まずその発言
「すごい日本」ブーム…底流には何が? 2015年04月12日 08時25分
無邪気な自画自賛…萱野稔人・津田塾大教授
政府は来日外国人旅行者数1000万人を目標にしていたが、2013年、いとも簡単に超えてしまった。日本人はその事実に驚き、外国人が自らの社会や文化に興味を持ってくれたと喜んでいる。そして「日本のどこに魅力があるのか」と確認し、自己を肯定しようとしている。ブームの背景にあるのは、そんな心理状態だろう。自己を肯定したい気持ちは根本的なもので、個人にも国にも、普遍的に存在する。私もフランスに8年間住んだが、食べ物や治安、清潔さなど、比較するなら圧倒的に日本が住みやすく、肯定したいと思う。外国人旅行者の増加といううれしいニュースに接し、自画自賛したくなるのは無邪気な感情で、目くじらを立てる必要はまったくない。その気持ちを、危険なナショナリズムの兆候だと批判する知識人もいる。彼らは小さな芽の段階で、それを摘もうとするが、正面から批判すればするほど、素朴な感情は追いつめられ、抑圧される。その結果、攻撃的で、強烈な他者への批判に転化しかねない。不毛で逆効果だ。さらに、批判する側には、「自分は、日本を自画自賛するような価値観を超越している人間だ」という、ゆがんだ自己肯定があるように感じる。このように自己肯定の気持ちは知識人も乗り越えられない。批判する欺瞞ぎまんに気づいた方がいい。多くの人は「日本が優れているから、他国の上に立つべきだ」などとは思っておらず、節度がある。もちろん自画自賛がエスカレートしていく可能性もあるが、頭ごなしに否定するのでなく、むしろ自らの国の価値を特別視したい気持ちは肯定した上で、どうしたら暴走しないかを考えていくべきではないか。自己肯定の感情は、どこの国の、誰にでもあると認めることが出発点だ。そして、中国や韓国などとの外交問題を抱える中、互いに心地いい状態をどう作っていけばいいのか、長期的に得をするにはどうすればいいかを考えていくべきだ。
この過程は個人でも、子どもから大人になる際に通る道と言える。日本という国も今、成熟する過程にいるのではないだろうか。◇1970年生まれ。専門は哲学。著書に『国家とはなにか』『ナショナリズムは悪なのか』など。
http://www.yomiuri.co.jp/culture/news/20150325-OYT8T50090.html
本当に日本の方が住みやすいなら、なぜ日本の出生率は低いんだろうか?フランスは移民だけでなく白人でも出生率が日本より高いという。
また日本には自分を特別視して暴走した過去、節度を持っていなかった過去があるという事実・歴史的文脈・個別性を考慮せず、あるいはそれに言及せず、現代の自画自賛を「普遍的なものだ」と無邪気に肯定するのもちょっとありえない。(もしかしたら過去への言及が記事で編集カットされた可能性も無くはないかもしれないが)
なんというか哲学てのはこんなのでいいのかと思ってしまう。
また日本には自分を特別視して暴走した過去、節度を持っていなかった過去があるという事実・歴史的文脈・個別性を考慮せず、あるいはそれに言及せず、現代の自画自賛を「普遍的なものだ」と無邪気に肯定するのもちょっとありえない。(もしかしたら過去への言及が記事で編集カットされた可能性も無くはないかもしれないが)
なんというか哲学てのはこんなのでいいのかと思ってしまう。