現場に集まることができたのは10人弱。使える作業車は2台だけ。「復旧にどれだけ時間がかかるのか」。  4000件を超える現場経験を持つ中鉢さんにも、全く見通しがつかなかった。  
   この日夕、国交省から手順変更の指示が下る。「被災地支援の米軍機が着陸する。 1500メートル分を使えるようにしてほしい」。到着予定は2日後の16日。  猶予は15日の1日しかなかった。 指定されたのは3000メートル滑走路の一部。幸い、がれきは少ない。 営業所の社員らは道路清掃車を使い、除雪を行う要領で土砂を取り除いた。  
 最も注意を払ったのは異物の確認だ。滑走路にくぎ1本でも残っていれば、 エンジンに入り込み、重大なトラブルにつながりかねない。  日は暮れ、停電が続く現場は真っ暗闇になった。  「ヘッドライトをともした車両を1列に並べ、社員が慎重に確かめた」。営業所の北原正俊所長(46)が説明する。  
  米軍機は予定通り着陸した。本格的な復旧作業が、ここから始まった。

仙台空港を核とした地域活性化に向けて~震災からの本格復興を目指して~
平成25年3月12日(火)交通政策審議会航空分科会基本政策部会報告 宮城県 
 
5-1.空港の啓開作業
仙台空港における前田道路の事例
米軍輸送機C-130が着陸できるように,3/15までに滑走路1500メートル分のがれきを撤去


このように日本が15日夜までに1500m片付けて、そして翌16日に米軍機がやってきた。
米空軍、仙台空港復旧に協力 輸送機で人員・機材搬送
2011年3月16日11時32分
防衛省は16日午前、米空軍のC130輸送機2機が仙台空港に同日昼ごろ到着し、米空軍の隊員十数人が津波で被害を受けた仙台空港の復旧作業にあたると発表した。輸送機で運んだ小型機材を使い、空港内のがれき除去などを行うという。復旧作業には、17日夕方に仙台沖に到着する予定の強襲揚陸艦エセックスの米海兵隊員も参加する予定。
http://www.asahi.com/special/10005/TKY201103160154.html

東北地方太平洋沖地震(第22報)国土交通省
平成23年3月17日(木)13:00作成

仙台空港 
16日14:30及び19:23 空港復旧作業の協力のため米軍機(C130)着陸


また以下の米空軍サイト記事の通り、米軍は16日当日、仙台空港の前にまず松島基地に着陸した。そしてそこから先遣隊を仙台空港に遣って、滑走路チェックや管制準備をしている。 強行着陸どころか準備万端である。
SOG Airmen open two strategic runways for relief operations
By Tech. Sgt. Aaron Cram , 353rd Special Operations Group / Published March 16, 2011

YOKOTA AIR BASE, Japan -- Airmen and aircraft from the 353rd Special Operations Group have assisted Japanese officials in opening two key runways to support relief operations in northern Japan March 16.
 Facilities and airfields at Matsushima Air Base and Sendai Airport were damaged by the 8.9 magnitude earthquake and resulting tsunami that rocked northeastern Japan March11. Airmen from the group departed here in the early morning March 16 on a 17th Special Operations Squadron MC-130P Combat Shadow to survey and reopen the airfields. About 40 minutes later, the highly-trained aircrew was able to land the special operations aircraft at Matsushima Air Base even though the air traffic control was not up and running. Immediately after landing, Airmen were offloading equipment and vehicles to reestablish Matsushima Air Base and Sendai Airport as fully functional runways. 
 Within an hour of landing at the air base, a group of specially trained combat controllers from the 320th Special Tactics Squadron were in the air control tower ready to provide air traffic control support for the airfield. Combat controllers are trained special operations forces and certified air traffic controllers who can establish airfields, while simultaneously conducting air traffic control, command and control and humanitarian assistance in austere locations. 
 At the same time, another team of combat controllers and Japan Self Defense Force personnel drove to Sendai Airport, which is about 25 miles away from the air base, to conduct surveys and set up their air traffic control equipment.…
 Within hours of arriving at the airport, the combat controllers had completed their surveys, marked the useable portion of the runway, set up their equipment and provided air traffic control support to clear their first aircraft to land, an MC-130H, which carried equipment needed to establish aerial port operations and relief supplies for the surrounding areas. 
〔訳〕日本、横田空軍基地──第353特殊作戦群の兵士と航空機は3月16日、北部日本における救援活動を助ける2つの重要な滑走路を再開する件で日本当局を支援した。
 松島基地と仙台空港の施設と飛行場は3月11日に北東日本を襲ったマグニチュード8.9の地震とその結果生じた津波により被害を受けていた。作戦群の兵士は飛行場の調査と再開のため、第17特殊作戦中隊のMC130P Combat Shadowでここ横田基地を16日早朝に出発した。約40分後、高度に訓練された乗員たちは、松島基地の管制はまだ作動していなかったが特殊作戦機を着陸させることができた。着陸してすぐに兵士達は、松島基地と仙台空港を十全に機能する滑走路として復旧させるための設備と車両を降ろしつつある。
 松島基地に着陸後一時間以内に、第320特殊戦術中隊の特別に訓練された管制員たちは管制塔に入って飛行場の航空管制支援を行なう準備ができた。管制員たちは訓練された特殊作戦部隊であり飛行場を整備運用できる折り紙つきの離着陸誘導者で、厳しい環境下で航空管制と人道支援を同時に行なうことができる。
 それと同時に、別の管制部隊と自衛隊員が、調査指揮と航空管制機器設営のために仙台空港まで車でいった。そこは松島航空基地から25マイル離れている。…...
 空港に着いて数時間で、管制部隊は調査を終え、滑走路の使用可能な部分にマークをつけ、機器を設置して、c130がスムーズに着陸するための管制誘導を提供した。c130は空港機能を回復させるための設備と、周辺地域への支援物資を積んでいた。

その記事には3月16日当日の写真もある。
〔英文解説〕MIYAGI PREFECTURE, Japan -- A humvee carrying Airmen from the 320th Special Tactics Squadron travels down a Japanese highway towards Sendai Airport here March 16. Members of the 320th STS, stationed out of Kadena Air Base, deployed to Sendai Airport to help clear the runway and make it ready for fixed-wing aircraft traffic. (U.S. Air Force photo/Staff Sgt. Samuel Morse)
〔訳〕 日本の宮城県──第320特殊戦術中隊の空軍兵士達を乗せたハンビーが3月16日、高速道路で仙台空港に向かう。320特殊戦術中隊は嘉手納空軍基地から派遣され、仙台空港に展開し滑走路を片付け固定翼機の交通のための準備をした

SENDAI AIRPORT, Japan -- Combat controllers from the 320th Special Tactics Squadron set up flightline markers to inform pilots of the useable space on the runway here March 16. Members of the 320th STS, stationed out of Kadena Air Base, deployed to Sendai Airport to help clear the runway and make it ready for fixed-wing aircraft traffic. (U.S. Air Force photo/Staff Sgt. Samuel Morse)
〔訳〕日本、仙台空港──320特殊戦術中隊の管制部隊が3月16日、パイロットに滑走路の使用可能区域を知らせるための目印を置いた。320特殊戦術中隊は嘉手納空軍基地から派遣され、仙台空港に展開し滑走路を片付け固定翼機の交通のための準備をした。

SENDAI AIRPORT, Japan -- Staff Sgt. Chris Allen, 320th Special Tactics Squadron special operations weather team, checks the windspeed and temperature here March 16. Sudden snow and low visibility threatened to prevent aircraft from landing at the airfield. (U.S. Air Force photo/Staff Sgt. Samuel Morse)
〔訳〕日本、仙台空港──320特殊戦術中隊特殊作戦気象隊のクリス・アレン3等軍曹が、3月16日風速と気圧を測定。突然の雪と視界の不良が航空機の着陸を妨げる恐れがあった。

http://www.yokota.af.mil/shared/media/photodb/photos/110316-F-NW653-568.jpg(前出再掲)
SENDAI AIRPORT, Japan -- A U.S. Air Force MC-130H Combat Talon II lands here March 16. This is the first fixed-wing aircraft to land at the airport since an earthquake and tsunami crippled much of the Japanese eastern seaboard March 11. A team of combat controllers from the 320th Special Tactics Squadron out of Kadena Air Base, along with Japanese emergency management organizations, cleared a section of the runway and re-established the control tower to direct flights in and out of the airfield. (U.S. Air Force photo/Staff Sgt. Samuel Morse)
〔訳〕日本、仙台空港──米空軍のMC130HCombat Talon II が3月16日着陸。これは地震と津波が3月11日に日本の東側の海岸線の大部分を破壊して以降で最初の固定翼機の着陸である。嘉手納基地を出た320特殊戦術中隊が日本の災害対策組織と共に滑走路の一部分をきれいにして管制を再整備し、離発着を誘導できるようにした
これらの写真を見れば、着陸前に既に広々と片付けられてることは分かるはず。また各説明文で分かるように計画通り、準備を整えた着陸である。


(2)自衛隊が先に入っている。「自衛隊は明日から来い」は間違い
これは上の資料で分かるとおり。


(3)そもそもNHK記事は「強行」などとは言ってない。


以上で「仙台空港に米軍強行着陸。自衛隊は明日からこい」がデマだと分かったと思うが、それにしても下の通り日経のようなニュースサイトでも「強行着陸」と書いてしまうのは何なのだろうか。大手マスコミも信じてしまうくらいネットのデマの威力は強いということだろうか。しかも米軍機着陸の日付も17日としている。正しくは16日だ。本当にしようもない。
写真は3月28日の仙台空港。復旧前の1枚だ。政府が民間空港への自衛隊着陸許可という法律を前に躊躇していた3月17日に、米軍C130輸送機が強行着陸。滑走路を使えるよう整備し、空港と街の復興に向け第一歩を踏み出した。
http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20110421/267796/




ここで「米軍が強行着陸したのは仙台空港ではなく松島基地だ」と言う人もいるかもしれない。しかし松島基地も、自衛隊が事前に瓦礫撤去を行ない前日15日までに整備が完了していた。松島基地もやはり「強行着陸」ではない。
空自松島基地の滑走路復旧 救援物資の輸送拠点に
2011年3月16日21時49分
 宮城県東松島市の沿岸部にあり、津波の被害を受けた航空自衛隊松島基地に16日、地震後初めて輸送機が着陸した。津波に流された倒木や泥で覆われて滑走路が使えなかったが、15日に整備が完了。「これからは、ばんばん物資を運べる」(航空自衛隊幹部)。救援活動の進展が期待される。


以上より一連の時系列をまとめると、
3月12日夜 国交省から前田道路にがれき撤去依頼  
3月13日  前田道路と国交省が空港ビル2階で打ち合わせ
3月14日  がれき撤去開始
3月14日朝または夕 国交省が「米軍機用に1500ⅿ」と手順変更指示。
3月15日朝 ヘリ4機分スペース確保。へり運用開始
      午前10時 滑走路600ⅿがれき土砂撤去完了
      午後10時 1500ⅿまで撤去完了
3月15日 自衛隊が松島基地滑走路がれき撤去完了
3月16日朝 米軍機が松島基地着陸。仙台空港へ先遣隊派遣し管制など準備
3月16日午後 米軍機Ⅽ130が仙台空港着陸
 

自衛(セルフ・ディフェンス)だと誤解を招くから国防軍に名称変更を、という自民党・佐藤正久議員の主張への疑問

自民党のヒゲの隊長こと佐藤正久議員が自衛隊を国防軍と改称したいそうだ。理由は国際社会では分かりにくい、誤解を招きやすいからだという。
昨日の自民党の憲法草案会議、「自衛軍」を「国防軍」に改めるよう意見陳述。軍は国を衛る(国防軍)のであり自らを衛る軍(自衛軍)の名称は実態と違う。更に英訳で「ディフェンス・フォース」ではなく「セルフ・ディフェンス・フォース(自衛軍)」の「セルフ」が付くと理解困難、誤解を招きやすい。2012年3月7日 - 15:31ツイート
https://twitter.com/#!/SatoMasahisa/status/177280292292268032

英語では、自衛隊は「セルフ・ディフェンス・フォース」と表記します。これは極めてわかりにくい。「ディフェンス・フォース」ならわかる。海外でもそう表現をしているところはある。つまり国際社会では「セルフって何?」ということになるわけです。
 自衛のための任務というのはどこの軍隊も持っているので、わざわざ「セルフ」とつけることが非常にわかりにくさを生んでいます。2012年4月13日ブログ
 
http://ameblo.jp/satomasahisa/entry-11222039286.html

今週、自民党の新憲法草案が発表される。論点が残った部分は総裁一任となっているが、佐藤が強く主張したものの一つは、事務局が提唱した「自衛軍」を「国防軍」に変更することだ。多くの議員が賛同してくれたが、最後まで2案が併記のままだった。自衛軍と国防軍、ツイッター仲間の皆さんの意見は?2012年4月22日 - 20:52ツイートhttps://twitter.com/#!/SatoMasahisa/status/194030878500990976

しかし誰がいつ誤解したのだろうか?それは国連憲章にも使われており、いわば正式な用語である。
Article 51
Nothing in the present Charter shall impair the inherent right of individual or collective self-defence if an armed attack occurs against a Member of the United Nations, until the Security Council has taken measures necessary to maintain international peace and security. Measures taken by Members in the exercise of this right of self-defence shall be immediately reported to the Security Council and shall not in any way affect the authority and responsibility of the Security Council under the present Charter to take at any time such action as it deems necessary in order to maintain or restore international peace and security.

国連憲章第51条
この憲章のいかなる規定も、国際連合加盟国に対して武力攻撃が発生した場合には、安全保障理事会が国際の平和及び安全の維持に必要な措置をとるまでの間、個別的又は集団的自衛の固有の権利を害するものではない。この自衛権の行使に当って加盟国がとった措置は、直ちに安全保障理事会に報告しなければならない。また、この措置は、安全保障理事会が国際の平和及び安全の維持または回復のために必要と認める行動をいつでもとるこの憲章に基く権能及び責任に対しては、いかなる影響も及ぼすものではない。

自民党の憲法草案会議の議論の詳細は知らないが、もしこういう国連憲章も知らずに話を進めてるとしたら、それは雑ではないか。それと佐藤議員は、せめて国際社会で誰がどう誤解したのか、何人ぐらい誤解したのか説明してほしい。でないと、とにかく国防軍に変えたいというのが先にあって理由は後付け、とも見えてしまう。

ちなみに私は以下の通り、佐藤議員に何度もツイートで国連憲章の件を指摘した。まあ名無しのツイートなど読んでいないかもしれない。
2012-03-07 06:33:07
ekesete1: @SatoMasahisaどこの誰がなにをどう理解困難で誤解してるんでしょうか?小学生でも理解してると思うんですが

2012-03-07 06:46:11
ekesete1: @SatoMasahisa 国連憲章51条でも
「自衛権 right ofself-defence」(http://t.co/KSm5TlYB)という言葉を使ってて、誰も誤解しないと思うんですが、佐藤先生、誰が誤解したんですか?実際に誤解した人がいるんでしょうか?

2012-03-07 06:54:38
ekesete1: @SatoMasahisa自民党の憲法草案会議のメンバーの議員のお歴々が、国連憲章も知らないとは思えないんですが。皆さんつい忘れてたんでしょうか?次回の会議で思い出して頂けたら幸いです。まあよく考えたらツイッターの素人より雑な議論てことはありえないですよね大変失礼しました。
   

2012-03-09 00:28:05
ekesete1: @SatoMasahisa佐藤先生おはようございます。先日申し上げた、「セルフディフェンス」は国連憲章にもある正式な用語で誤解は起こらない件、災害対策基本法に既に非常事態宣言の規定があり、また車の処理も既に指針があり改憲など必要ない件について覚えておられるでしょうか。

2012-03-14 13:14:34
ekesete1: @SatoMasahisa佐藤先生、「セルフディフェンス」は国連憲章にもある正式用語で誤解は起こらないこと、災害時の非常事態宣言は自民党地震が作った災害対策基本法にもうあること、よって憲法改正は不要であること、

2012-03-14 13:20:15
ekesete1: @SatoMasahisaもし素人名無しの私より自民党憲法調査会の方が議論が雑であるならば、ちょっとどうかと思うんですが。いやちょっとじゃないですが。とりあえず先生ご専門の防衛関係の「selfdefensse(自衛)」についてはどうでしょう。誤解の恐れは無いと思いますが

2012-03-14 23:23:00
ekesete1: @SatoMasahisa佐藤先生、先生が党の憲法調査会でしたっけ?の場で言われた「自衛selfdefense」は誤解されるから「国防軍」にしたいとおっしゃった件で、私がそれは国連憲章でも使われてる言葉で誤解の恐れは無いと、何度か申し上げた点、いかがでしょうか?

2012-03-26 09:40:07
ekesete1: @SatoMasahisa佐藤先生の真剣な議論というのは、国連憲章にも使用されてるセルフディフェンスという単語が誤解を招くから自衛軍は国防軍に改称すべきとかそういう主張のことですか?

2012-03-28 00:26:26
ekesete1: @SatoMasahisa佐藤先生おはようございます。「セルフディフェンス」の件はどうなりました?国連憲章にもある単語で誤解など起こらないので、自衛隊を国防軍に名称変更する必要などないという件です。会議ではどうなりました?

2012-04-20 03:32:14
ekesete1: @SatoMasahisa私も元自衛官で国会議員の先生に「自衛セルフディフェンス」という言葉は国連憲章にもあるちゃんとした言葉であり、誰も誤解はしないから「国防」軍に改称する必要は無いですよと説明するのは空しいです。

@SatoMasahisa 佐藤先生私が何度も言いましたよね「自衛セルフディフェンス」は国連憲章にもある正式な単語で、誰も誤解はしないから「国防」に変える必要は無いと。先生誤解を招きやすいと言われてましたが誰が誤解したんですか?2012年4月22日 - 22:38 

@SatoMasahisa 佐藤先生が私に返事を下さらなくても、先生が3月7日に「英訳で「ディフェンス・フォース」ではなく「セルフ・ディフェンス・フォース(自衛軍)」の「セルフ」が付くと理解困難、誤解を招きやすい。」と言われて、私がそれは国連憲章にもある単語で誤解は無い2012年4月22日 - 22:43

@SatoMasahisa と説明した事実は残りますよ?後世の人は先生の主張と私の指摘を読み比べてなんというでしょうか?名称が変わる過程とか必ず後世の研究対象になるでしょうが、それに耐えられますか先生の「誤解しやすい」理論は?2012年4月22日 - 22:45

橋下徹氏「大阪教育改革は点数至上主義ではない」のおかしさ

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■ 「 大阪教育改革は点数至上主義ではない 」などと
まず橋下氏ツイート

朝日新聞大阪教育改革の記事への反論。大阪教育改革を進めると点数至上主義になるとする。大阪教育改革への反対の有識者は、皆口を揃えて言う。点数至上主義派教育ではないと。とんでもない勘違いだ。大阪維新の会は点数至上主義ではない。点数も教育の一要素であることは間違いない。2012年4月21日 - 1:33 

大阪教育改革で教育行政の仕組みを変えてきた。この仕組みの根本哲学は、「保護者・国民を信じること」である。大阪教育改革では保護者・生徒が学校とともに学校の目標・計画を作り、そして教員・学校の評価にも参加する。点数を重視するのか、何を重視するのかは、それは保護者の求め次第だ2012年4月21日- 1:35

点数を重視する学校があっても良いし、クラブ活動を重視する学校があっても良い。その他生徒の個性を尊重する学校があっても良い。それは保護者と学校がきちんと考えて、しっかり学校を運営してねというのが大阪教育改革の肝だ。これまでの教育は専門家に委ねる発想だ。2012年4月21日 - 1:37

点数至上主義にならないことも多いだろう。全ては学校と保護者の協議次第だ。そして決まった目標に沿って学校を運営し、教員も学校もその目標に照らしてしっかりと評価される。これまでのように全て教育行政のお任せ、先生のお任せというわけにはいかない。これが大阪教育改革の核の部分だ2012年4月21日 - 1:50

大阪教育改革を進めれば点数至上主義に陥ると言うのは、改革の中身の理解が足りない。どこにも点数至上主義を目指すなど書いていない。何を目指すかは学校と保護者が協議して目標を決める。アメリカの落ちこぼれ0法と同視して、大阪教育改革は失敗すると吹聴するMBS/VOICEこそ落ちこぼれだ 2012年4月21日 - 1:54

何だこれ。口を開けば学力ばかり言ってた過去の自分をきれいさっぱり忘れたのだろうか。
2008年9月
橋下知事「教育非常事態」を宣言 成績低迷受け
 大阪府の橋下徹知事は5日の記者会見で、全国学力テストの成績が2年連続で低迷したことを受け、「府の現状について『教育非常事態宣言』を発する」と述べ、教育力向上への取り組みを徹底する考えを示した。
 橋下知事は「府教育委員会が前回の(学力)テスト後に『方策を取る』と言ったのに、全く改善されなかった」と理由を説明。「教員が逃げているだけ」として、正答率も含めた学力テストの市町村別結果を公表する必要性を強調した。

2008年10月
 橋下知事は「学力だけがすべてでない、というのは逃げだ。子どもたちが楽しく授業を受けられるよう真正面から取り組んで」と要請。・・・府は、橋下知事の意向を受けて、小中学校で大学生らによる放課後の補講事業や、習熟度別クラスの導入を決めている。

2008年10月
大阪府の橋下徹知事は16日、全国学力テストの結果が2年連続で低迷したことを受けて、始業前の反復学習の導入や、携帯ゲーム機を活用した授業の調査研究を実施するなど今後3年間の緊急対策を発表した。

2008年12月
橋下知事、学力向上へ携帯電話追放宣言 年度内にも公立小中
橋下知事はこの日の定例会見で・・・「(携帯に依存していたら)学習時間が短くなるのは当然。大阪の学力の問題はここから入らなければ」と述べ、学力向上策の一環としても位置づける考えを示した。

2009年12月
12月16日、生野委員長、小河委員、陰山委員、中尾委員、中西教育長は、橋下知事と教育課題について意見交換会を行いました。・・・橋下知事は、「組織的に学力向上に取り組むための学校マネジメントについて、学校運営の要である校長先生の人事について、教育委員会で今後も検討して欲しい。」と述べました。

2012年2月
大阪市の橋下徹市長と市教育委員の意見交換会が22日開かれ、橋下市長は、目標の学力水準に達しない小中学生に対し、留年の導入を検討することを提案。

大阪の進学指導特色校は、橋下徹知事(当時)が優秀な生徒を特定の府立高に集めようと発案し、昨春からスタート。

進学指導特色校10校を指名する際、橋下大阪府知事は「これまで府立高校から約1000人だった難関国立大(東京、京都、大阪、神戸)と難関私立大(慶応、早稲田)への合格者の6割増を目指す」ことを目標として掲げています

だいたいツイートした前日にこう言ってる。
大阪市教委は、日雇い労働者の街・西成区の「あいりん地区」周辺にある市立小3校を統合し、2015年度に小中一貫校を開校する方針を決めた。・・・橋下市長は「学力向上を目指し、私立と同等かそれ以上の教育を受けられるスーパー校にしたい」としており、7月の本格予算案に関連予算を計上する。
2012年4月20日  読売新聞)

自分で散々学力向上学力向上言っていろいろ制度をいじって、学力テストも公開して、大学合格目標数も掲げて、新たに学力向上のための学校も作ると決めて、でも点数至上主義じゃありませんてのは通らない話だろう。この人は今日も、矛盾という言葉がぴったり来る。

日本が受諾した東京裁判の”ジャッジメンツ”に判決理由は含まれない、という嘘

東京裁判をめぐる保守派のよくある主張の一つに、サンフランシスコ講和条約で日本が受諾したのは「裁判」でなく「判決」である、というものがある。
小林よしのり
 ここでいわゆる「A級戦犯」についてのデマも暴いておこう。
 「日本は東京裁判をサンフランシスコ講和条約第11条で認めている。だからA級戦犯は犯罪人だ」「東京裁判を否定することはサンフランシスコ講和条約を無視し戦後の日本の外交すべてを否定することになるぞ」・・・とサヨクがよく言っていたが、ほとんど詐欺師の詭弁と恫喝だ。実は当の条文にはこう書いてあるのだ・・・・
  Japan accepts the judgements 
 「日本は諸判決を受諾する」という意味であって「裁判を受諾する」ではない。法律用語で「judgements」を「裁判」と訳することは、まずない 。条約のフランス語、スペイン語版の正文も「les judgments」「las sentencias」・・・「諸判決」である。ところがなぜか日本だけが「裁判を受諾」と誤訳されているのだ。(戦争論2,p241)

櫻井よしこ
  シンポジウムでは、大阪大学大学院教授の坂元一哉氏がサンフランシスコ講和条約の第11条について興味深い指摘をした。第11条は、「日本国は、極東国際軍事裁判所並びに日本国内及び国外の他の連合国戦争犯罪法廷の裁判を受諾し、且つ、日本国で拘禁されている日本国民にこれらの法廷が課した刑を執行するものとする」と書かれている。
  上の一文中の゛裁判″は英語では゛judgements″である。したがってこの部分は゛判決″でなければならないはずだが、裁判と誤訳された
   「判決」を「裁判」とした誤訳は、東京裁判を正当な裁きと認め、日本断罪の歴史観をも受け入れたうえで、日本は国際社会に復帰したのだという主張の根拠ともなってきた。しかし坂元教授は、それが誤った考えだと指摘したのだ。
 
日本会議
 ところで、十一条の日本文では「裁判を受諾する」となっている点が問題です。サンフランシスコ対連合国平和条約(昭和二十六年九月八日調印、翌二十七年四月二十八日発効)は、日本語のほかに、等しく正文とされる英・仏・西語で書かれていますが、
・・・以上、言語学的に説明しましたが、日本が平和条約十一条において受諾したのが「裁判」ではなく、「判決」であることが、おわかりいただけたことと思います。「裁判」と「判決」とでは、条文の意味が随分変わってきます。もともと英語正文の翻訳を基礎に書かれた日本語正文で、なぜ「判決」ではなく「裁判」の語が使われたのか、その理由と背景を探ることはある意味で重要ですが、ここではこれ以上深追いしないことにします。
http://www.nipponkaigi.org/opinion/archives/862

民主党 松原仁議員 2006年5月12日衆院外務委員会 
 私は、この受諾した中身は、いろいろな議論があります、アクセプトの場所とか。やはりそれはトライアルではない、判決を受諾したんだ。そこを、それは読み方なんです、それは知恵を出さなきゃいけない。そうすることによってのみ、我々は日本のプライドというものをよみがえらせることができる。
だから、東京裁判の、裁判の判決を、トライアルではなくてジャッジメンツを受諾したんだ、私はそういう認識でこれからも主張していきたいと思っております。これは私の認識であります。

「受け入れたのは裁判でなく判決だ」とか誤訳だとかトライアルでなくジャッジメンツだとか、何をこだわってるのかと思ったら、どうやら保守派の主張は、日本は「量刑とその執行」を受諾しただけで、判決理由や事実認定までは受諾してない、ということのようだ。
自民党 山谷えり子議員 
  外務省は「judgements」を「裁判」と訳し、それが公的な翻訳として流布していますが、「何を受諾したのか」という議論が、条約締結直後からありました。「裁判」ではなく「判決「諸判決」と訳すべきだとの声も根強くあります。「裁判」と訳すと裁判所の設置根拠や事実認定、判決も含めてすべてを受諾したと解釈され得ますが、「判決」なら刑の宣告だけで設置根拠や事実認定は含まず、稲田さんが言われた『日本の責任追及論』や『分祀論』の根拠にはなりません
  十一条は、条約発効後も東京裁判や他の戦犯法廷の判決の効力を維持するために日本が刑の執行を継続し、赦免・減刑・仮出獄は連合国の同意を得て行うという手続きを定めたものです。その文脈からすれば、「判決」と訳すのが適当ではないか、というのが私の質問の趣旨でした。(正論2005年8月号p59)

自民党 稲田知美議員
  サンフランシスコ平和条約第十一条(※1)の解釈で「アクセプツ・ザ・ジャッジメンツ」という内容を、佐藤和男先生(青山学院大学名誉教授・本誌「読書ガイド」一一九頁参照)、またいろんな有識者の方々が、あれは判決を受諾しただけであって、裁判を受諾したものではないんだということをおっしゃっています。私もそれはわかるのですが、ただ「判決」と訳そうが「裁判」と訳そうが、法律的には裁判を受諾したとか、判決を受諾したといった場合には、その主文を受諾したにすぎないのです。ですから、絞首刑などの主文を受け入れたに過ぎず、判決理由中の判断である東京裁判史観と言われる歴史認識について、私達が拘束される謂れは全くないんですよね。
 
日本会議
  《第 11条の規定は、日本政府による「刑の執行の停止」を阻止することを狙ったものに過ぎず、それ以上の何ものでもなかった。日本政府は第11条の故に講和成立後も、東京裁判の「判決」中の「判決理由」の部分に示されたいわゆる東京裁判史観(日本悪玉史観)の正当性を認め続けるべき義務があるという一部の人々の主張には、まったく根拠がない
  筆者は昭和61年8月にソウルで開催された世界的な国際法学会〔ILA・国際法協会〕に出席した際に、各国のすぐれた国際法学者たちとあらためて第11条の解釈について話し合ったが、アメリカのA・P・ルービン、カナダのE・コラス夫妻(夫人は裁判官)、オーストラリアのD・H・N・ジョンソン、西ドイツのG・レスなど当代一流の国際法学者たちが、いずれも上記のような筆者の第11条解釈に賛意を表明された。議論し得た限りのすべての外国人学者が、「日本政府は、東京裁判については、連合国に代わり刑を執行する責任を負っただけで、講和成立後も、東京裁判の判決理由によって拘束されるなどということはあり得ない」と語った。これが、世界の国際法学界の常識である。
http://www.nipponkaigi.org/opinion/archives/865

自民党 奥野誠亮議員 2002年7月4日衆議院憲法調査会
 私は、昭和二十年八月から昭和二十七年四月までは戦争状態が継続しておった、こう考えているわけであります。その中で極東国際軍事裁判などが行われたわけでございまして、同時に、サンフランシスコ講和条約が発効する際に、その講和条約の中で、日本が極東国際軍事裁判所の裁判を受諾する、英文ではジャッジメンツを受諾すると書いてあるわけであります。
 裁判というのは、辞書を引きますと、いわゆる裁判と判決と両方の意味に使われておるわけでありまして、ジャッジメンツに対応しますと当然判決だと思うんです。判決だと思いますから、禁錮刑などの人を勝手に出したりはしなかった、絞首刑になった人に異議の申し立てはしなかった。それだけのことだと思うのでございますけれども、これを裁判と解して、あの裁判において行われた、昭和六年の満州事変以来、日本は戦争を企画し、準備し、遂行してきたということで絞首刑や何かにもなってこられたわけでございました。こんなことまで受諾していることはないと思うのでございます

自民党 板垣正議員 1993年11月9日参議院内閣委員会
 そして、さっきおっしゃった平和条約第十一条、これで日本に本当は裁判の執行を肩がわりしなさいというだけの話なんですよ、まだ巣鴨とか海外にも戦犯がいますから。普通は講和条約が調印できたらみんなもう解放ですよ。それが国際法でしょう、それこそ。しかし、連合国は執念深くもまだ解放させない、刑務所に入れておく。この刑の執行は日本政府が肩がわりしろ、肩がわりします、判決を受諾します、これが平和条約第十一条であるということは権威ある国際法学者も、したがってそれを、裁判を受諾したと誤訳をさせ、しかも長官がさっきおっしゃったように、日本の政府も歴代政府が東京裁判は受諾をしました、第十一条で受諾をしましたからあれに触れるわけにはいきませんというふうな、まことに情けない。占領軍の追撃戦が成功した、戦闘で勝って戦争で勝ったその最後のため押しが講和条約第十一条。そうであるならば、東京裁判、それに通じる日本の直面した歴史というものをもう一度顧みざるを得ないと思います。

神道政治連盟
“A級戦犯”とは何だ!
(昭和62年11月22日発行)

冒頭にも述べましたように、第 11 条をもって東京裁判の正当性を主張する風潮があります。しかしながら、前述したように第 11 条では、東京裁判については、日本政府が連合国に代わり刑を執行する責任を負うことについて規定されているに過ぎず、それ以上はなにも規定されていません 。つまり、日本政府の「受諾」の対象は、判決主文(刑の言い渡し)であって、判決理由ではないわけです
http://www.sinseiren.org/hakkousasshinogoannai/hakkousassi.htm
http://www.sinseiren.org/Akyusenpan.pdf

つまり判決文のうち、死刑とか懲役何年とか書いてある主文のページをびりびり破って「ここだけ受け入れます。あとのページは受け入れません。捨てます」という解釈である。そんな理屈があるのかとちょっとびっくりするが、保守派はみな真面目にこれを言っているようだ。

 
では日本政府自身の見解はどうなのか、と思い国会議事録を見るとこれまた妙なことになっていて、判決理由など含めて全部を受諾したと答弁する人も入れば、そうではないと答弁している人もいる。近年は「全部受諾」で統一しているようだ。


判決理由は受諾してないと明言する答弁
ただいま御指摘になりました平和条約の条文、私承知いたしております。しかしそれは極東裁判の判決──ジャッジメントを受諾するということでございまして、判決に至るところの理由、そこまでを受諾するという意味合いではありません
(1959年11月25日 衆院外務委員会 高橋通敏外務省条約局長)

受諾したのは量刑だけであるという答弁 
しかしながら第十一條におきましては、これらの裁判につきまして、日本国政府といたしましては、その裁判の効果というものを受諾する。この裁判がある事実に対してある効果を定め、その法律効果というものについては、これは確定のものとして受入れるという意味であると考えるわけであります。(1951年11月14日 衆院法務委員会 法務総裁 大橋武夫氏 )

裁判の全てを受諾したとする答弁
この第十一条の、裁判を受諾しとございますが、そこでの英語はジャッジメントという言葉になっておるわけでございますけれども、ちなみにサンフランシスコ平和条約におきましては、第十七条におきましてもやはりジャッジメントという言葉がございますが、その二つとも日本語では裁判という文言を当ててある次第でございます。東京裁判の中身との関連で御説明申し上げさせていただきますと、裁判長はその判決のところで、これから自分は、ジャッジメントを読み上げるというところから始めておるわけでして、そのジャッジメントといいますのは三つから成っておりまして、裁判所の設立及び審理、それから法、侵略、太平洋戦争、起訴状の訴因についての認定、それから判定、それから刑の宣言というものをこのジャッジメントがすべてを包含しておりまして、そういう意味で一部の方がおっしゃっておられる刑の言い渡しだけを意味しておるはずだというふうにはとれないわけでございます。そういう意味で、結論的に申し上げまして、その裁判を受諾しという表現は、私たちとしてはやはり正しい表現ではないかというふうに考えておる次第でございます。
(1993年11月9日 参院内閣委員会 丹羽實外務省条約局長)

サンフランシスコ平和条約におきます用語の問題に関しまして御答弁申し上げます。 確かに先生おっしゃいますとおり、英語文でジャッジメントという言葉が使われておりまして、これを通常は裁判という文言を当てる場合と判決という文言を当てる場合がございますけれども、いずれの場合におきましても特段の意味の差があるとはこの場合におきましては考えておりません。 この極東国際軍事裁判所の裁判を例にとりますと、裁判の内容、すなわちジャッジメントは三部から構成されておりまして、この中に裁判所の設立及び審理、法──法律でございますけれども、侵略とか起訴状の訴因についての認定、それから判定、これはバーディクトという言葉を使っておりますけれども、及び刑の宣言、センテンスという言葉でございますけれども、こういうことが書かれておりまして、裁判という場合にはこのすべてを包含しております。 平和条約第十一条の受諾というものが、単に刑の言い渡し、センテンスだけを受諾したものではない、そういう主張には根拠がなかろうと言わざるを得ないというのが従来政府から申し上げているところでございますことは、先生も御承知のとおりでございます。
(1998年3月25日 衆院予算委員会 竹内行夫外務省条約局長)

御説明申し上げます。 この極東国際軍事裁判に係る平和条約第十一条におきましては、英語正文でジャッジメントという言葉が当てられておりますが、このジャッジメントにつきましては、極東軍事裁判所の裁判を例にとりますと、この裁判の内容すなわちジャッジメントは三部から構成されております。 この中に裁判所の設立及び審理、法、侵略、太平洋戦争、起訴状の訴因についての認定、それから判定、これはバーディクトという言葉が当てられておりますが、及び刑の宣言、これはセンテンスという言葉が当てられておりますが、このすべてを包含しておりまして、平和条約第十一条の受諾が単に刑の宣言、センテンスだけであるとの主張は根拠を有さないものと解しております。
(1998年4月7日 参院総務委員会 長嶺安政外務省条約局法規課長)

お答えいたします。 先生も今御指摘のとおり、サンフランシスコ平和条約第十一条によりまして、我が国は極東国際軍事裁判所その他各国で行われました軍事裁判につきまして、そのジャッジメントを受諾しておるわけでございます。 このジャッジメントの訳語につきまして、裁判というのが適当ではないんではないかというような御指摘かとも思いますけれども、これは裁判という訳語が正文に準ずるものとして締約国の間で承認されておりますので、これはそういうものとして受け止めるしかないかと思います。 ただ、重要なことはそのジャッジメントというものの中身でございまして、これは実際、裁判の結論におきまして、ウェッブ裁判長の方からこのジャッジメントを読み上げる、このジャッジ、正にそのジャッジメントを受け入れたということでございますけれども、そのジャッジメントの内容となる文書、これは、従来から申し上げておりますとおり、裁判所の設立、あるいは審理、あるいはその根拠、管轄権の問題、あるいはその様々なこの訴因のもとになります事実認識、それから起訴状の訴因についての認定、それから判定、いわゆるバーディクトと英語で言いますけれども、あるいはその刑の宣告でありますセンテンス、そのすべてが含まれているというふうに考えております。したがって、私どもといたしましては、我が国は、この受諾ということによりまして、その個々の事実認識等につきまして積極的にこれを肯定、あるいは積極的に評価するという立場に立つかどうかということは別にいたしまして、少なくともこの裁判について不法、不当なものとして異議を述べる立場にはないというのが従来から一貫して申し上げていることでございます。
(2005年6月2日 参院外交防衛委員会 林景一外務省国際法局長) 

で全部受諾と一部受諾どっちが正しいかということだが、保守派の言い分は次の二つだった。
(1)「judgement」の正しい訳は「裁判」でなく「判決」である。
(2)「judgement」とは量刑とその執行だけであり事実認定・判決理由は含まない。


(1)については、どっちで訳しても大した違いは無い。問題は(2)である。judgementに判決理由などは含まれないという主張だが、これがどうやら間違いだ。上に挙げた1993年丹羽答弁で「裁判長はその判決のところで、これから自分は、ジャッジメントを読み上げるというところから始めておるわけでして」と述べている。


以下の判決速記録の英文和文だが、これを見ると丹羽答弁が事実と分かる。裁判長はまず初めに「俺はこれからジャッジメントを読むぞ」と宣言している。
Thursday, 4 November 1948
INTERNATIONAL MILITARY TRIBUNAL FOR THE FAR EAST
Court House of the Tribunal
War Ministry Building
Tokyo, Japan
The Tribunal met, pursuant to adjournment, at 0930.

MARSHAL OF THE COURT: 
The International Military Tribunal for the Far East is now in session.

THE PRESIDENT: 
All of the accused are present except HIRANUMA, SHIRATORI and UMEZU. The Sugamo prison surgeon certifies that they are ill and unable to attend the trial today. The certificates will be recorded and filed.

(中略)

JUDGMENT OF THE INTERNATIONAL MILITARY TRIBUNAL FOR THE FAR EAST. 
 
THE PRESIDENT: 
I will now read the Judgment of the International Military Tribunal for the Far East. The title and formal parts will not be read.
PART A - CHAPTER I
Establishment and Proceedings of the Tribunal 
The Tribunal was established in virtue of and to implement the Cairo Declaration of the 1st of December, 1943, the Declaration of Potsdam of the 26th of July, 1945, theInstrument of Surrender of the 2nd of September 1945, and the Moscow Conference of the 26th of December, 1945.


○昭和二十三年十一月四日(木曜日)
東京都旧陸軍省内極東国際軍事裁判所法廷において
〔午前九時三十分開廷〕
 
○法廷執行官 
ただいまより極東国際軍事裁判所を開廷します。
 
○裁判長 
平沼、白鳥及び梅津の三被告を覗き、全被告出廷、欠席被告は弁護人によって代表(?)されています。巣鴨拘置所医務官からの証明書によれば、右三被告は病気のため本日出廷できないとのことであります。この旨記録に止め、証明書は綴(?)込みに入れます。
(中略)
 
極東国際軍事裁判所判決 
○裁判長 
本官は、これから極東国際軍事裁判所の判決を朗読します。表題及び形式的の部分は朗読しません
〔朗読〕
A部 第一章 本裁判所の設立及び審理
本裁判所は一九四三年十二月一日のカイロ宣言、一九四五年七月二十六日のポツダム宣言、一九四語年九月二日の降伏文書及び一九四五年十二月二十六日のモスコー会議に基いて、またこれらを実施するために設立された。


アジア歴史資料センターhttp://www.jacar.go.jp/
A級極東国際軍事裁判速記録(英文)・昭和23.11.4(第48413~48674頁)
レファレンスコードA08071338600(1~6枚目)
判決速記英文1判決速記英文2判決速記英文3判決速記英文4
A級極東国際軍事裁判速記録(和文)・昭和23.11.4~昭和23.11.12(判決)
レファレンスコードA08071311400(5~8枚目)
速記和文1速記和文2速記和文3速記和文5

裁判長はジャッジメントを朗読すると宣言して、まず裁判所の設立根拠を読み上げている。つまり設立根拠はジャッジメントに含まれることになる。


ジャッジメントという単語は、その後もたびたび出てくる。
PART A -- CHAPTER III
A SUMMARY 
Chapter III of Part A of the Judgment will not be read. It contains a statement of the rights which Japan acquired in China prior to 1930, together with a statement of Japan's obligations to other powers, so far as relevant to the Indictment. ・・・Japan's foothold in China at the beginning of the China war will be fully described in the forefront of the Chapter of the Judgment relating to China.

A部 第三章 要約
判決書のA部第三章は、これを朗読しないことにする。これは、起訴状に関連している限り、列強に対する日本の義務と日本が一九三〇年以前に中国において取得した諸権利との記述を含んでいる。・・・中日戦争の初めに日本が中国内でもっていた足場は、本判決中の中国に関する章の冒頭で充分に述べられるはずである。


A級極東国際軍事裁判速記録(英文)・昭和23.11.4(第48413~48674頁)
レファレンスコードA08071338600(46・47枚目)
英文速記5英文速記6
A級極東国際軍事裁判速記録(和文)・昭和23.11.4~昭和23.11.12(判決)
レファレンスコードA08071311400(11枚目)
和文速記6


  On 29 July 1938 the Japanese forces at Lake Khassan attacked the Soviet border guards. The fighting thus begun continued until 11 August 1938, by which time the Japanese forces employed in the operation had been routed. Thereafter Japan negotiated terms of peace, leaving the Soviet Union in possession of the disputed area.
  The fighting at Lake Khassan will be discussed fully in a later section of this judgment; ・・・

  一九三八年七月二十九日に、ハサン湖の日本軍は、ソビエットの国境警備隊を攻撃した。このようにして始められた戦闘は、一九三八年八月拾一一日まで続き、そのころには、この作戦に使用された日本軍は潰走させられていた。その後、紛争の地域をソビエット連邦の手に委ねたまま、日本は平和条件を交渉した。
  ハサン湖の戦闘は、本判決の後の部分で、詳細に論ずることにする。・・・


A級極東国際軍事裁判速記録(英文)・昭和23.11.5~昭和23.11.8(第48675~49091頁)
レファレンスコードA08071338800(61枚目)
ハサン湖
A級極東国際軍事裁判記録(和文)(NO.160)
レファレンスコードA08071307000(281枚目)
ハサン和文

The conspirators now dominated Japan. They had fixed their policy and resolved to carry it out. While the aggressive war in China was continuing with undiminished vigor, their preparations for further wars of Aggression which its execution would almost certainly involve were far on the way to completion. In the Chapter of the Judgment which deals with the Pacific War we shall see these preparations completed and the attacks launched which the conspirators hoped would secure for Japan the domination of the Far East. 

  共同謀議者は、今や日本を支配した。かれらは自分たちの方針を定め、その実行を決意していた。中国における侵略戦争が少しも力を弱めずに続けられてたい間に、さらにいっそうの侵略戦争のためのかれらの準備は、完成への道を大いに進んでいた。中日戦争を遂行するならば、その侵略戦争を引起すことは、ほとんど間違いないことであった。本判決のうちで、太平洋戦争を取扱う章の中において、これらの準備が完成され、攻撃が開始されたことが述べてある。共同謀議者は、これによって、日本が極東の支配を確保するであろうと期待していたのであった。


A級極東国際軍事裁判速記録(英文)・昭和23.11.5~昭和23.11.8(第48675~49091頁) 
レファレンスコードA08071338800(341・342枚目)
巻末英文1巻末英文2
A級極東国際軍事裁判記録(和文)(NO.161)
レファレンスコードA08071307200(231枚目)
巻末和訳

判決は11月4日から12日にかけて長々と朗読されたが、裁判長は日が変わるたびに「ではジャッジメントの朗読を続けます」と宣言している。
11月5日
Friday, 5 November 1948 
INTERNATIONAL MILITARY TRIBUNAL
FOR THE FAR EAST
Court House of the Tribunal 
War Ministry Building 
Tokyo, Japan 
The Tribunal met, pursuant to adjournment, at 0930.

MARSHAL OF THE COURT:
The International Military Tribunal for the Far East is now resumed.

THE PRESIDENT:
All the accused are present except HIRANUMA, SHIRATORI and UMEZU who are represented by counsel. The Sugamo priso>>347n surgeon certifies that, they are ill and unable to attend the trial today. The certificates will be recorded and filed. I continue the reading of the Judgment of the Tribunal


HIROTA'S FOREIGN POLICY IN 1938 WAS FOUNDED ON THE FIVE MINISTERS' DECISION OF AUGUST 1936

These developments in China reflected the policy of Foreign Minister HIROTA, who adhered steadfastly to the goal of the basic national policy decision of 11 August 1936. While the Army was obsessed with the prospect of a coming war with the Soviet Union, and looked to Germany as an ally, HIROTA took a broader and more cautious view. He aimed at the achievement of expansion on the continent and, at the same time at the completion of Japan's preparations for whatever conflicts that expansion might ultimately entail.

On 29 May 1938 HIROTA left the Foreign Ministry; but at some earlier date he laid down the principle which would govern German and Italian participation in the economic development of North China. 


○昭和二十三年十一月五日(金曜日)
東京都旧陸軍省内極東国際軍事裁判所法廷において
〔午前九時三十分開廷〕

○法廷執行官 
ただいまより極東国際軍事裁判を再開します。

○裁判長 
平沼、白鳥及び梅津の三被告を除き全被告出廷、欠席被告は弁護人によって代表されています。巣鴨拘置所医務官からの証明書によれば右被告は病気のため本日出廷できないとのことであります。この旨記録に留め、証明書は綴込みに入れます。

〔朗読〕
一九三八年の廣田外交政策は一九三六年八月の五相会議決定に基いていた

中国におけるこれらの事態は、一九三六年八月十一日の国策の基準に関する決定の目標を固執した外務大臣廣田の政策を反映していた。ソビエット連邦との戦争が近づきつつあるという形勢に陸軍がまったく気をとられ、ドイツを同盟国として当てにしていたときに、廣田はもっと広い、もっと慎重な見解をとっていた。大陸における進出を成就すること、それと同時に、その進出が結局はもたらすような一切の紛争に対して、日本の準備を完成することを、かれはもっぱら目指していた。

一九三八年月二十九日に、廣田は外務省を去った。しかし、その少し前に、華北の経済的開発にドイツとイタリアが参加するについての原則を定めた。


A級極東国際軍事裁判速記録(英文)・昭和23.11.5~昭和23.11.8(第48675~49091頁)
レファレンスコードA08071338800(4・5枚目)
11月5日11月5日英文1
A級極東国際軍事裁判速記録(和文)・昭和23.11.4~昭和23.11.12(判決)
レファレンスコードA08071311400(28枚目)
11月5日和文速記jpg 
標題:A級極東国際軍事裁判記録(和文)(NO.160)
レファレンスコードA08071307000(234・235枚目)
11月5日和文判決文111月5日和文判決文2

11月8日
Monday,8 November 1948
INTERNATIONAL MILITARY TRIBUNAL
FOR THE FAR EAST
Court House of the Tribunal
War Ministry Building
Tokyo, Japan
The Tribunal met, pursuant to adjournment, at 0930. 

MARSEAL OF THE COURT:
The International Military Tribunal for the Far East is now resumed.

THE PRESIDENT:
All the accused are present except SHIRATORI and UMEZU, who are represented by counsel. The Sugamo Prison surgeon certifies that they are ill and unable to attend the trial today. The certificates will be recorded and filed. I continue the reading of the Tribunal's Judgment.

 
OSHIMA, WITH GERMAN ENCOURAGEMENT, PLANS FOR A JAPANESE ATTACK UPON THE PACIFIC POSSESSIONS OF THE WESTERN POWERS

Von Ribbentrop, in urging Axis solidarity, sought to encourage Japan to move to the south. He impressed upon both OSHIMA and Terauchi that Japan's vital interests lay in that direction. If an understanding between Japan and the Soviet Union was reached through German mediation, Japan might freely extend her power in East Asia towards the south, and penetrate further than had been planned. Terauchi agreed, and said that it was in Japan's best interests to bring the China war to an end by a tolerable compromise, and to utilize the strength of the Japanese Army and Navy in the south, where greater economic successes were to be gained. OSHIMA not only agreed, but was enthusiastic. He said that Japan would be perfectly ready for an advance in South-East Asia, which would include the capture of Hong Kong. This he had already proposed by telegraph.



○昭和二十三年十一月八日(月曜日)
東京都旧陸軍省内極東国際軍事裁判所法廷において
〔午前九時三十二分開廷〕

○法廷執行官 
ただいまより極東国際軍事裁判を再開します。

○裁判長 
白鳥及び梅津を除き全被告出廷、欠席被告は弁護人によって代表されています。巣鴨拘置所医務官からの証明書によれば、右両被告は病気のため本日出廷できないとのことであります。この旨記録に留め、証明書は綴込みに入れます。
判決文の朗読を続けます

〔朗読〕
大島はドイツに勧められて太平洋の西洋諸国の属地に対する日本の攻撃を計画した

フォン・リッベントロップは、枢軸の結合を促すにあたって、日本をはげまして南方に進出させようと試みた。かれは大島にも寺内にも、日本の死活に関する利益がその方面にあることを力説した。ドイツの仲介によって、日本とソビエット連邦との間に了解が成立すれば、日本は東アジアにおける勢力を自由に南方に向けて伸ばし、計画されている以上の進出をすることができるであろうというのであった。寺内はこれに同意し、中国における戦争を我慢できる妥協によって終らせ、もっと大きな経済的成功の得られる南方において、日本の陸海軍の力を利用するのが最も日本の利益になるといった。

大島は同意したばかりでなく、大いに乗気であった。日本は東南アジアに進出する用意が完全にできているであろうし、これには香港の攻略も含まれるでことになろうといった。かれはすでに電報でこのことを提案していたのである。



A級極東国際軍事裁判速記録(英文)・昭和23.11.5~昭和23.11.8(第48675~49091頁)
レファレンスコードA08071338800(214~216枚目)
11月8日111月8日英文211月8日英文3
A級極東国際軍事裁判速記録(和文)・昭和23.11.4~昭和23.11.12(判決)
レファレンスコードA08071311400(44枚目)
11月8日和文速記
標題:A級極東国際軍事裁判記録(和文)(NO.161)
レファレンスコードA08071307200(123枚目)
11月8日和文判決文


11月9日
Tuesday,9 November 1948
INTERNATIONAL MILITARY TRIBUNAL
FOR THE FAR EAST 
Court House of the Tribunal
War Ministry Building
Tokyo, Japan
The Tribunal met, pursuant to adjournment, at 0930.

MARSHAL OF THE COURT:
The International Military Tribunal for the Far East in now in session.

THE PRESIDENT:
All the accused are present except SHIRATORI and UMEZU, who are represented by counsel. The Sugamo Prison Surgeon certifies they are ill and unable to attend the trial today. The certificates will be recorded and filed. I continue the reading of the Judgment:  


SUPREME ADMINISTRATIVE COUNCIL

According to ARAKI, General Honjo conceived the idea of having the Governors of the Provinces organize a "Supreme Administrative Council" to make recommendations for the organization of the new State in Manchuria. He forwarded his plan to ARAKI and requested permission to set up a new State for the government of Manchuria with Henry Pu Yi as its head. During his interrogation at Sugamo Prison, ARAKI admitted that, since he had no better suggestion, and thought the General's plan would solve the "Manchurian Problem", he had approved the plan. ARAKI then sent additional experts into Manchuria to assist the SelfGovernment Guiding Board in carrying out General Honjo'a plan.


○昭和二十三年十一月九日(火曜日)
東京都旧陸軍省内極東国際軍事裁判所法廷において
〔午前九時三十分開廷〕

○法廷執行官 
ただいまより極東国際軍事裁判を再開します。

○裁判官
白鳥及び梅津を除き全被告出廷、欠席被告は弁護人によって代表されています。巣鴨拘置所医務官からの証明書によれば、右両被告は病気のため本日出廷できないとのことであります。この旨記録に留め、証明書は綴込みに入れます。
判決文の朗読を続けます

〔朗読〕
最高行政委員会

荒木によれば、各省の省庁に『最高行政委員会」を組織させて、満州における新しい国家の組織のために、勧告をさせようということを本庄中将は思いついた。本庄はかれの案を荒木に送り、ヘンリー◦溥儀を主班として、満州を統治させるために、新しい国家をつくることを許してもらいたいと要請した。ほかにいい提案もなく、本庄の案は『満州問題』を解決するであろうと考えたので、かれの案に賛成したということを荒木は巣鴨拘置所における訊問中に認めた。本庄案を実行するにあたって、自治指導部を援助させるために、荒木はさらにいく人かの専門家を満州に派遣した。


A級極東国際軍事裁判速記録(英文)・昭和23.11.9~昭和23.11.10(第49092~49496頁)
レファレンスコードA08071339000(5・6枚目)
11月9日111月9日英語速記2
A級極東国際軍事裁判速記録(和文)・昭和23.11.4~昭和23.11.12(判決)
レファレンスコードA08071311400(60枚目)
11月9日和文速記
A級極東国際軍事裁判記録(和文)(NO.162)
レファレンスコードA08071307400(72枚目)
11月9日和文判決文


11月10日
Wednesday,10 November 1948
INTERNATIONAL MILITARY TRIBUNAL
FOR THE FAR EAST
Court House of the Tribunal
War Ministry Building
Tokyo, Japan 
The Tribunal met, pursuant to adjournment, at 0930.

MARSHAL OF THE COURT:
The International Military Tribunal for the Far East isnow resumed.

THE PRESIDENT:
All the accused are present except KAYA, SKIRATORI andUMEZU who are represented by counsel. The Sugamo prison surgeon certifies that they are ill and unable to attend the trial today. The certificates will be recorded and filed. I continue the reading of the Tribunal’s Judgment.


WANG CHING-WEI TAKEN TO SHANGHAI

The declarations of 22 and 29 December 1930, made by Konoye and Wang Ching- Wei respectively, were but a prelude to the establishment of a new central government in China. In March 1939, the Five Ministers' Conference in Japan decided to send Kagesa to Hanoi to take Wang to a "safety zone," which was decided upon as Shanghai. He reached Hanoi on 17 April 1939, carrying personal letters to Wang from Foreign Minister Arita, War Minister ITAGAKI, Ko-A-In Division Chief SUZUKI, and Navy Minister Yonai. Wang informed Kagesa that he would launch a movement for peace with Shanghai as his base. Wang was conveyed by the Japanese with the utmost secrecy from Hanoi to Shanghai where he arrived on the 8th May 1939.



○昭和二十三年十一月十日(水曜日)
東京都旧陸軍省内極東国際軍事裁判所法廷において
〔午前九時三十分開廷〕

○法廷執行官 
ただいまより極東国際軍事裁判を再開します。

○裁判長
賀屋、白鳥及び梅津の三被告を除き全被告出廷、欠席被告は弁護人によって代表されています。巣鴨拘置所医務官からの証明書によれば、右被告らは病気のため本日出廷できないとのことであります。この旨記録に留め証明書は綴込みに入れます。
判決文の朗読を続けます


〔朗読〕
汪精衛上海へ

一九三八年十二月二十二日の近衛声明と、同じく二十九日の汪精衛声明とは、中国に新しい中央政府を樹立する前触れにすぎなかった。一九三九年三月に、日本の五相会議は、上海を『安全地帯』と認め、汪をここに移すために、影佐をハノイに派遣することを決定した。影佐は汪にあてた外務大臣有田、陸軍大臣板垣、興亜院部長鈴木及び海軍大臣米内の私信を携えて、一九三九年四月十七日にハノイに到着した。汪は影佐に上海を本拠として和平運動を起すと述べた。日本側によって、汪は極秘のうちにハノイから上海に移され、一九三九年五月八日に同地に到着した。


A級極東国際軍事裁判速記録(英文)・昭和23.11.9~昭和23.11.10(第49092~49496頁)レファレンスコードA08071339000(205・206枚目)
11月10日111月10日2
A級極東国際軍事裁判速記録(和文)・昭和23.11.4~昭和23.11.12(判決)
レファレンスコードA08071311400(74枚目)
11月10日和文速記
A級極東国際軍事裁判記録(和文)(NO.162)
レファレンスコードA08071307400(220・221枚目)
11月10日和文判決文111月10日和文判決文2

11月11日
Thursday, 11 November 1948
INTERNATIONAL MILITARY TRIBUNAL
FOR THE FAR EAST
Court House of the Tribunal
War Ministry Building
Tokyo, Japan
The Tribunal met, pursuant to adjournment, at 0930.

MARSHAL OF THE COURT:
The International Military Tribunal for the Far East isnow resumed.

THE PRESIDENT:
All the accused are present except KAYA, SHIRATORI andUMEZU, who are represented by counsel. The Sugamo Prison surgeon certifies thatthey are ill and unable to attend the trial today. The certificates will be recorded andfiled. I continue the reading of the Tribunal's 
Judgment.

PREPARATIONS INTENSIFIED

The plan of September and October 1940 had been followed. The ultimate objective of the plan was the domination of East Asia by Japan. That objective was to be reached by the use of force if necessary. Some of the steps to be taken in the execution of that plan were in the alternative. The Tripartite Pact had been entered into and used as an instrument for intimidation of the Western powers and as a guarantee of cooperation by the Axis Powers with Japan as she advanced to the South. The Non-Aggression Pact had been signed with the U.S.S.R. as a protection of Japan's rear as she made that advance. The attempt to negotiate a peace with Generalissimo Chiang Kai-shek in order to free Japanese troops and acquire the use of Chinese troops in making that advance had failed. The attempt to mediate the European War and thereby secure British recognition of Japan's advance into Southeast Asia so as to eliminate the necessity of an attack upon Singapore had likewise failed. The attempt to eliminate possible interference with that attack by the United States Pacific Fleet through negotiation with the United States had also failed. The negotiations at Batavia for acquisition of oil and other vital materials had failed also; those negotiations had terminated on 17 June 1940. Japan's reserves of war supplies were in danger of being depleted. The decision of the Imperial General Headquarters made in early April 1941 stood. The time for final preparation had now arrived.



○昭和二十三年十一月十一日(木曜日)
東京都旧陸軍省内極東国際軍事裁判所法廷において
〔午前九時三十分開廷〕

○法廷執行官 
ただいまより極東国際軍事裁判を再開します。

○裁判長
賀屋、白鳥及び梅津の三被告を除き全被告出廷、欠席被告は弁護人によって代表されています。巣鴨拘置所医務官からの証明書によれば、右被告らは病気のため本日出廷できないとのことであります。この旨記録に留め証明書は綴込みに入れます。判決文の朗読を続けます


〔朗読〕
準備の積極化

一九四〇年の九月と一〇月の計画は守られていた。この計画の究極の目標は、日本による東アジアの支配であった。この目標は、必要ならば、武力の行使によって到達することになっていた。この計画の実行にあたってとるべき措置の一部は、二者択一的のものであった。三国条約が締結されていて、西洋諸国に対する威嚇の手段として、利用され、また、日本が南方に進出する際に、枢軸諸国が日本に協力する保証として利用されていた。日本がこの進出を行うにあたって、その背面の保証として、ソビエット連邦と不可侵条約が結ばれていた。この進出を行うにあたって、日本の軍隊が拘束されないようにし、また中国の軍隊を使用することができるようにするために、蒋介石大元帥と和平交渉を試みたが、それは失敗した。ヨーロッパ戦争の仲介を行い、それによって、日本の東南アジアに対する進出をイギリスに承認させ、シンガポール攻撃の必要を除こうとする試みも、同じように失敗した。合衆国との交渉によって、合衆国太平洋艦隊がこの攻撃に対して行うかもしれない妨害を除こうとする試みも、また失敗した。油とその他の重要物資を獲得するために、バタヴィアで行った交渉も、やはり失敗した。この交渉は、一九四〇年六月十七日に打切られていた。日本の軍需品の貯蔵は、使いつくされてしまう危険があった。一九四一年四月初めになされた大本営の決定は、変更されなかった。今は最後的準備の時が到来した。



A級極東国際軍事裁判速記録(英文)・昭和23.11.9~昭和23.11.10(第49092~49496頁)
レファレンスコードA08071339200(5・6枚目)
11月11日111月11日2
A級極東国際軍事裁判速記録(和文)・昭和23.11.4~昭和23.11.12(判決)
レファレンスコードA08071311400(90枚目)
11月11日和文速記
A級極東国際軍事裁判記録(和文)(NO.163)
レファレンスコードA08071307600(78・79枚目)
11月11日和文判決文111月11日和文判決文2


11月12日

Friday, 12 November 1948
INTERNATIONAL MILITARY TRIBUNAL
FOR THE FAR EAST
Court House of the Tribunal
War Ministry Building
Tokyo, Japan
The Tribunal met, pursuant to adjournment, at 0930.

MARSHAL OF THE COURT:
The International Military Tribunal for the Far East is now resumed.

THE PRESIDENT:
All the accused are present except KAYA, SHIRATORI and UMEZU, who are represented by counsel. The Sugamo Prison surgeon certifies that they are ill and unable to attend the trial today. The certificates will be recorded and filed. I continue the reading of the Tribunal's judgment
 

EXCESSIVE AND UNLAWFUL PUNISHMENT WAS IMPOSED.

TOJO, in his instructions to chiefs of prisoner of war and civilian internee camps told those officials to tighten their control over their subordinates and to supervise the prisoners rigidly; he said, "It is necessary to put them under strict discipline." He repeated this charge in his instructions to the Commander of the Zentsuji Division on 30 May 1942, when he said: "Prisoners of war must be placed under strict discipline as far as it does not contravene the law of humanity. It is necessary to take care not to be obsessed with the mistaken idea of humanitarianism or swayed by personal feelings towards those prisoners of war which may grow in the long time of their mprisonment." The Geneva Prisoner of War Convention of 1929 provided with respect to punishment of prisoners of war for offenses committed while they were prisoners: "Any corporal punishment, any imprisonment in quarters without daylight, and, in general any form whatever of cruelty is forbidden," and "Collective punishment for individual acts is also forbidden."
 

○昭和二十三年十一月十二日(金曜日)
東京都旧陸軍省内極東国際軍事裁判所法廷において
〔午前九時三十分開廷〕

○法廷執行官 
ただいまより極東国際軍事裁判を再開します。

○裁判長
賀屋、白鳥及び梅津の三被告を除き全被告出廷、欠席被告は弁護人によって代表されています。巣鴨拘置所医務官からの証明書によれば、右被告らは病気のため本日出廷できないとのことであります。この旨記録に留め証明書は綴込みに入れます。
判決文の朗読を続けます

〔朗読〕
過度かつ不法な処罰科せらる

捕虜収容所と一般人抑留所の所長に対する訓示の中で、東条は部下の統制を強化し、捕虜の監督を厳重にせよと述べ、『厳格なる紀律に服せしむるを要す』といった。一九四二年五月三十日に、善通寺の師団長に対する訓示の中で、この命令を繰返して、かれは次のようにいった。『俘虜は人道に反しないかぎり厳重に取締り、苟も誤れる人道主義に陥り、又は収容久しきに亘る結果情実に陥るが如きことない様注意を要します』と。
 一九二九年のジュネーヴ俘虜条約は、捕虜が捕虜である間に犯した違反行為に対する処罰に関して、次のように規定している。『一切ノ体刑、日光ニ依リ照明セラレザル場所ニ於ケル一切ノ監禁及ビ一般二一切ノ残酷ナル罰ヲ禁ズ』。また、『同様ニ個人ノ行為ニ付団体的ノ罰ヲ課スルコトヲ禁止ス』。


A級極東国際軍事裁判速記録(英文)・昭和23.11.9~昭和23.11.10(第49092~49496頁)
レファレンスコードA08071339200(211・212枚目)
11月12日111月12日2
A級極東国際軍事裁判速記録(和文)・昭和23.11.4~昭和23.11.12(判決)
レファレンスコードA08071311400(106枚目)
11月12日和文速記
A級極東国際軍事裁判記録(和文)(NO.163)
レファレンスコードA08071307600(253・254枚目)
11月12日和文判決文111月12日和文判決文2


裁判長は毎日ジャッジメントを朗読すると宣言したあとに、細かい事実認定を読み上げていることが分かる。


もしジャッジメントが保守派のいうとおり「死刑」「懲役何年」という主文だけなら、それを読み上げるのにこう何日もかかることは無い。やはりジャッジメントとは量刑の部分だけではなく、裁判所の設立根拠であるとか、日本が中国でどうしたという事実認定だとか、そういう裁判過程の全てを含んでいるのである。


そもそも判決文の冒頭にジャッジメントと書いてある。つまりそこから下の判決文全体がジャッジメントなのである。
JUDGMENT
INTERNATIONAL MILITARY TRIBUNAL FOR THE FAR EAST
PART A
CHAPTERS Ⅰ,Ⅱ,Ⅲ



極東国際軍事裁判所
判決
A部
第一章 


A級極東国際軍事裁判記録(英文)(NO.160)
レファレンスコードA08071271700(2~4枚目)
東京裁判判決文表紙英文ジャッジメント2英文ジャッジメント3
A級極東国際軍事裁判記録(和文)(NO.160)
レファレンスコードA08071307000(2~4枚目)
東京裁判判決文和文表紙和文ジャッジメント2和文ジャッジメント3


ちなみにイギリス最高裁の判決文を見ると、やはり冒頭に「ジャッジメント」とある。
判決文全体がジャッジメントということ。
英最高裁判決文
https://www.supremecourt.uk/decided-cases/docs/UKSC_2014_0275_Judgment.pdf

「判決=判決文」と考えれば、ジャッジメント=判決=判決文=判決文に書かれた全て
なのは当たり前だろう。
というわけで小林よしのり氏らの主張は間違い。おわり 



と書いたあとで11条の原文を見たら、そもそもそこで既に「ジャッジメント」と「センテンス(刑の言い渡し)」を使い分けてた。保守派の言うようにジャッジメントが刑の言い渡しだけならジャッジメントとセンテンスが同じ意味になってしまいおかしいだろう。やっぱりジャッジメントは刑の言い渡し(=センテンス)以外の何かを含むってことだ。
Article 11
Japan accepts the judgments of the International Military Tribunal for the Far East and of other Allied War Crimes Courts both within and outside Japan, and will carry out the sentences imposed thereby upon Japanese nationals imprisoned in Japan. 

第11条
日本国は、極東国際軍事裁判所並びに日本国内及び国外の他の連合国戦争犯罪法廷の裁判を受諾し、且つ、日本国で拘禁されている日本国民にこれらの法廷が課したを執行するものとする。

橋下流地方分権論の本音「自治体破綻制度」

橋下市長が4月16日ツイートで、自身の地方分権論についてこう言っている。
その通り。 地方交付税制度の廃止、地方債市場の自由化、自治体破綻制度です。RT @ikedanob: 顧客(市民)に見捨てられた都市は倒産する、というダーウィン的ガバナンスしかないと思います。 RT @realwavebaba: 「権力は腐敗する、絶対権力は絶対に腐敗する」という2012年4月16日 - 8:02

「自治体破綻制度」これが本音だろう。田舎の自治体から地方交付税を取り上げればそうなるだろう。こないだのエントリで橋下流地方分権論は地方にとって損だと書いたとおりのようだ。

橋下氏は消費税は社会保障や再分配に使うべきではない、再分配に使うから消費税の逆進性が出て来るんだとか、所得の再分配は所得税で行うべきだとか、どこで仕入れたのかよく分からない独自の理論を展開していたが、結局彼の本音は、とにかく理屈をつけて消費税地方税化(とそれに伴う地方交付税返上)」を行い自治体収入を人口比例にすることで、事実上田舎に不利で都会に有利な制度に組み替える、という点にあるようだ。

橋下さんの地方主権だの地方分権だの地方自立だのの言葉を聞いて、これからは地方の時代だ地方分権でバラ色だ、と勘違いしている人もたくさんいるだろう。しかし事実は逆だ。田舎から金を取り上げて都会と格差をつけ、やっていけなければ夕張のように破綻しなさいというのが橋下流地方分権論の本質・狙いなのである。

「現在の価値観で過去を裁くな」論の誤り

主に保守・右翼界隈で広く用いられる主張である。
小林よしのり氏

・世界がそのような常識の時代であったのならば朝鮮併合に対してなぜ日本人は罪悪感を持たねばならぬのか?なぜ反省を強いられたり謝罪を求められねばならぬのか?(戦争論2p488)
・過去の価値観を今の価値観で裁いても仕方ないではないか!それは現代人の傲慢というものだ!(同p489)
・「現代の価値観と違うから」良心が痛む!反省すべきだ!謝罪すべきだ!などと主張しているのはまるで子供がだだをこねているのと同じだ!(同p489)

「世界がそのような常識の時代であった」というが、仮にそういう常識があったとして、それは一部列強政府の常識だろう。侵略される側、併合される側にとっては常識でもなんでもなく、実際韓国でも義兵運動、三一独立運動が起こっている。もし彼らが弱肉強食は常識、併合されて常識と思っていれば抵抗しないだろう。

昔はセクハラは常識だったと言ってもそれはエロおやじ側の話で、される側にとっては常識でもなんでもない。また昔は女工哀史が常識だったと言ってもそれは会社側の論理であり、女工やその家族にとっての常識ではない。公害物質を垂れ流すことは昔は常識だったと言っても、田中正造や足尾銅山近くに住む人にとっては常識ではない。常識ではないからこそそれらの被害者は被害や窮状を訴え、それが現在のセクハラに対する社会の厳しい目、一連の労働者保護法規、公害防止法規につながったわけである。

最近で言えば迷惑メールの件がある。法規制以前の迷惑メール全盛時、それを常識だ悪くないみんなやってると言ってた人がいてもせいぜい業者だけだろう。 我々は迷惑メールが法規制される前から、迷惑だという意識はあった。「法規制が無い=常識」ではない。法規制がなくてもそれは悪だ、嫌だ迷惑だという認識があって、そこから法規制が生まれるのである。

小林よしのり氏の理屈は「セクハラは昔は当たり前だった。女工哀史は当たり前だった。鉱毒垂れ流しは昔は当たり前だった、迷惑メールは当たり前だった」と言ってるのと同じで、それは加害側の論理・常識でしかない。我々が過去の間違いを認め、謝罪し善後策をとるのは、被害者がいるからである。

「現在の価値観で過去を裁く」ではなく「当時の加害者の価値観から、当時の被害者の価値観に視点を転換する」ということである。時を飛び越えるのではなく、同一の時において立場を変えて考えてみる、ということである。


過去について謝罪、遺憾表明した事例
○2001年5月 ローマ教皇ヨハネ・パウロ二世が十字軍を謝罪
He asked God to pardon sins committed during the last 1,000 years since the two churches split, in particular the sacking of Constantinople by Catholic Crusaders in 1204. 
彼(教皇)は神に許しを乞うた。カトリックと東方正教会が分裂して以来の過去千年間の罪について。特に1204年の十字軍のコンスタンチノーブル占領。

○2008年07月 米下院、奴隷制とアフリカ系米国人に謝罪
米下院、奴隷制とアフリカ系米国人に謝罪する決議採択 2008年07月30日 23:13 発信地:ワシントンD.C./米国

米下院は29日、奴隷制とアフリカ系米国人に対する人種差別政策について「根本的に不当、残虐、野蛮、非人間的」であったとし、連邦議会としては初めて公式に謝罪する決議を採択した。

○2008年8月 イタリアがリビアに植民地支配を謝罪 賠償でインフラ整備などを援助
イタリアのベルルスコーニ首相は先月31日、リビアの最高指導者カダフィ大佐とトリポリで会い、「自分たちのせいで大変に苦しい思いをさせてしまった」として同国の植民地支配(1912―1943)を謝罪した。

橋下氏の「識者は行政未経験だから役に立たない。机上の論と実践は違う」論のおかしさ

まず橋下氏ツイート
識者は一般的な考えや見解を述べるの好きだ。書物で得た知識の披露が好きだ。しかし政策にも技術があるのである。そして政策の技術は、政策の中身そのものと言っても良い。だからその技術を経験していない者は、実現できる政策を提言できない。単なるアイデアレベル。2012年4月15日 - 9:45

自称インテリ層は現実の政治行政が分かっていないと言われるのが一番辛いところ。池田氏もそれらのインテリ層と同じく、だんだん非論理的になってきたな~。池田氏はマスコミの実務なんて要らないと言っている。これは何を実務と捉えるかについて大誤認。評論の対象と実務の関係を分かっていない。2012年4月15日 - 9:20
 
美術史や美術思想を学んでも芸術的な絵は描けない。野球入門や、サッカー入門を読み漁り、机上の戦略論をいくら頭に入れても、甲子園に出られるわけではないし、ワールドカップに出られるわけでもない。僕はラグビーで花園に出たけど、ここで学んだ。机上の論と実践は違うと。2012年4月15日 - 9:50

では何がおかしいか。
(1)教師経験が無い=実務経験が無いのに教育を語り条例まで通した橋下氏が言うことではない。

(2)世界中の識者は基本的に研究・言論オンリーでは?現場経験が必要というなら世界中の識者メディアが黙ることになる。それはおかしい。

(2)また橋下さん自慢の「実務」「実現プロセス」なるものは、我々はよく知っている。新聞の政治面を読んでる人なら誰でも知ってます。秘密のプロセスがあるならべつだけど。だから識者が実務・実現プロセスを知らないという主張がそもそもおかしい。

(3)橋下さんは野球などスポーツで例えて机上の論と実践は別と言うが、例え方がおかしい。 野球の場合、選手は打席で何をすべきか、バント、ヒッティング、進塁打、犠牲フライ、カットで逃げる、一球見送る、といった選択肢を予め理解している。
 
 しかし政治家がある課題につきあたったとき、それはその政治家にとって未知の新しい問題であることがよくある。原発もそう。でその場合どういう選択肢があるのかどの選択肢がいいのか分からない。それを教えてくれるのが識者だ。 
 
 政治家は野球やサッカーでなく、毎回未知の新しいゲームをやってると考えたらいい。見たことの無いゲームでルールがわからない。こまをどう動かせばいいのか、どの動かし方がベターなのか分からない。一つ間違えるとすぐゲームオーバーしてしまう。 
 
 そういうときに「このゲームはこういうゲームで、こういうこまの動かし方があって、こういう選択肢がベターなんですよ」と教えてくれるのが識者だ。実際橋下さんは原発問題で、メディアや識者(の書いたもの)を頼り参考にして判断してるはず。 実務経験のある識者に聞きましたと言うかもしれないが、その識者は実務経験の無い識者を参考にしてるだろう。結局橋下さんは実務経験の無い識者のおかげで知識を得て判断しているわけだ。

というわけで橋下さんの言うことは、いつもどおりおかしいとこだらけでした。

橋下徹氏4月15日ツイートへの感想(後編)

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■ 「日本の識者は政策の実現プロセスを知らないから使い物にならない」などと

日本の識者の多くが政策を語っても、ほとんどが使い物にならない。それは政策の実現プロセスを知らないからだ。上山氏、原氏、古賀氏、高橋氏、竹中先生、山中氏、余語氏、池末氏、大庫氏、その他多くの府市特別顧問、参与は皆現実の政策実現プロセスを知った方々だ。そういう識者が日本にはもっと必要2012年4月15日 - 21:20
橋下さん自慢の「実現プロセス」なんて橋下さんが言い出して担当部署に検討させて議会政党と協議してとか、報道を見てれば誰でも知ってること。それとも我々一般人が知らない秘密のプロセスがあるのかしら?んなわけないよね。

グロービスの堀氏のような本で知り得る知識・提言くらいは、官僚組織は皆勉強している。それを超えるような助言が、今の日本には必要なのだ。その知識を持っている者として池田氏には興味があるが、少し自分の知識こそが絶対だという自己過信がある。 2012年4月15日 - 21:20

自分こそが賢く、他はバカだ。この認識を持つ限り、現実の政治行政への提言はできない。実際の官僚組織や識者の中には池田氏以上の知識の持ち主も山ほどいる。まあ皆それぞれ得意分野があり、全ての分野でナンバーワンの者などいない。知識人の多くは自分が全ての分野でナンバーワンと思い込む2012年4月15日 - 21:25
教授のマネジメント論は、課長用」「ブログ見ましたが府庁の主査レベル」とか他人を次々否定する人が何か言ってる

僕のような選挙で選ばれる公選職に、知識を求めるのは間違っている。僕は知識を習得する役割ではない。組織を動かす役割だ。池田氏は僕に数字の議論をと言うが、それは役割が違う。興味のある分野の本を読み漁り、責任のない立場で言いっ放す立場ではない。日々組織を動かしていかなければならない。2012年4月15日 - 21:32
これも思い込み。公選の政治家だらけの国会では各委員会で専門的知識で議論してます。またみんなの党のこないだの予算案なんか数字の塊です。 田中防衛大臣が知識で責められてるのも周知のとおり。


橋下徹氏4月15日ツイートへの感想(前編)

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■ 「インテリ識者は実現できる政策を提言できない」などと

自称インテリ層は現実の政治行政が分かっていないと言われるのが一番辛いところ。池田氏もそれらのインテリ層と同じく、だんだん非論理的になってきたな~。池田氏はマスコミの実務なんて要らないと言っている。これは何を実務と捉えるかについて大誤認。評論の対象と実務の関係を分かっていない。2012年4月15日 - 9:20
全然つらくない。世界中のインテリ(研究者・評論家)は基本的に研究言論オンリーだろう。橋下さんが勝手に行政を経験しないと何も言えないと思い込んでるだけ 。

池田氏はメディアでの仕事をした。だからメディアで発言した内容でなく、メディアでの仕事の仕方については、やはり実務経験がある。取材の仕方、記事の書き方、編集の仕方、放送の仕方。こんなこと僕がこうしたら良い、ああしたら良いなんて言えるわけがない。2012年4月15日 - 9:22
散々言ったでしょああしたらよいこうしたらよいって。こんな感じで↓ ほんと数日前に言ったことをすぐ忘れるね。
「こういう民主主義の当り前のルールが根付かない限り日本の政治は成熟しない。天下の朝日新聞の論説委員がこういうことを説く役割だ」4月6日
「 山崎崇氏、朝日新聞の社屋で人の悪口ばかり書いていないで、市役所に来なさいよ。堂々と論戦せよ。坪倉氏じゃ不十分だ」3月31日
「僕が昨日主張した事に関してきちんと反論できる記者を市役所に寄こしてくれ。記者はその場では反論できずに皆黙ってしまったのに、社に帰って急に声を上げるのは卑怯だ。朝日の山崎宗氏。落ち度を認めるべきだと見出しを使って主張した以上、市役所に来て僕と論戦して欲しい」 3月31日


その間もNHKから番組出演の依頼があったので謝ってくれたら出ると言ったのに、謝らないね~NHKは。大阪局長が挨拶させて欲しいとか、中途半端な手紙だったり。NHKの代表者からきちんと悪かったとと言ってくれば良いと言ってもう4年経つな2012年4月15日 - 9:39
捏造リストで橋下さん組合に謝らないけど、他人にはいつまでもいつまでも謝罪を要求するね。

識者は一般的な考えや見解を述べるの好きだ。書物で得た知識の披露が好きだ。しかし政策にも技術があるのである。そして政策の技術は、政策の中身そのものと言っても良い。だからその技術を経験していない者は、実現できる政策を提言できない。単なるアイデアレベル。2012年4月15日 - 9:45
教師の実務を経験してないのに教育を語り条例まで通した人が何か言ってる。やはりあれは単なるアイデア思いつきレベルだったか。

政策も同じ。勉強はいくらでもできる。しかしその政策を実現する、実現できる政策を打ち出すことは全く別問題である。僕も知事や市長になってプロの官僚集団と仕事をしてここが分かった。だから識者にもその経験を勧めているのである。特に自分の知識が完璧と思っている池田氏、堀氏には。2012年4月15日 - 9:54
世界中で行政未経験の専門家のアドバイスを参考にしてるでしょ。行政経験なくても大丈夫です。 

政策は言うだけではダメ。それは知識のご披露。政策は実現するもの。そうすると実現するプロセスや技術、実現するための課題を認識しておかないと実現不可能なアイデアの披露になってしまう。竹中平蔵先生の「闘う経済学」に良く表れている。日本の有識者、池田氏や堀氏が典型だが皆この状態。2012年4月15日 - 10:20
これも思い込み。たとえば私がいまサビ残の厳しい取り締まりとやくざ撲滅という案をだす。それはプロセス云々に関係なく実現可能。こんな感じで素人でもいくらでも実現可能なアイデアを出せる。いわんや識者をや。
 

橋下徹氏4月14日ツイートへの感想(後編)

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■「行政未経験の識者は具体案が出せない」「統治機構の作り直しが必要」などと

日本にはこのような頭でっかちの非実践の評論者しかいないのが弱点だ。 RT @YoshitoHori: 維新の会は、完全にズレている。今一番重要なのは、経済を活性化させ、雇用を生み出し、財政を立て直すことだ。大阪市長として、先ずは生活保護者数を減らせ。国政はその後だ。”@nikk 2012年4月14日 - 23:10
世界中の学者評論家は基本的に研究・言論オンリーでしょ。橋下さんが間違い。
 
経済活性化策、雇用政策、産業政策は広域でやらなければ対応できない。国の政策と自治体の政策も重複している。ゆえに産業政策を活性化させるためには日本の統治機構の作り直しが必要なのだ。基礎自治体は住民サービスの提供が第一使命。道州制を導入するしか地方による産業政策の実現は難しい2012年4月14日 - 23:19
広域でやったほうがいいなら国がやるべき。道州に分ける必要は無い。

道州制なんかやらなくても第三セクターや工業団地を見れば分かるとおり、「地方による産業政策の実現」は幾らでもやってきた。で大阪はいくつ破綻させたんだっけ。工業団地もガラガラだったりしますね。歴史が証明するとおり地方がやればうまくいくバラ色てのは幻想だ。

まずは大阪市政をしっかりやれという批判は、大阪市政改革と府市統合本部での取り組みを見てから具体的な指摘をして欲しい。グロービスの堀氏でもこの程度。日本の人材不足は非常事態だ。池田信夫氏と同じ匂いがする。自分の知識に酔い知れている。行政の現場を知らないままの妄言ばかり。2012年4月14日 - 23:20
具体的な指摘?ものすごく簡単。大阪名物やくざを無くすこと。それで生活保護ビジネスは無くなるだろう。なんで橋下さんや維新の会は公務員と先生はこれでもかと叩くけど、やくざ対策が無いんだろうか?それに世界中の識者学者インテリ評論家メディアは基本的に行政未経験。橋下さんの理屈だと、世界中が黙らないといけなくなる。それは明らかに間違い。

だいたい「大阪市政改革と府市統合本部での取り組みを見てから」て言うけど、でも入れ墨規制とか歳出削減とか、都構想じゃなくてもできそうなのばっかだ。都構想て不要では。

大阪都構想を実現するだけで関係法令200ほどの改正が必要らしい。それほど日本の統治機構は一部のエリアだけを切り離すことのできない強度の一体性を持っている。これをネットワーク型にするには統治機構の作り直しが必要だ。2012年4月14日 - 23:20
それやる間に、個別にさっさと重複行政解消したほうが早い。橋下市長誕生から数ヶ月、都構想に頭ひねってる間に水道事業統合なんかいくらでもやれたのでは?都構想という手段が目的化してないか

結局のところ、地方行政に自立性と責任を持たせ、切磋琢磨の中で財政規律と経済活性化を実現しようと思えば、国のかたちを変えるしかないのである。だからシャウプ勧告以来地方分権が叫ばれ続けて、しかし日本では遅々と進んでこなかった。地方を活性化させるためには国のかたちを変えなければならない2012年4月14日 - 23:33
何だこりゃ。4月6日には「地方は、国のルールで、厳しい財政規律のルールをはめられている」「国は赤字は青天井に垂れ流し。・・・ところが地方には厳格なルールがある」て言ってたのに。地方は厳しい財政規律があるのか無いのかどっちだ。ほんと日によって言うことがころころ変わる

大阪府市は自治体行政の中でやれるだけの雇用政策、産業政策をやっている。経済を活性化させよ、雇用を増やせという自称知識人に限って何のアイデアもない。池田信夫氏や堀義人氏には、机上のモノ知り知識の披露はもういいので、具体的な政策を一つでもいいから提言して欲しい。できるかな?2012年4月14日 - 23:37
ものすごく簡単。民間サビ残の厳しい取り締まりとやくざ撲滅。二つとも維新の会政策に無いけどなんで?
 
新規保育ママの人材バンク制度、学校外教育バウチャー制度は雇用にも繋がる。何と言っても市役所の外郭団体が独占的に抱えていた仕事を、原則全て競争入札制度とすることで民間に広く仕事を解放する。その他これまでやっている産業政策・雇用政策もしっかりとやる。池田氏、堀氏の具体的政策を期待する 2012年4月14日 - 23:44
具体策→(1)サビ残規制による雇用創出 (2)やくざ撲滅により地下経済に流れる金が無くなり表経済活性化 なんで公務員と教師をあれだけ叩く維新の会には、民間の違法サビ残対策と、あと大阪名物やくざ対策が無いんだ?たまたま?  

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■原発再稼動について 

しかし細野大臣。その法制は原発事故が発生していない平時のときの手続きです。平時の時は安全委の安全宣言なく再稼働をしても良いでしょう。しかし今回は原発事故が生じたのです。現行法制の前提条件が完全に崩れました。現行法制をそのまま適用しては絶対にダメです2012年4月15日 - 0:00
数時間前に「インテリたちは、自分の論こそが絶対的正義と妄信する。政策論については唯一の正解はない」て言ったのに、もう自分が絶対とか言ってる。なんだこりゃ。他人の絶対は妄信だけど自分の絶対は妄信ではないということか。

細野大臣。国民は政治家の政治決定の真実の過程を知れば、それなりに納得します。2012年4月15日 - 0:16
知事時代に情報公開請求されたメールを削除した人が何か言ってる。

それ最悪の教授ですね。勉強不足。学校の目標は校長と保護者で作り、教員評価も校長と保護者でやります。RT @apric0tjam: @t_ishin この間大学で、橋本さんは学級のテストの平均点の高さをそのまま教師の評価にし、点数の低いクラスの教師を最悪クビにするような制度にしよ 2012年4月15日 - 0:23      
昨日13日に「目標は政治が決めるべき。そしてその目標を達成する手段は専門家に任せるべき」て言ったけど、教員評価という「手段」も口を出してるってことか。ほんと毎日矛盾するな。

これのことか。「教員の適格性については、保護者に申し立て権を与え、学校側が申し立て内容の妥当性を認めた場合には、教員が指導研修を受ける制度にするという」     
http://www.asahi.com/politics/update/0208/OSK201202070214.html
目標だけでなく手段まで手を出してますね。

橋下徹氏4月14日ツイートへの感想(前編)

橋下氏ツイートと感想

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■「政治は日銀や教育委員会に口を出すべき。政治家なら失敗しても国民が納得するから」などと

このような批判をする人に限って大阪市政改革の中身を何も見ていない。しかもリツートが池田信夫氏による。普通の自称インテリ層と同じか。残念RT @takuboyoshihiko: この人は何がしたいのかな?国政云々の前に大阪市の改革をちゃんとしないとね。  大飯再稼働、橋下市長「民。2012年4月14日 - 19:12
今のところ歳出削減とか入れ墨の件とか、都構想じゃなくてもできそうなことばかり。やっぱり都構想要らないんじゃ?橋下さんが当選して数ヶ月、都構想をあれこれ練ってるみたいだけど、その間に普通に水道事業統合も進められたのでは。どうも都構想自体が目的化してる気も。

池田信夫氏のための統治論入門。インテリたちは、自分の論こそが絶対的正義と妄信する。政策論については唯一の正解はない。時代や時の情況によっても正解が刻々と変わる。2012年4月14日 - 19:18
自分が絶対絶対言ってるのを忘れてるのか>「ゆえに委員会の安全性に関するコメントが絶対に必要」「実体面がどうであれ、価値中立である手続きは絶対に死守しなければならない」
 
現行の教育委員会制度は、首長が委員を任命すると、あとは完全な白紙委任である。朝日新聞が好きなフレーズだが、選挙によって白紙委任をしたわけではないと同じように、首長も教育委員を任命する際に白紙委任ではない。ところが現行の教育委員会制度は白紙委任である。ここがおかしいと問題提起した。2012年4月14日 - 19:26
白紙委任じゃない。橋下さん自身が教育委員と何度も議論して自分の意向を押し通してる。最終決定権が首長でなく教委にあるというだけ。

大阪維新の会が成立させた教育基本条例に関しては、教育への政治介入だと散々批判された。政治は常に悪モノ。正しい判断ができない存在。その批判は甘んじて受ける。これは政治が信用されるような態度振る舞いをしてこなかった結果。しかし専門家も常に正しい判断をするわけではない。2012年4月14日 - 19:27
日本においては過去に政治が教育を完全支配した時代があって、それを繰り返さないように生まれたのが現行の教育委員会制度。つまり「政治は常に悪モノ」というより、「日本の政治は教育にとって悪モノ」ということ。「日本の政治」はなるだけ教育への干渉は控えなければならない。それが歴史の教訓

教育について見て欲しい。ゆとり教育は、国民の9割以上は失敗だったと思っている。未だに成功だったと言っているのは旗を振った寺脇氏だけであろう。理念は高尚でも、教育現場に全く合うものではなかった。うちの子どもも苦労している。2012年4月14日 - 19:29
「思っている」じゃダメ。データや資料に基づいて話をしないと思い込みかもしれない。

私立はゆとり教育に騙されなかったので、義務教育では公立に通う子と、私立に通う子で大変な格差が生じただろう。文科省の官僚が、自分の子どもは私立に通わせていると聞くが、もう日本も末だ。元へ。このゆとり教育に関して、誰に文句を言えば良いんだ?2012年4月14日 - 19:32
これも格差が生じた「だろう」じゃなくデータ資料を出すべき。例えば東大進学率を見ると、私学の躍進はゆとりと関係なく昔からのこと。また実はゆとり世代の方が、公立が健闘してることも分かる。

もし政治がゆとり教育を高らかに声を上げ、僕もそれに一票を入れたなら、最後は自分の責任だと諦めが付く。民主党の政権交代で、色々なことが起き、様々な批判が起きているが、しかし有権者は最後は自分が選んだのだからと納得せざるを得ない。これが民主主義の統治だ。2012年4月14日 - 19:34       
ゆとり教育の始まりは中曽根内閣の私的諮問機関であるあの臨教審だと聞く。まさに政治が高らかに歌い上げたわけだ。てことは政治家の失敗は納得しないといけないという橋下理論に従えば、 橋下さんも 文句を言わずに納得しないといけない。

首長の掲げる教育目標は、教育振興計画である。教育委員会と協議を尽くすが最後議論が決裂した時には首長が決定する。その計画を達する手段は専門家である教育委員の裁量だ2012年4月14日 - 19:42
この人は、学力テスト公開とか学校選択制のように、自分が目的だけでなく手段内容まで踏み込んでるという自覚が無いのか?
 
専門家が自分の考えで政策を推し進め、それがうまくいかない場合、有権者は納得しない。これが現在の公教育の状況だ。また専門家への白紙委任だと、失敗した時の責任を一身に背負うため、常に保守的な思考となる。政治家は、最後は有権者に選ばれたということで挑戦ができる2012年4月14日 - 19:45

政治が専門領域に何でも口を挟めるのはまずい。しかし一定の大枠をはめることは、政策の失敗の責任を、その納得感を有権者に持ってもらうために必要なことだ。2012年4月14日 - 19:46                    

金融緩和論の是非については専門家も交えて大いに議論すれば良い。池田氏の考えが唯一絶対の正解ではない。色んな考えがあるなかで決定し、失敗したときは有権者に納得してもらうことが民主主義の統治の基本である。2012年4月14日 - 19:50
政治家が失敗しても納得しない。例えば企業が経営失敗したら、株主は自分が総会で信任した経営陣だろうが納得しないで責任を問う。それと同じ。イラク侵略したブッシュを米国民は最初は持ち上げたけど、あとで叩いた。それと同じ。この人は「政治家の失敗は国民が納得できるから、教育にも日銀にも政治介入してよい」と言いたいようだが、その理屈は通らない

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■北朝鮮のミサイル

北朝鮮の人工衛星=ミサイル問題だが、今の日本のメディア以上に政府の情報収集能力、発信力を求めるのは酷かもしれない。日本の大手メディアには就職戦線の勝ち組が集まり、とてつもないカネをかけて体制を整えている。政府がこれに勝とうと思えば、それだけの人とカネが必要だ。それは無理だ。2012年4月14日 - 19:53
橋下さんは「日本の大手メディア」はどこから情報を仕入れたと思ってるんだろうか。
 
しかしミサイル発射情報なんて後で間違っていても謝れば良いだけじゃないか?とりあえず即時に情報提供。間違っていたら謝罪。こんなの打ち込まれて死傷者が出たら取り返しがつかない。ここが官僚と政治家の発想の違いだと思う。2012年4月14日 - 20:00
株式市場が開いててそこに重大な誤報が来たら?

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■君が代で赤川次郎氏への反論

14日の朝日新聞の声で赤川次郎さんからお叱りを受けた。君が代起立斉唱条例について価値観を押し付けるなと。しかし、義務教育の卒業式の場で、全員が起立して君が代斉唱する際に、あえて着席することも価値観の押し付けである。人間の意図的な行為は全てが価値観の表れでもある。2012年4月14日 - 20:16        
橋下さんは全ての行為が押し付けであると言いたい、押し付けの意味を拡張したいようだが、しかしそれらは普通ただの「表現」「表明」と呼ばれるものであり、憲法が自由を保障している。橋下さんが全ての表現を押し付けと呼び変えたところで、その種の押し付けは憲法で自由が保障されてますと答えるだけ。例えば生徒や保護者の不起立は許されている。つまり不起立という「押し付け」の自由があるということ。
 
入学式や卒業式で君が代を起立して斉唱すると言うのは大阪市民の価値観だ2012年4月14日 - 20:24
間違い。過去の斉唱率で分かるとおり、君が代斉唱しないのが大阪市民の価値観です。そこに突然文科省からの強制が降りてきただけ。    

しかも条例成立の前に、教育委員会が既に起立斉唱を決定しています 2012年4月14日 - 20:30
文科省に言われたからやってるだけ。文科省の全国一律教育行政を批判する橋下さんが、文科省行政の典型である君が代を熱烈に擁護するという矛盾。ここでも矛盾。

赤川さんの価値観を大阪府民、市民に押し付けないで下さい。 2012年4月14日 - 20:34
思想信条の自由は赤川さん個人でなく人類普遍の価値観。でそれを制限したいなら、制限するだけの理由が必要でしょう。アメリカでは教師の拒否を認める州法がある。またイスラエル首相は国歌を歌わなかった最高裁判事を支持した。ではなぜ橋下さんは不起立も不斉唱も認めないのか、制限する側が説明しないといけない。赤川さんは人類普遍の権利を主張してるだけで説明する必要は無い。

(後編に続く)

【震災デマ】辻元氏やピースボートが物資を止めたor横流ししたというデマ

デマ例
4. 名無し様@ぴろり2ch:2011年04月06日 22:29返信
  ありがとう、アメリカ。
  いいかげん、非常事態宣言出せ。
  自衛隊がもっと動きやすくなるだろう。
  それから辻元の団体の物資の横流しを
  国会で追及するべき。
http://pirori2ch.com/archives/1505473.html


21名無しさん@十一周年[]   投稿日:2011/04/09 10:30:45  ID:JWVAT6xl0
結局、いわき市への物資は止まったままか

22名無しさん@十一周年[]   投稿日:2011/04/09 10:30:51  ID:JCcdwuD00
>災害ボランティア活動担当辻元清美が配下組織ピースボートを使って支援物資を横流し。
>http://ameblo.jp/barrett-m82/entry-10845882163.html >http://mar.2chan.net/nov/35/src/1301646722275.jpg 
いわき市競輪場に大量の物資が山積み 行く先を待っている http://www.nicovideo.jp/watch/sm14025412
支援物資を止めてる奴がいるらしい http://www.nicovideo.jp/watch/sm14026778
3月30日(水)東日本大震災 いわき 物資 競輪場 http://www.youtube.com/watch?v=ntXtBzWWzpU http://www.youtube.com/watch?v=Neh6o99w_ps#t=02m40s
隣のたいらには山ほどあるんです。
【拡散!!】 国賊・辻元清美が災害支援物資を横領した可能性 http://www.youtube.com/watch?v=TBeMD8a-Y2Q 

 http://desktop2ch.tv/newsplus/1302312307


301:可愛い奥様:2011/04/05(火) 10:37:28.83 ID:YzItwSiL0
意により集まった膨大な支援物資。
しかし辻元大臣の妨害で運び出しが「不可」となっている。
ボランティの人々が運ぶと申し出ても拒否されたそうだ。http://www.youtube.com/watch?v=ntXtBzWWzpU
http://toki.2ch.net/test/read.cgi/ms/1300259115

デマの根拠、きっかけ 
(1)あるサイト
とんでもない情報が入ってきた。これは複数筋の情報から得た確証だ。 ・・・情報一つは、支援物資を輸送しているトラックに対し、政府筋から連絡を受けた役場の職員が個別に足止めを各地でしているというのだ。彼らは訳を知らされていないが、それぞれに道路事情のことではないかと納得していたようだ。しかし、中には既に道路が復旧し終えている地域も含まれている。結果として、いくつかの役場の集積場に配られることのない支援物資が山積みされている。

さて、辻元閣下のピースボートだが、今東京から順次ボランティアを送り出し始めている。そのボランティアの目的地がなんと、ピンポイントで件の集積場とぴったり重なっている。 以上の情報から総合的に判断すれば、この物資の停滞はピースボートを現地の救世主に仕立てるための自作自演劇だと言うことが分かる。ピースボートに参加している末端のメンバーはこのことを知らない。あくまでも、辻元や湯浅の周囲で画策してきたことだ。 民主党は被災者の人命を犠牲にして、自分たちのパフォーマンスを飾ろうとしている。無論、延期した現地の地方選挙の対策であり、今後の左翼運動のためである。とことん腐った連中ではないか。
http://tinymsg.appspot.com/YoL1
https://web.archive.org/web/20140410161213/http://www.nikaidou.com/archives/12013
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1359167038

  あるブログ
2011-03-30 15:00:41
辻元清美らの悪行!裏がとれたぞ!
テーマ:ブログ

新しい情報が入ったぜ!前回、辻元の団体「ピースボート・ジャパン」が被災地への救援物資を足止めしていたらしいの記事を書いたのだが裏がとれていなかった。
「辻元清美の黒い噂」
http://ameblo.jp/barrett-m82/entry-10842339089.html 
しかーし! たった今入った情報は現場に居合わせたと見られる人物もしくは
当事者と交友のある人物からの投稿だ。
非常にリアリティがあり、つじつまがあう。 「慎重に」との声もあるだろうが載せます。
ココから ↓
(以下略) 
http://web.archive.org/web/20110403082622/http://ameblo.jp/barrett-m82/entry-10845882163.html
http://ameblo.jp/pepsicoara/entry-10846516159.html

(2) 梅沢富美男氏の「ミヤネ屋」における発言
一部書き起こし
梅沢「僕も(いわき市に?)行ったときにあまりに(物資が)あるので、すいませんじゃあ僕はガソリンがありますから、僕が運びますから、僕に預けて下さいと言っても、許可もらわないとダメなんですよと」
 
(3)物資集積場であるいわき市競輪場の動画いわき市平文化センターの食料配給動画 
前者動画は競輪場の物資。2:45~に「いかなる理由だろうと全く物資が届いていない」と字幕。
後者は配給告知(食料、水とも1人一つ)と、サトウのご飯2パック、ペットボトル2本の水。この二つの動画が「物資が沢山あるのに止まっている。被災者に届いていない」というデマに結びついた。

どうデマか
(1)について、「あるサイト」「あるブログ」の記述にはソースが無い。また明らかな間違いがある。
 ピースボートの活動報告書を見ると、震災での活動は以下の通り
(社)ピースボート災害ボランティアセンター(PBV)
東日本大震災 緊急支援
中間活動報告2011.3.11→8.31

○炊き出し&物資配布 石巻市、女川町、東松島市内36地域(避難所含む)など
○避難所への支援 石巻市、女川町、東松島市内60ヶ所
○ヘドロが入り込んだ建物や町の清掃 石巻市内20地区
○漁業支援 石巻市内12地域
○産業復興支援 雄勝町
○仮設住宅への支援 女川町27地域
○教育・文化・音楽・スポーツイベント 石巻市で12回
○福島子どもプロジェクト(夏休み、南相馬の中学生がアジア各国で国際交流)
○講演・イベントなど 53回
○募金
http://pbv.or.jp/download/other/20110311_0831_PBV_report.pdf
よって「あるサイト」の「辻元閣下のピースボートだが、今東京から順次ボランティアを送り出し始めている。そのボランティアの目的地がなんと、ピンポイントで件の集積場とぴったり重なっている 」は間違い。また「あるブログ」の方も、いろいろ書いてあるが結局ソースが不明。 唯一乗せてあるURLは「あるサイト」であり、これは間違いなのでソースにはならない。なおこの「あるブログ」では筆者が後でこう言った。
彼らの名誉のためにこれを書く、だけど発端は俺。 覚悟している
2011年04月02日(土) 00時54分09秒
テーマ:ブログ

皆さん、こんにちは。
そしてニコニコ動画を御覧になっているみなさん、はじめまして
発端となった張本人のスミスです。
 辻元清美氏について twitter で得た情報を拡散させたのは俺です。はじめその”つぶやき”を見て 怒りにまかせて情報を精査せず自分のブログに辻元氏が悪いかのようなi印象を与える記事を載せてしまったのは軽率であったと思っています。 言い訳はしません、覚悟はしています。
http://ameblo.jp/barrett-m82/entry-10848659609.html

(2)について、梅沢氏自身がブログでデマを否定した。
2011年03月31日(木)
無責任なリツイート

今日の僕のミヤネ屋での発言にコメントをたくさんいただきました。
賛否両論あるとおもいます
(中略)
それがいつの間にかツイッターの世界では僕が訴えたこととは違うことがどんどんりツイートされているようで驚きました。
これでは訴えた意味がありません。
僕は誰かが故意に物流を止めているとは一言も言っていません
よく考えてみてください。今、この日本の状況で故意に荷物を止めようなんて
思う人間がいること自体殺人行為です。
絶対許せることじゃありません
どこかの政党が物資を止めている。
どこかの団体が流通を止めている
そんな事実ありえないでしょう。
もし本当にそんなことがあるとわかったら
僕は誰に止められても実名を出して訴え続けます
http://ameblo.jp/umeza-watomio/archive1-201103.html

(3)について、いわき市自身がデマを否定した
支援物資の受け入れについて
更新日 平成23年4月1日
このたび、インターネット動画サイトに、避難所等の方々に「全く物資が届いていない」との投稿がありました。これは、実態を正しく報道したものではありません。現在、本市においては、東北地方太平洋沖地震に際し、国や県等の自治体、また、多くの個人の方々から水や食料、毛布等の支援物資が多く寄せられており、避難所にいる方や要援護者などの市民の皆様のほか、周辺自治体から避難されている方々、さらには、福祉施設や病院等に支援物資を配布しているところであります。また、支援物資につきましては、飲料水、毛布は十分な数を確保できておりますので、現時点では受け入れを中止させていただいております。 
なお、以下の物資については、団体(法人、地域団体等)に限り、受け入れております。 
今後も、被災者等の生活支援に、市民・職員一丸となって取組んで参りますので、御支援をよろしくお願い申し上げます。
お願いする支援物資
○ 缶詰(おかず等)
○ レトルト食品(お粥、カレー、おかず類等) https://web.archive.org/web/20110407194258/http://www.city.iwaki.fukushima.jp/koho/010790.html

また産経新聞もデマを否定する記事を載せた
ネットの噂と乖離した被災地の実態 福島・いわき市
2011.4.5 15:03 (1/2ページ)

4月2、3日の両日、東日本大震災で大きな津波被害が出た福島県いわき市を取材した。ツイッターでは「原発の風評被害で物資が届かず、避難所で餓死者が出そう」といった投稿が行われ、YouTubeでは全国から送られた支援物資が市内の競輪場に山積みとなる映像が投稿され、ネット上で「市役所が仕分けをできず、市民に行き渡っていないのでは?」と今も話題になっている。ネット上でウワサがはびこるのは、現状が正確に伝わっていないことが一番の原因のようだ。直接足を踏み入れると、ネット上の情報とは大きく乖離(かいり)した現実があった。 近くにある市役所四倉支所の責任者は「ここに物が山積みになっていて『なんで渡さないんだ』と怒鳴り込んでくる方もいた。ただ、食料や飲料水は避難所や高齢者世帯へ搬出している。この場でだれにでもに配ると、届けるべき人たちへの物資がなくなる可能性がある」と説明する。そして「市内はコンビニも開き始め、地区からスーパーに向かうバスも出ている」。 物流本部にいた同市財政部の責任者が取材に応じ「先週まではかなりの物量があったのは確かだが、物が集中し、どうしようもなくストックしているわけではなかった。当初からボランティアの力を借りて24時間体制できちんと仕分けし、適時、避難所へ搬出している」と、品物によって区分された物資の配置表をコピーしてくれた。実際、物資を積んだトラックは到着し、自衛隊員があくせくと動いて続々と物資を搬出していく。
http://blogs.yahoo.co.jp/taediumvitaetantpis/60924271.html
https://web.archive.org/web/20150301144645/http://www.logsoku.com/r/liveplus/1301994411/

また(3)の食糧配給動画で量が少ない件については、  これは避難所向けでなく自宅被災者向けだからと考えられる。動画内の配給が自宅被災者向けとする根拠は次の通り。
・配給場所が建物の外である。
・市民の皆様へと書いてある。
・物資が無くなり次第、終了と書いてある。もし避難所分なら全員分確保するはず。
・動画説明文で「最近まで遠隔地で避難生活をしたいた私は故郷のいわき市へ帰省し被災地生活が始まった」とあり、表現から自宅生活ではないかと推測できる。

もし自宅被災者向け配給なら、量が少ないのは仕方ない。避難所でなく自宅にいるということは、ある程度自活能力があると判断されるからだ。動画は3月26日夕方のものだが、28日には市が一般向けの配給終了を発表している。
「市民の皆様に対する食糧等の配布」の終了及び高齢者等への食糧配布の支援について
更新日 平成23年3月28日

市では、生活物資に関し、被災地における安定的な市内物流が確保されていないため、避難所以外においても、行政嘱託員(区長)、民生委員、消防団など地域の方々のご協力をいただきながら、市民の皆様に対する食糧等の配布を実施してきたところであります。

一方、災害発生後2週間が経過し、未だ十分に安定した状況とは言えませんが、ガソリンの供給が徐々に増えはじめ、市内のスーパーやコンビニエンスストアなども徐々に再開しつつあります。

このようなことから、市といたしましては、市民の皆様に対する食糧等の配布を終了し、今後は、地域の方々のご協力をいただきながら、特に、買い物に行けない事情がある方々や一人暮らしの高齢者など、地域において日常生活の支援が必要な皆様に、食糧や生活用品等の物資をお届けするなどし、また、併せてそうした方々の見守りも行うための取り組みを実施することといたします。

市民の皆様のご理解とご協力をお願いいたします。
https://web.archive.org/web/20110517024323/http://www.city.iwaki.fukushima.jp/koho/11081/010595.html

この発表で分かるとおり、三月下旬当時、いわき市内の物流や小売は回復しつつあった。だから自宅被災者はまずそちらを利用すべきで、物資は避難所や交通手段の無い高齢者など、もっと困っている人向けに確保しようとの判断だろう。

そもそも、物資集積場に物資が積まれているのは当然である。例えば宅急便の倉庫に荷物が積まれていても、それを荷物が止まってるとか故意に止められているとは言わない。そこに置いて発送準備をしているだけだ。いわき市は人口33万人もあることを考えれば、物資が大量に置かれていて何らおかしいことではなく、止まっているわけでもないだろう。

橋下流地方分権論「消費税の地方税化、地方交付税廃止」は地方にとって得か

橋下市長が4月6日ツイートでこう言っている。
大阪維新の会は「消費税の地方税化、地方交付税廃止、消費税を上げるかどうかは地方判断。」この方向性を選挙で訴えるべきとの考えだ。 

では橋下さんの言うとおり地方交付税から消費税にしたら、都道府県の収入はどう増減するか。
いま消費税5%のうち1%分は「地方消費税」という名目で都道府県の収入になっているので、もし5%全てが地方移管されるなら、いまの5倍の金額が都道府県に入ることになる。また地方消費税は半分を都道府県が取り、残り半分を管内市町村に分けている。よって5倍した額を2で割れば都道府県の取り分(残りが市町村の取り分)となる。数字は2009年度のもの。

----------------------------------------------------------------------------------- 
北海道 地方交付税6902億円→消費税2718億円 ※消費税=地方消費税1087億円×5÷2
青森   2096億→ 646億 (地方消費税258億 以下同じ)
岩手   2139億→ 613億 (245億)
宮城   1725億→1114億 (446億)
秋田   1827億→  511億 (204億)
山形   1719億→  529億 (212億)
福島   2114億→  928億 (371億)
茨城   1667億→1317億 (527億)
栃木   1279億→  977億 (391億)
群馬   1308億→  952億 (381億)
埼玉   1852億→2917億 (1167億)
千葉   1579億→2502億 (1001億)
東京     ゼロ→8026億 (3210億)
神奈川    517億→3748億 (1499億)
新潟   2891億→1127億 (451億)
富山   1157億→  494億 (198億)
石川   1171億→  569億 (228億)
福井   1090億→  394億 (158億)
山梨   1115億→  419億 (168億)
長野   2153億→1089億 (436億)
岐阜   1664億→  963億 (385億)
静岡   1484億→1888億 (755億)
愛知     412億→3704億 (1481億)
三重   1292億→  810億 (324億)
滋賀     917億→  574億 (230億)
京都   1544億→1318億 (527億)
大阪   2912億→4362億 (1745億)
兵庫   3077億→2411億 (964億)
奈良   1315億→  535億 (214億)
和歌山  1417億→  411億 (164億)
鳥取   1131億→  280億 (112億)
島根   1620億→  334億 (134億)
岡山   1577億→  817億 (327億)
広島   1848億→1353億 (541億)
山口   1620億→  580億 (232億)
徳島   1342億→  348億 (139億)
香川     954億→  472億 (189億)
愛媛   1627億→  615億 (246億)
高知   1562億→ 352億 (141億)
福岡   2766億→2398億 (959億)
佐賀   1242億→  382億 (153億)
長崎   2123億→  642億 (257億)
熊本   2132億→  851億 (340億)
大分   1602億→  545億 (218億)
宮崎   1724億→  524億 (210億)
鹿児島  2739億→  744億 (298億)
沖縄   1899億→  523億 (209億)

地方交付税はp136 地方消費税はp142
----------------------------------------------------------------------------------- 
これで分かるとおり、田舎ほど収入が減り、都市部ほど収入が増える。橋下さんの大阪や、その他東京愛知などは1000億単位で収入が激増する。

これが橋下氏が言う地方分権地方自立なのだろうか。大阪や東京は労せず収入が増えて万々歳だろうが、北海道青森や鳥取のような本当の意味での「地方」は、手厚い地方交付税を取り上げられて収入が激減する。これでやっていけるのだろうか。

そういう懸念について、橋下さんはこう言う。
新たな財政調整制度を作ります。(4月8日ツイート)
地方の税収間格差は地方交付税制度に代わる新しい調整制度を作れば良い。(4月9日ツイート)

しかし仮に税収を調整するとして、それなら今の地方交付税制度と何が違うのだろうか。調整の結果今の地方交付税と同じ金額になるなら制度をいじる意味が無い。 今と金額が変わるのなら、やっぱり大阪(など大都市部)有利ということだろう。

橋下さんが地方分権地方分権と連呼しているのを聞くと、地方にとってそれは利益であるかのように聞こえる。しかし橋下さんはなぜかこうも言う。
消費税の地方税化、地方交付税の廃止は、国会議員、霞が関、そして全国の地方自治体と大戦争しないと実現できない話し(4月6日ツイート)
消費税の地方税化、地方交付税廃止なんて、地方自治体が賛成するわけないじゃないか!。(4月6日ツイート)

橋下流地方分権論がその言葉の響きどおり地方の利益になるなら、なぜ全国の地方自治体と大戦争する必要があるのだろうか。なぜ地方自治体が賛成するわけないのだろうか。どうやら橋下さん自身が「地方交付税廃止、消費税の地方税化」という橋下流地方分権論は、実は地方に損だと分かっているようだ。

【震災デマ】仮設住宅建設が遅かったという誤解

兵庫県によると、阪神のときの仮設完成には地震から7ヶ月弱かかった。
阪神・淡路大震災にかかる応急仮設住宅の記録(H12・8)兵庫県県土整備部

8月11日には大阪府下の4市を含め、18市11町(634団地)に合計48,300戸を完成させた。(p9)
http://web.pref.hyogo.jp/wd33/documents/000037459.pdf

今回はどうだったか。国交省住宅局の「応急仮設住宅 着工・完成戸数の推移(平成24年3月11日現在)」をみると、8月中に48000~49000戸が完成している。つまり6ヶ月弱。阪神よりひと月早く同じ戸数を完成させている。さらに今回は下の岩手日報記事のように津波のせいで土地探しから始まったことを考え合わせると、仮設建設は遅かったどころかかなり早かったと言える。
県内の仮設住宅建設進まず 資材や用地確保難しく
岩手日報2011・4・7

東日本大震災で、仮設住宅の建設が進んでいない。県内は1万8千戸の目標に対し、現時点の着工予定戸数は2500戸にとどまり、全体の完成時期も未定。合板など必要資材の供給見通しが立たないほか、建設に適した平地が被災して場所の選定が困難となっていることが要因だ。国と連携して資材確保を急ぐとともに、用地確保に向けて民有地の活用や近隣自治体への建設など県と市町村の調整も必要となる。

資材確保に加え、建設できる土地が不足していることも課題。山田町と大槌町は計5千戸を必要としているが、現時点で用地が確保できているのは800戸のみ。両町とも中心部が壊滅的な被害に遭い、山あいなど日常生活に適さない土地しか残っていないためだ。
http://www.iwate-np.co.jp/311shinsai/sh201104_1/sh1104072.html

また仮設の「初動」が遅かったという批判もある。例えば自民党小野寺議員
今、仮設住宅は、実は本当におくれております。ちょっとパネルを見てください。実は、この間、大畠大臣に地元に来ていただきました。視察をしていただきましたが、恐らく大臣もまだ全体をお感じになっていないと思うんです。役所からはいろいろな数字が上がってきます。先ほど安住議員の紹介もありました。ですが、今現在できているのは、東日本大震災で今現在、四十三日後、おとといです、実際に住めているのは全体で五百七十五なんです。全体で五百七十五しかないんです。阪神・淡路のときは、もうこの時点で七千建っているんです。なぜこんなに遅いのか。(昨年4月26日 衆院予算委員会)

これも津波で用地選定から始めなければならなかったことを考えれば、やむを得ないだろう。

【震災デマ】政府が電池を買い占めた、あるいは止めていたというデマ

■デマ例
(1)政府が電池を買い占めている
430 : 名無しさん@十一周年 : 2011/03/17(木) 22:27:24.84 ID:9vAXbm7m0 
乾電池を買い占めてるのも政府 

819:本当にあった怖い名無し:2011/03/22(火) 18:06:16.72 ID:BrqA8k0l0
電池を買い占めてるのは民主党だしなぁwもうちゃんと送ったのかな。 
自分たちで送れないなら、自民党とか都とかで救援物資集めてるからそこに渡してくればいいのにね
  
(2)危機管理センターに電池が山積みである。
5:うさぎ追いし名無しさん 03/18(金) 00:00 b6XjBpN5 
東北地方太平洋沖地震 - 救援の電池 被災地に送られず 
政府の危機管理センターに在庫山積み
です!!!!!!  

(3)政府が電池を止めていた
25 :無党派さん:[]2011/03/24(木) 10:00:28.01 ID:MI05BgkB
被災地向け電池190万個を止めていたのは民主党政権だった。 
http://www.youtube.com/watch?v=JUdIfIh692U&feature=player_embedded 


■デマが一応根拠とするもの
youtubeのNHKニュース動画。「【拡散】被災地向け電池190万個を止めていたのは民主党政権だった」というタイトルがついている。以下書き起こし 
東北関東大震災で、電池メーカーで作る業界団体は、政府が被災地に送るための電池を190万個準備したものの、現地にはわずかしか送られていないことが分かりました。東北関東大震災で、国内の電池メーカーで作る電池工業会は、東北関東大震災の被災地に、乾電池120万個と充電式の電池70万個の合わせて190万個を救援物資として提供する準備を整えています。これらの物資は政府の危機管理センターが被災地に送ることになっていますが、実際に送られたのはわずかにとどまっています。これについて政府は、「支援物資は自治体の要請を受けて送るのが原則だが、今のところ要請が無い」などと説明しています。しかし被災地の自治体は避難所の対応や行方不明者の安否確認などにおわれる一方、庁舎に被害が出て行政機能に支障が出ているところも多数あるのが実情です。メーカーの中には、現地の事情を考慮し、いち早く独自に輸送ルートを確保して被災地に送る動きが出ており、必要な物資を確保しながら迅速に遅れていない政府の対応に疑問の声が出そうです。


■どうデマか
(1)政府は電池を買い占めてない
ニュースにあるとおり、電池工業会が提供準備を整えてるだけ。例えば同工業会会員パナソニックの地震翌日プレスリリース
2011年3月12日
東北地方太平洋沖地震の被災地・被災者への支援について

パナソニックグループは、3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震による被災者の救済および被災地の復興に役立てていただくため、義援金として3億円を贈るとともに、支援物資(ラジオ1万台、懐中電灯1万個、乾電池50万個)を贈ることを決定いたしました。 
http://news.panasonic.com/press/news/official.data/data.dir/jn110312-1/jn110312-1.html
これは政府の買い上げでなく企業の無償提供だろう。

(2)危機管理センターに山積みではない。
これは首相官邸の危機管理センターのことだろうが、これは官邸地下にあって指揮を執る施設。そこに電池を何十万個も運び込めない。また(危機管理センター以外の)倉庫に放置とするデマもあるが、そもそも上のニュースやプレスリリースを見ても、現物電池がメーカー倉庫から政府管理下の倉庫に移動したという話は出てこない。 現物電池はメーカー倉庫にあるままで、被災地に送る準備をしていたと考えるのが妥当だろう。

(3)故意に止めた、送らなかったのではない。
ニュースで「支援物資は自治体の要請を受けて送るのが原則」とあるように、防災基本計画では
防災基本計画
平成20年2月
中央防災会議

非常本部等は,調達,供給活動に関わる総合調整及び計画の作成等を行うほか,必要に応じ,又は被災地方公共団体からの要請に基づき,関係機関に対し,調達,供給活動の要請を行うものとする。(p43)
被災地方公共団体及び各省庁は,供給すべき物資が不足し,調達の必要がある場合には,物資関係省庁〔厚生労働省,農林水産省,経済産業省,総務省〕又は非常本部等に物資の調達を要請するものとする。(p44)
http://web.archive.org/web/20110323074804/http://www.bousai.go.jp/keikaku/090218_basic_plan.pdf

と、被災地が要請して政府が送ることになっている。また経産省の地震後3月19日発表「東北地方太平洋沖地震に係る支援物資について」の表3「緊急災害対策本部を通じた支援フロー」で同趣旨の手順が書いてある。
平成23年3月19日
東北地方太平洋沖地震に係る支援物資について

要請無しに物資を送ると、被災地のニーズと合わない可能性が出てくる、あるいは輸送手段が限られた震災直後の段階で手当たり次第に物資を運ぶと、そのあおりで被災地が要望するものが届かない恐れがある、ということか。
 

■その他の政府批判について
・非常時なのにマニュアル主義ではいけない
防災基本計画は非常時のためのマニュアルなので、非常時のときこそ活用したほうがよい。

・被災地は連絡手段が破壊されて要請できない
間違い。例えば岩手県は震災翌日の3月12日21時分から、自治体ごとの被災状況と物資要望などをまとめている。
つまり個々の市町村と連絡は取れていたわけだ。またそこで確認できる物資要望内容は3月12,13日両日分だけだが、うち電池は5件
平成23年3月12日21:00
ニーズ情報
釜石市「懐中電灯(電池込で)300」「単2乾電池12本(ふたば小)」
山田町「単1~3乾電池」
http://web.archive.org/web/20110602014854/http://www.pref.iwate.jp/~bousai/taioujoukyou/1103122100hinansya_kyuenneese.pdf

3月13日16時
ニーズ情報
田野畑村「電池 単3、 単1 各200個」
http://web.archive.org/web/20110602014847/http://www.pref.iwate.jp/~bousai/taioujoukyou/higaijoukyou0313_1600.pdf

3月13日21時
ニーズ情報
大船渡市 「電池(単1、単2、単3)それぞれ500個」
http://web.archive.org/web/20110602014844/http://www.pref.iwate.jp/~bousai/taioujoukyou/1103132100hinansya_kyuenneese.pdf

震災直後は電池需要は多くなかったことが分かる。また被災地ではないが「姫路市災害対策用備蓄物資一覧表」(平成21年4月)の例を見ると懐中電灯、ラジオとともに電池も準備していることがわかる。
姫路市災害対策用備蓄物資一覧表 平成21年4月1日現在

日用品 
懐中電灯(単一電池2ケ含む) (本) 
総数2,485 
中央南部備蓄倉庫460 
東部備蓄倉庫560 
西部備蓄倉庫640 
中央北部備蓄倉庫570 
北部備蓄倉庫91 
網手備蓄倉庫28 
夢前町莇野水防倉庫19 
夢前町宮置防災倉庫17 
香寺町香寺事務所南書庫上100
http://www.city.himeji.lg.jp/var/rev0/0016/5633/7-1.pdf

これと同様に被災地自治体が備蓄していた電池もあっただろう。
 
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