強制徴用

池田信夫氏「朝鮮人徴用者は終戦時245人」の間違い

また池田信夫さんである。 
世界遺産の「徴用工」こそ日韓歴史問題の本丸だ 安倍政権は河野談話の轍を踏むな
2015.7.7(火) 池田 信夫

戦時中に政府が労働者を動員する方法は募集か徴用であり、後者は一種の強制だが、これは朝鮮人に限った話ではない。戦時中は国家総動員法にもとづいて国民徴用令が出され、616万人が軍需工場などに徴用された。厚生省によれば、そのうち朝鮮人はわずか245人(終戦時)だった。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/44239

朝鮮人労働者は「強制労働」だったのか

戦時中に日本の工場や炭鉱などで働いた朝鮮人労働者は32万人以上と推定されるが、その大部分は募集である。その中には政府が仲介した「官斡旋」もあるが、「徴用工」を国民徴用令で動員された労働者とすると、朝鮮半島には徴用令は戦争末期に適用されただけなので、徴用工は終戦時にわずか245人である
http://agora-web.jp/archives/1647603.html


この245人は終戦時ではなく、昭和34年時に日本にいた数である。
「在日朝鮮人の渡来および引揚げに関する経緯、とくに、戦時中の徴用労務者について」(記事資料 昭和34年7月11日/ 昭和35年2月外務省発表集第10号より抜粋)
3、すなわち現在登録されている在日朝鮮人の総数は約61万であるが、最近、関係省の当局において、外国人登録票について、いちいち渡来の事情を調査した結果、右のうち戦時中に徴用労務者としてきたものは245人にすぎないことが明らかとなつた。 そして、前述のとおり、終戦後、日本政府としては帰国を希望する朝鮮人には常時帰国の途を開き、現に帰国した者が多数ある次第であつて、現在日本に居住している者は、前記245人を含みみな自分の自由意志によつて日本に留まつた者また日本生れのものである。
https://www.sanae.gr.jp/column_details415.html

そしてこれは「徴用」限定の数字であることも重要で、つまり「官斡旋」など徴用以外の強制動員はここに含まれないわけである。官斡旋などについては朝鮮半島での労務動員はただの「徴用」、というウソ参照

 

朝鮮半島での労務動員はただの「徴用」、というウソ

50数年前の文書において外務省は、朝鮮半島における「徴用」は1944年9月からとしている。
外務省「在日朝鮮人の渡来および引揚げに関する経緯、とくに、戦時中の徴用労務者について」(記事資料 昭和34年7月11日/ 昭和35年2月外務省発表集第10号より抜粋)

元来国民徴用令は朝鮮人(当時はもちろん日本国民であつた)のみに限らず、日本国民全般を対象としたものであり、日本内地ではすでに1939年7月に施行されたが、朝鮮への適用は、できる限り差し控え、ようやく1944年9月に至つて、はじめて、朝鮮から内地へ送り出される労務者について実施された。

かくていわゆる朝鮮人徴用労務者が導入されたのは1944年9月から1945年3月(1945年3月以後は関釜間の通常運航が杜絶したためその導入は事実上困難となつた)までの短期間であつた。
https://www.sanae.gr.jp/column_details415.html
これのことか
厚生省発動第二〇五号
半島人労務者の移入に関する件
決戦下生産増強上労務者の増員確保の緊要なるに鑑み半島人労務者の移入の促進を図るの要あり仍て別紙半島人労務者の移入に関する件を提出す
右閣議を請ふ
昭和十九年八月七日
厚生大臣 広瀬久忠
内務大臣 大達茂雄
内閣総理大臣 小磯国昭殿

半島人労務者の移入に関する件
一 移入労務者に付新規徴用を実施すること
 右に伴ひ要すれば国民徴用令を改正すること
二 新規被徴用者に付援護の徹底を期すること
 尚其の他の移入労務者に付ても新規被徴用者に●(?)じ援護を実施すること

アジア歴史資料センターhttp://www.jacar.go.jp 
レファレンスコードA03010212100

つまり以下の強制連行は、1944年9月以前であり、つまり「徴用」ではない。
(資料1)
住友鉱業の「半島人移入雇用に関する件」(1939年9月22日
1.募集事務―――総督府に於いては左記事由に基づき内地移住につき積極的援助をなす
イ.労務者動員計画遂行に協力すること
ロ.本年度南鮮一体の旱魃による救済のため 従って募集は募集取締規則に基づく各社の募集従事者による募集と言うことになつて居るが実務は前記事由により朝鮮官権によって各道各郡各面に於いて強制供出する手筈になつて居る、即ち警察に於て割当数を必ず集める之を各社の募集従事者が詮衡(選考のこと)することになって居る
(朴慶植編「戦時強制連行・労務管理政策」①、P298~299)
http://www10.ocn.ne.jp/~war/kyousei.htm 

(資料2)
北海道炭礦汽船株式会社の霊光郡送出責任者が釜山の駐在員に宛てた1944年5月31日付書簡のなかで、直接の体験ではないが、霊光郡において「集合日指定時間内に120名割当に対し参集せる者36名よりなく(之れも面にて強制的に連行せるもの)」、このため「郡庁職員9名警察署高等経済係員及面職員を総動員、寝込みを襲ひ或は田畑に稼動中の者を有無を言はせず連行する等相当無理なる方法を講し」て動員対象者を確保した事件があったことを伝えていた。

(資料3)
復命書
嘱託 小暮泰用 
依命小職最近の朝鮮民情動向並邑面行政の状況調査の為朝鮮へ出張したる処調査状況別紙添付の通りに有之 右及復命候也
昭和十九年七月三十一日
管理局長竹内德治殿

京城に於ける有志懇談会席上に於て朝鮮人有志の希望する所の要点を記述することにする、尚出席者は左の通りである。・・・
右記各有志から席上希望として述べられた要点の内主なる項目のみを挙ぐれば
(ヘ)今後朝鮮より供出する労務者は従来の如き募集又は官の強制斡旋方法を改め指名徴用制を速かに実施すること 
・・・

七、朝鮮内に於ける労務規制の状況並に学校報国隊の活動状況如何
(イ)、朝鮮に於ける労務動員の方式
凡そ徴用、官斡旋、勤労報国隊、出動隊の如き四つの方式がある。
(ハ)、動員の実情
徴用は別として其の他如何なる方法に依るも出動は全く拉致同様な状態である。其れは若し事前に於て之を知らせば皆逃亡するからである、そこで夜襲、誘出、其の他各種の方策を講じて人質的掠奪拉致の事例が多くなるのである、
アジア歴史資料センターhttp://www.jacar.go.jp 
レファレンスコードB02031286700

(資料4)
思想対策係「半島人問題」という文書(水野直樹編『戦時期植民地統治資料』第七巻、柏書房、一九九八年、に所収、原本は法政大学大原社会問題研究所所蔵の協調会文書)にはこの点をより明確に示す記述がある。
この文書は、協調会に設置された「思想対策研究会」のなかで行った警察や企業関係者からの意見聴取をまとめたものと考えられ、成立は一九四四年八月頃と見られる 。
この文書で注目されるのは、石炭統制会勤労部長の言葉と考えられる次のような文言が記載されていることである。
 すなわち「朝鮮に於ける募集状況を見るに、曽ては野良で仕事最中の者を集め、或は寝込みを襲ふて連れて来る様な例も中にはあって其の誤れるや甚しい。計画的に募集の準備をして供出することが切に要望される所以である」というものである。

朝鮮半島における労務動員は3段階あったとされるが、そのいずれも強制があったことになる。
山口は、日本政府の労務動員計画を3段階に分け、①39年1月からの「募集形式」②42年からの「官斡旋方式」③44年9月からの「徴用令方式」があったとし、その最初の募集の段階から、行政・警察当局による強力な勧誘があった。したがって「募集とは言っても実態は強制連行」であると主張している[26][27]。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9C%9D%E9%AE%AE%E4%BA%BA%E5%BC%B7%E5%88%B6%E9%80%A3%E8%A1%8C

39年1月からの「募集形式」 →強制資料あり(資料1)
42年からの「官斡旋方式」  →強制資料あり(資料3) 
44年9月からの「徴用令方式」 →これが「徴用」もちろん強制


日本政府としては、この3段階の労務動員のうち最終段階である「徴用」だけをとりあげて、つまり国民に徴用の部分だけを見せて、合法だったと主張しているようだ。
世界遺産登録 外務省「当時は合法」と強制労働の違法性を否定 「情報センター」への韓国関与は明言せず 産経新聞 7月6日(月)10時48分配信

政府は昭和14年に国民徴用令を制定し、勤労動員を実施。当初は朝鮮半島出身者は除外されたが、戦況悪化に伴う労働力不足から19年9月以降は適用された。政府は、徴用は国内法の下で合法的に労働が行われたとの認識で、この問題をめぐり、政府見解や公式文書などに「強制」の文言が記述された前例はない。 水嶋参事官は「意思に反して日本に連れて来られた方もいたことは否定できないが、合法だった。違法な形で強制労働を行ったことを意味するものではない」と説明した。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150706-00000533-san-kr

「forced to work」は「誰が見ても『強制労働』」 世界遺産で外交敗北、安倍首相ツイッターは「炎上」状態 J-CASTニュース 7月6日(月)19時24分配信

7月6日午前の記者会見で、菅義偉官房長官は、 「強制労働ではまったくない旨、岸田大臣から明確に述べている」 と述べるにとどめ、午後の会見では、 「(国民総動員法に基づいて定められた)国民徴用令に基づく朝鮮半島出身者の徴用が行われたことを記述したということ。強制労働を意味するものではないということを、かねてより申し上げている」 と述べた。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150706-00000006-jct-soci&p=1

菅氏「朝鮮半島出身者の徴用は強制労働でない」 7月6日 20時27分

これに関連し、菅官房長官は午後の記者会見で「1944年9月から1945年8月の終戦までの間に、国民徴用令に基づいて、朝鮮半島出身者の徴用が行われた。これはいわゆる強制労働を意味するものでは全くないというのが、政府の従来どおりの見解だ」と述べました。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150706/k10010141251000.html
確かにそれはウソではないかもしれない。ウソではないかもしれないが、しかし「徴用とは別に、あるいは徴用以前から、強制連行があった」という都合の悪い事実を隠していることになる。


ちなみに外務省は冒頭の文書で、徴用以外の官斡旋などは「募集に応じて自由契約」だと主張している。つまり強制性は無かったと主張している。
 1939年末現在日本内地に居住していた朝鮮人の総数は約100万人であつたが、1945年終戦直前にはその数は約200万人に達していた。 そして、この間に増加した約100万人のうち、約70万人は自から内地に職を求めてきた個別渡航と出生による自然増加によるのであり、残りの30万人の大部分は工鉱業、土木事業等による募集に応じて自由契約にもとづき内地に渡来したものであり、国民徴用令により導入されたいわゆる徴用労務者の数はごく少部分である。 しかしてかれらに対しては、当時、所定の賃金等が支払われている。
https://www.sanae.gr.jp/column_details415.html

一般人外国人は官斡旋などの単語は知らないだろう、ましてその強制実態を知るはずもない、と高をくくっているのだろうか。
 

あとテレビで人気の八代英輝弁護士も、徴用の話はしているようだが、徴用以外に強制動員があったことをどう考えるんだろうか。
八代英輝弁護士が世界遺産登録をめぐる韓国の主張に猛反論
2015年7月6日 22時0分 トピックニュース

さらに八代氏は、日本側が「被害者を記憶にとどめるため」の情報センターの設置を検討すると発表したことについて「なぜ日本が徴用工の韓国のために情報センターを自分たちの費用で作らなければならないのか」と違和感を示した。 その理由について八代氏は、強制労働では対価は発生しないが「徴用」の問題では日本国民も動員されており、賃金の払いの合意もあったと説明し、韓国から「Forced Laberとされるいわれはない」「今回の件、地元は大喜びかもしれませんが、手放しでは喜べないなという後味の悪いものになってしまいましたね」と厳しく非難した。
http://news.livedoor.com/article/detail/10316665/

前衆議院議員の山田宏さんもそう。なぜみんな「徴用」の話だけするんだろうか。官斡旋を知らないんだろうか。
前衆議院議員 山田宏 ‏@yamazogaikuzo

慰安婦も英語では「forced」と表現されることほとんどで、これを韓国は「強制連行」「性奴隷」とさらに言い換えていった。そもそも「徴用」は、戦時一時期、全ての日本国民に一定の給与の支払いの下での勤労を法制化したもの。日本人であれば、その意思に関わらず法には従うのが当然のこと
276 リツイート 78 お気に入り 17:02 - 2015年7月5日
https://twitter.com/yamazogaikuzo/status/617846155121004545
 
その他、「徴用」の話だけする人たち。
世界遺産登録 民主、河野談話と混同させる意図? 安倍首相「強制労働を意味しない」と否定 産経新聞 7月10日(金)13時31分配信

安倍晋三首相は10日午前の衆院平和安全法制特別委員会で、世界文化遺産への登録が決まった「明治日本の産業革命遺産」をめぐり、韓国側が一部施設で働いていた朝鮮半島出身者への「強制労働」と主張していることについて「強制労働を意味しない」と否定した。 首相は、世界遺産委員会における日本政府が述べた「forced to work(働かされた)」の意味について「対象者の意思に反して徴用されたこともあったという意味だ」と語り、戦時中に国民徴用令によって行われた朝鮮半島出身者の徴用が国際法上の強制労働には当たらないと主張した。民主党の細野豪志政調会長の質問に答えた。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150710-00000537-san-pol

次世代の党・和田政宗議員
2015年07月08日 16:08
どうした日本外交

”強制労働”は事実に反する 世界遺産登録にあたり、我が国が「force to work」という用語で強制労働があたかもあったかのような誤解を与えてしまったことは、してはならない譲歩を政府がしたわけで、このようなことは断じて許せない。 政府は「強制労働を意味しない」と言うが、国際社会はどう見るか。韓国の宣伝工作もある。 徴用工は、”意に反して”徴用された人もいるが、労働の対価として給与が十分に払われており、強制労働には全くあたらない。 このような交渉を政府がなぜ行ったのか、来週外務省より聴き取りを行う予定だが、このようなことが二度と無いよう、また現状を打開するために徹底的に追及しなくてはならない。
http://blogos.com/article/121410/

自民党・佐藤正久議員
2015年05月08日 19:47
【明治の産業革命世界遺産、韓国の登録反対運動】

また、本遺産群は1850年代から1910年の約50年の日本の産業革命施設だ。一方、朝鮮半島から日本に徴用工が派遣されたのは1944年の9月から45年の3月までの7ヶ月のみ。違う年代の事象を取り上げて世界遺産の価値を否定するのは適切出ない。
http://blogos.com/article/111817/

前議員・中山成彬氏

中山なりあき‏@nakayamanariaki 世界遺産登録問題は説明文に朝鮮人の徴用の記述を載せることで折り合ったようだが、慰安婦の大半が日本女性だったのと同じで、強制でもない。又、朝鮮人が徴用工として働いたのは終戦間際のほんの一時期で遺産の対象期間ではない。ごねると必ず譲歩する日本と見透かされた日本、悪い癖をつけたものだ。
16:45 - 2015年6月24日
https://twitter.com/nakayamanariaki/status/613613960793686016

小林よしのり氏
2015年07月06日 13:19
世界遺産と歴史認識、どっちが大事?

「徴用工」は朝鮮人だけではない。当時は台湾も朝鮮も日本だったから、台湾人も朝鮮人も日本人もみんな徴用されたのだ。
http://blogos.com/article/120902/

三橋貴明氏

続 大失態 2015-07-11 08:13:23
徴用とは、戦争中に、中央政府が国民(あるいは、占領地住民)を法律に基づき動員し、兵役を含まない一般業務に就かせることになります。ついでに書いておくと、「徴税」は中央政府や地方自治体に税金を徴収されることです。 大東亜戦争期、国民が徴用として一般業務に就くことは、法律に基づく義務だったのです。「強制、強制」言うならば、徴税にしても「国家に強制的に税金を徴収されている!」という話になってしまいます。それでも、国民の義務であるから、税金を払うのです。
しかも、朝鮮半島の日本国民は44年9月まで徴用を免除され、さらに徴用が始まっても女性は免除されました。本土の日本国民は、女性も含めて徴用の任に就いていたのです。同じ日本国民でありながら、朝鮮半島の国民は優遇されていたのでございます。
http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12049077181.html


古田博司氏

2015.7.9 05:00
【正論】 世界遺産でゴネた強制性の意味 筑波大学大学院教授・古田博司
「慰安婦」「徴用工」も「強制性」を剥奪されれば、ただの同化日本人にすぎない。朝日新聞が「従軍慰安婦」の誤報を認めたことで「強制性」の大半は剥奪された。残るは「徴用工」で、韓国は必死に挑んでくることだろう。
http://www.sankei.com/column/news/150709/clm1507090001-n3.html


西村幸祐氏

@kohyu1952 そもそも「強制労働」という概念がおかしい。韓国はつい先日までは「強制徴用」という言葉を使っていた。日本人全員に義務付けられた戦時徴用に過ぎないのに。日本メディアの韓国の言葉をそのまま流用し続ける主体性の無さに呆れます。滑稽な「強制徴用」を「」なしで使うとは! @makotoban
 22:54 - 2015年7月4日https://twitter.com/kohyu1952/status/617330686735679488

官僚作家・林雄介氏

@yukehaya 朝鮮人の徴用はやってる。ただし、厚生保険に事業者が強制加入させられてるけど。朝鮮からの徴用者用に厚生保険の法改正して、徴用でも保険の対象にしてる。出稼ぎと徴用がごっちゃになって、強制連行されて、強制労働させられた話に変わるよ。徴用は給料払ってるから。
23:58 - 2015年7月5日
https://twitter.com/yukehaya/status/617709204212592645

【熱血弁護士 堀内恭彦の一筆両断】「世界遺産」狂騒曲 損なわれた国益
産経新聞 7月9日(木)7時55分配信
戦争時の労働力不足を補う「徴用」は、諸外国でも行われていたことであり、給料も払われていました。韓国側が言うような「強制労働」という事実は確認されていません。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150709-00000011-san-l40 
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